サブカル大蔵経457外山滋比古『50代から始める知的生活術』(だいわ文庫)
昨年、96歳でご逝去された外山滋比古。
昨年、私も50歳になって、読みました。
〈メモしないで、忘れなさい〉
〈気が楽になる。脳にまかせる〉
〈大脳より小脳を鍛える〉
…今までそうやってきて、もったいなくなって、本の抜き書きと、このnoteへのアウトプットを始めたのですが…。
忘れていい、というのは気楽になりましたし、逆に、忘れないといけないんだと。
『読んでない本について堂々と語る方法』や養老孟司さんの説く脳任せにも通じますが、外山さんはそれを戦略的に考えているところがユニークな啓蒙書だと思います。
私の場合、本に影響されすぎているかもしれないので、あらためて、外山イズムを大事な指標としたいと思いました。
二毛作人生、歩く。p.14
とにかく歩く。
二次会はなし。基本は淡交。p.89
淡い交わり。今を見越したような…。
真似はしない、自分で考える。p.102
とにかく自分で歩いて考える。
考えは寝かせる。まず忘却。p.117
思いついてもすぐ外に出さない。
知識メタボが起こる。忘れないといけない。p.118
忘れることで生まれていくもの。
よくノート等で記録します。今ならパソコンに入力します。しかしそれは記憶の保護に過ぎず、むしろ考える作業の邪魔にされなるかもしれない。へたに知識をため込むよりは、いっそのこと忘れてしまうのです。無理に使おうとしないことです。自然にほったらかしにしておくのです。そして自律的に忘却から残った知識が、何か他の物と結びついて新しく蘇ります。p.119
読んだ本をすぐ法話で使おうとすると、だいたいうまくいかない気がします。寝かせることの大事さ。
すぐ、朝食にしたりするの面白くありません。p.145
朝飯前の仕事の意義。それをこう語るのが、若い感覚ですごいと思いました。私もこれ読んでから、朝の寺院内散歩するようになりました。