サブカル大蔵経985菊地章太『葬儀と日本人』(ちくま新書)
今日は葬儀でした。
火葬場から帰ってきた遺族が「ここは、塩ないんだね」と話す声が聞こえてきます。
葬儀にまつわる風習は迷信として切り捨てていいのか。その背景と歴史。
ブッダは出家者の葬儀への関与を是認しなかった。出家者は修行に専念すべきであって、冠婚葬祭などの俗事にわずらわされるいとまはない。それは在家信者にまかせるべきだと説いたのである。さりとて葬儀そのものを否定したわけではない。そのことは、先程のブッダの言葉に続いて遺体の葬法がこまごまと述べられていることからもわかる。