サブカル大蔵経698『ブックオフ大学ぶらぶら学部』(夏葉社)
最近ブックオフ行きましたか?
本書に掲載された執筆者たちの熱い文章にあおられ、読んだ翌日、気づいたら最寄りのブックオフに入っていました。
数年ぶりに入ったブックオフ。百均棚が縮小してるかなと思いながら、文庫を購入。アプリをダウンロードすると、ポイントがもらえて、アプリにあおられて、また翌週訪れ、文庫を購入。二回で合計1000円。安い。楽しい。そして広がる。
本書は書店ルポなど貴重な本を出している夏葉社からの発刊です。ハズレなし。
冒頭の武田砂鉄さんから名言連発。
買う理由なんてないが、買わない理由もないのである。p.12
そうです。ブックオフだから買える。
ブックオフは教会だったり戦場だったり。
昨日のブックオフでは、学生がカードゲームコーナーにワイワイたむろっていました。
ブックオフの棚は、一度洗われた状態というか。p.181
表裏凝った装丁のデザインは横須賀拓氏。巻末で夏葉社代表・島田潤一郎氏と対談しています。それがまた〈本〉との付き合いを再確認させる貴重な対談でした。
【武田砂鉄】
「内田樹の自己啓発性」や「石田衣良のタレント性」をどう捉えるか、私たちは試されることになる。p.10
棚によって固定概念が崩されていく。
ナンシー関も川島なお美もいなくなってしまったが、自分の本棚では二人が呼吸している。p.14
もう新刊書店では会えない人たち。
【山下賢二(ガケ書房、ホホホ座)】
ブックオフって、やっぱり時間を超えたものに出会える場所なんですよ。p.30
昭和・平成・令和がひとつの空間に。
本当の本好きに戻れる場所ですかね。p.38
この言葉、本当に響きました。
響け!ユーフォニ◯ムはラノベ棚でなく普通の文庫棚だったのか…!!p.58
本書に挿入される大石トロンボさんの漫画を読むだけでも価値がある。
【Z(せどらー)】
彼らは「ビームせどらー」「ビーマー」と呼ばれるようになりました。p.87
ブックオフを本来の本好きとして過ごせない人たちもいる。狩人たちの戦場としてのブックオフ。いわゆるブックオフ問題の小歴史も掲載。
【島田潤一郎(夏葉社代表)】
ブックオフはまるでセーフティネットのようだった。p.166
いろんな事件が起きる時思います。この人たちはブックオフに行かなかったのだろうか?と
一冊の写真集の重たさこそが、ぼくの青春のすべてであった。p.170
自転車のカゴにのせた写真集。宅配では味わえない、本という存在の記憶。