いろんな意味でのプロローグ-中1-

 親友との始まり

 苦痛で仕方なかった小学校に別れを告げ、父を1人残して、母、兄と共に埼玉県に引っ越した。とはいえ、ほとんどの子が地元の小学校から集まった中、私は誰も知り合いがいない。新しい環境で新しい人脈を作っていかなければいけない。幸いなことに、入学式の日、クラスの同級生が1人で座っている私に声をかけてくれたおかげで、1ヶ月くらいはそのグループの子達と話すことができた。が、やはり彼女たちも小学校時代からの付き合いで、中々私が同じ浸透度で仲良くはなれなかった。

 そんな中、部活の仮入部週間がやってきた。初めは運動部に入りたい!と思っていたが、母から「そんなんで勉強できんの?」と言われたため、活動日数も少なく、比較的自由の効く家庭科部に見学に行こうと決めた。周りの子達はみんなバドミントン部やバレー部といった花形部活に行っていたため、私は1人で家庭科室へ向かった。その途中、階段を降りた先で、出会い頭に同じクラスの女の子と相対した。背が低くて、眼鏡をかけた色白の女の子。声がアニメに出てくる少女のような特徴のある声だったのでたまたま名前を覚えていた。「あ、○○さんだ、、」2人の間に一瞬沈黙が起こったが、私はすぐに目的の場所へ向かおうと通り過ぎようとした。その時、

「すみません!家庭科部ってどこで活動してるか分かりますか?」

その女の子が急に私にそう聞いてきた。え!?同じ所行こうとしてる!
「あっ、えっと、家庭科部、向こうの教室でやってるみたいなんだけど、あの、えっと、私も今から行くから、一緒に行かない?」
死ぬほど緊張して、目もキョロキョロして、言葉もしどろもどろになって、でもなんとか自分の言いたいことを伝えた。その子も1人だったらしく、「本当!?」と一緒に見学に行くことを快諾してくれた。「1人で行くのめっちゃ不安でさぁ!」「私も!」そんな会話をしながら部活の体験も終わった。次の日からは「おはよう」と当たり前のように言葉を交わし、3日後には下の名前で呼び合い、、、そして9年経った今もずっとずっと大切な親友です。

地獄の始まり

 しかし、学校生活のように家庭はうまく行かなかった。思春期の不安定さや中学3年と言う微妙なタイミングで転校せざるをえなかった兄が家の中で荒れ出した。母がヒステリックに怒鳴り散らすのはもう当たり前のことだったのだが、兄が怒鳴るのを初めて見たのはこの頃かもしれない。なぜ喧嘩しているのかその原因もよく分からないが、私が止めようとするものなら母が「あんたには関係ないだろ?!黙ってろ!」と逆ギレされる始末。毎日怒号の中生活し、少し疲れを感じるように。担任からも「まことさん大丈夫?」と心配され、本当に申し訳なくなった。そこで知った。「私って辛そうに見えてるんだ」新しい土地から1人やってきた人間。小学校の知り合いはいない。そんな新参者が何か闇を抱えてるなんて触れづらい奴になりたくない。自分から話しかけるだけのコミュ力はないから、せめて話しかけてもらえる空気ぐらい作ろうと、私は集団の中では反応のいい聞き手に徹した。 
 大丈夫。家もそのうち落ち着くから。そんな呑気に構えていた私だったが、2年に上がってから徐々に自分の家族の異常性、そして自分の身体の違和感に気づきはじめる。


最後まで読んでいただきありがとうございました♪次回はこれの続きを書くか、それともちょっと小休憩で別のことを書くか悩み中です〜次回も是非お付き合いくださいませ☀️

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