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サブカル大蔵経 日本編

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2021年6月の記事一覧

サブカル大蔵経711大栗博司『探究する精神』(幻冬舎新書)

著者が何の研究をされているのか結局私にはわからなかったのですが、文理の垣根をこえた、真摯…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経710石田千『踏切みやげ』(平凡社)

石田千さんの文章には、〈思う〉が無い。 石田千さんは感情や感想を表現しません。でも、目の…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経706中川右介『萩尾望都と竹宮惠子』(幻冬舎新書)

衝撃の『一度きりの大泉の話』発刊以来、私は活字プロレス世代なので、〈活字少女マンガ〉をし…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経705鈴木志郎康『萩尾望都マンガの魅力』(清山社)

わたしは、萩尾望都さんの作品を、雑誌に発表された時点で読んでいるわけではありません。/わ…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経704『文藝別冊 萩尾望都』(河出書房新社)

〈少女マンガ界の偉大なる母〉 本人、漫画家、家族、城章子へのインタビュー。豊富な写真。 …

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経703『竹宮惠子のマンガ教室』(筑摩書房)

手塚治虫の編み出した技術と漫画の文化を伝えていく、その使命感あふれる竹宮惠子が後に教鞭を…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経701のりす・はーぜ『神の子羊』全三巻(光風社出版)

『一度きりの大泉の話』の中で、〈大泉サロン〉の中心人物として登場する増山法恵さんの単行本です。 1994年発行。『風と木の詩』の角川書店版を読み終えた頃、えげつないタイミングで店頭に並んでいました。即買いして、結局30年間読まないまま現在に至ります。 『風と木の詩』を再読した時、読もうと思います。 とりあえず、一巻の竹宮惠子の推薦文、二巻の石原郁子氏の解説、三巻の自身によるあとがきを読みました。 あと、本書の竹宮惠子の挿絵が尋常じゃないレベルで、『風と木の詩』の連載時

サブカル大蔵経700萩尾望都『一度だけの大泉の話』(河出書房新社)

学生の頃、いわゆる24年組たちの選集や愛蔵版が出版され、大島弓子、山岸凉子、萩尾望都、竹宮…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経699千葉聡『歌うカタツムリ』(岩波書店)

宇宙は身近にあった。 およそ二〇〇年前、ハワイの古くからの住民たちは、カタツムリが歌う、…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経698『ブックオフ大学ぶらぶら学部』(夏葉社)

最近ブックオフ行きましたか? 本書に掲載された執筆者たちの熱い文章にあおられ、読んだ翌日…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経697立川こしら『その落語家、住所不定。』(光文社新書)

ホームを捨てた結果、全てがホームになったのだ。p.145 はるばる旭川まで毎月来てくれる立川…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経696スズキナオ『酒ともやしと横になる私』(シカク出版)

抜き書きでは良さが伝わらない座右の本。 この真四角の小さな宇宙を保持して、お守りのように…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経695岸本葉子『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』(中公文庫)

岸本葉子の買い物エッセイが大好きです。今作も芸人のすべらない話のようなお話と、向田邦子の…

永江雅邦
3年前
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サブカル大蔵経694森岡督行『荒野の古本屋』(小学館文庫)

私もあの時、著者に一誠堂でお世話になっていたかも…。と夢想。 主人公の著者は本好きのヒーローです。 ボンクラな本好きを、自分もこんな世界があったのでは?と並走させてくれる興奮。 〈本〉の世界を愚直に突き進む中で、それぞれの場で差し伸べられる手の縁の貴さ。 好きなことを商いにしていくことの努力と大変さもしっかりと伝えてくれる物語。 東京行った時訪れたい聖地がまたできた。 古いビルの話になると私はボルテージがあがる。p.52  着目点が縁をつないでいく。視点と行動力