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サブカル大蔵経695岸本葉子『50代からしたくなるコト、なくていいモノ』(中公文庫)
岸本葉子の買い物エッセイが大好きです。今作も芸人のすべらない話のようなお話と、向田邦子のような凄みも、チラリと。
私がもっともよく顔を合わせている人。それは宅配便の人である。p.11
まさにそうです。宅配というシステムは、意外とアナログで、人を救うかも。
ネット注文は便利だけれど、よくよく確認しよう。特にセールの時は舞い上がらずに。涙の教訓である。p.16
岸本さんの涙ぐましいネット通販顛末。今日、Amazonプライムデーです。
若い頃は旅といえばひとり旅だった。それもなるべく人の行かない不便なところを訪ねるのが、かっこいいように思っていた。今の私からすれば信じられない。p.73
私もふとパックに目が行くように。
そこでパスワードを求められるといっきに士気が衰える。/どこかのサイトでは、ただ「配信を停止する」をクリックするのみで済んだ。好感度が上がったことは言うまでもない。p.95
ネットと五十代。パスワード問題…先日ワクチン予約の際に実感しました。
はじめはタイミングが合わず、「待って、まだ、便座の裏をひと拭きした紙も捨てたいのに」と憮然とすることもしばしばだった。か、無駄な抵抗と悟って、今は向こうのしたいように任せている。p.101
私も悩まされました。自動便座と他力。
そう、このワンピースはほとんど着ることがなかった。その服から得る満足は、買ったときがピークだったのだ。p.130
苦労して手に入れたものはそれがゴールで無関心になり、たまたま転がり込んできたものほど、長い付き合いになるのかも。
掃除を楽にする方法。それは、汚れを溜めないことに尽きる。/振り向いてひと手間を。「見返り美人」になるのが、溜めない人への第一歩だ。/掃除以外もこの方針で行くつもり。p.146
掃除以外も〈溜めない〉という覚悟。
印象的だったのは、椅子やソファの形が揃っていなかったこと。同じようにがんとむきあわなくていい。みんな違っていいのだと伝えているようで。p.183
いろんな椅子…『ぼくらの。』を想う。
元気を「もらう」とよく言うが、私にとって元気とはまずリセットすることだ。p.201
元の気。プラスや前進ではなく、還る。
五十代にもなると、たいていのことに慣れたやり方を持っていて、それと異なるやり方に違和感をおぼえるか、どうかすると否定してかかってしまう。p.231
それが崩れると、その人が成り立たなくなるのだろうか。私もそうなのだろうか。まず、食べ物が保守的になりますね。
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