7月24日のわたしの行方は、
自分はどこか王道から外れているという意識があるから、できないことはできないとそう心のどこかで割り切りながら生きてきた。
だけど、どこかで、なにかのタイミングで、ある日突然わたしみたいな女の子が世界の王道にでもなったらおもしろいのにと思うこともあって。
顔も50点、体もそうだな40点だとか散々な評価をギャグ混じりにくだされて、それでも流行が巡ってわたしが100点な時代が来ればいいのにとか馬鹿げたことを考えたりして、どうにか自分を嫌いにならないで生きていく方法をずっと探している、そしてそれは多分永遠に続く旅だろうと思います。
不運や不幸をバネにして立ち上がるとか、そういうの泥臭いみたいですごく嫌だけど、わたしはわたしの本当の人生を生きていくことが目標だから、誰にも理解されない誰にも言えない悲しみは鮮やかな線を描くために必要だった、とそう思うことにして。
わたしの周りには調理しがいのある哀しみや切なさがたくさんある。時には心を売ってその報酬をもらってなんともないよって顔をしながらひょうひょうと暮らす。
そもそも心は売りに出すことを前提としていないけどそれにも値段をつけられるようになって、でもそれにも慣れてきた時、ついには本来売り飛ばされるはずではなかった心を値切られたとき、怒りはどこに向かうのが正しいんだろう?
誰も悪くないなんて笑わせないでほしい。
わたしも含め、きっと誰もがほんの少しずつ悪いはず。だからわたしは絶対わたしを値切ったりしない人とどこまでも一緒にいたいと願う。
時はサラサラ流れてわたしたちを取りこぼしていく。
最低限の生活を守るのに最大限をこなさなきゃいけないなんて、本当嫌になるね。
だからわたしはせめて、その場所だけは守りたいと願う。わたしの、わたし以外の誰にも価値なんてわからない本当の喜びを持って生きてゆく、そんなことを忘れていたな、と思い出した。
例えば誰からも愛されなくても、何とも思わずに生きていけるような鋼の人間になりたかった。誰からも愛されなかったとしても皆からボロ雑巾のような扱いをうけても自分で自分の価値を認められるような、そんな人間になりたかった。
いつの日も、どんな瞬間も、他人の感情と自分の感情をしっかり区別して割り切って生きていけるようなそんなメンタルを備えていたかった。
あなたは太陽みたいだね、と
言ってもらえたことがあるけれど、それは
大袈裟に笑っていたからかもしれない。
笑えない程の痛みを隠すために。
この日々に名前をつけられなくても、同じ場所をぐるぐる回っているだけだとしても、多分きっと近づいた分は離れていく。
何かが変わるまでどうにか抗いたい、答えは何かをもう少し考えたい。でもその何かにはなぜかまだ届かない、わからなくて。
だけどわたしあの日々をきっと忘れないよ。
わたしが大袈裟に笑っていたのは、オレンジ色のあなたがいつも向こう側で笑っていたから。
いつの日かあなたみたいになりたい、と願ったから。
みんなに優しくできて愛される、わたしもそんな人になりたかった。とりあえず出来るだけ優しさをもって人と接したいと思った。
数年ぶりにあなたを遠くから見れる、と楽しみにしていた。
誘ってもらったこと自体、とてもありがたくて、夏のイベントとしてとても楽しみにしていた、のに。
これだけコロナが再度流行ったこと、自分の立場が変わったこと、近場でコロナが出ていて自分は絶対に感染できないこと等、たくさんのことを加味して行くことを諦めました。お友達には本当に悪いことをしてしまった、とわたしお決まりの自分反省会を経て今日が来て、わたしは久しぶりにゆっくりした休日をと思い、あなたたちの数年前に行った野外ライブを思い浮かべながら過ごしました。
本当にここまでいろんなことがあったね。
わたしたちが知るのはあなたたちが歩んできたいろんなことのほんの一部に過ぎないかもしれない。
脚光を浴びる分、失ったものもあっただろう。その代わりに得たものはどれくらい?
当たり前に良いことばかりではなかったはずで、見たくなかったもの、知りたくなかったものもきっと数えきれないくらいあって、それでもずっとステージに立ち続けてくれている。その両足が踏み締めているものはただの床ではないんだろうな、と思う。
本当は、「嵐」みたいに正統派国民的スターになりたかった?本当は誰一人欠けずにここまで走り抜けたかった?それでもわたしは今のあなたたちがすごく好きだよ。オレンジ色の彼は本当にずっと変わらない優しい笑顔でわたしは大好きだよ。いろんなことを言われても、あえてちゃんと光ろうとしているんだろうな、と。経験は選べない部分もあるからこそ、きっと、光、だけを見て歩きたかったよね、でもそうではないから好きになったんだよ。
誰かの、みんなの光でいてくれてありがとう。
松竹座から野外スタジアムまで、連れてきてくれて素晴らしい未来を見せてくれて、立ち止まらずにがむしゃらにでも歩き続けてくれて、ありがとう。あなたたちの歩んだ軌跡を忘れない、忘れない、です。
わたしはあなたから、あなたたちからたくさん光合成させてもらって、本当にもらってばかりだなと振り返った。
居場所のなかった大学時代を、あの頃のわたしの心を掬い上げたのは間違いなくあなたたちだったし、あなたたちの希望の歌を聴いて、目の前の闇をかき分けて、まだ未来に向かう道の途中だと信じてあなたたちが歌う場所へ会いに行く、嘘ではなく本当にそれだけがわたしを支えていた。
あれからサラサラと時は過ぎて。
変わらない優しい笑顔のあなたと、みんなの中の一人として応援するわたし。あなた、とわたし。遠くて近い。わたしは昔から叶わない届かないなにかを好む癖があって、あなたの笑顔を遠くから眺めてきた。
目を閉じて、素晴らしい景色だろうなと想像した。雨じゃなくて、晴天で良かったね。
明日のことは考えるなとヨコが言って、バカになれますか?とヒナが言って、ちょんちょんって感じって笑いながら丸山くんが言って、そんなギャグに大倉が笑って、その隣でニコニコしているヤスがいるのかな、なんて。
心にこびりついた後悔をわたしは今日、一度全部手放そうと思った。
もういいね、もういいよ。
年齢を重ねるごとに、みんなと同じように生きていくことができないと責め立ててしまう自分を、そんな自分だからいつもごめんなさいと誰かに謝りたくて仕方ない自分を、後悔を、どうしようもない想いも、もう全て今日ここに置いていくね。
先日も「気使いすぎてそのまま突っ走ると倒れるよ」とアドバイスを受けたところだからこそ全部全部、置いていくから、明日からまた新しいわたしで生きてみようと、青空の向こうのあなたたちを思って自分と約束をした。
あなたたちがデビューした頃、わたしはまだ高校生でした。握手会に行きたくて、みんなで始発に乗って、会いに行った夏のあの日からもう18年もたちました。
追いかけ回して全国ツアーを一緒に回っていた頃、わたしは大学生でした。たくさんのハプニングがあったし、オレンジ色の彼がわたしに向かって行くよと言ってサインを投げてくれたこともちゃんと覚えています。結局わたしがキャッチできなくて凹んだら、ごめんねと言ってくれたことも。わたしの、誰かへの好きだという気持ちが迷惑ではなくて、好意として応援として届く、そんな嬉しさを感じた一瞬を久しぶりに思い出してあったかくなりました。
好きだという感情は恋だった時も憧れだった時もあったけれど、今はただただ、友達の言葉を借りて、「前にいて欲しい」と本当にそれだけです。
ただ、わたしの前をずっと歩き続けて道標でいてほしい、と。
今ならわかることがたくさんあります。
あなたたちがバンド寄りに構成を変えたあの頃、わたしは変化が怖かっただけで前に進もうとしていることを受け入れられずにモヤモヤしたこと、でも同じところでずっと留まっていられるようなあなたたちではなかったこと。
今ならば物事の変革時にはその背景に数え切れない理由があることを理解できるのに、本当にわたしは幼かったなあとか、ごめんね、とか想いは溢れるけれど、わたしのちっぽけな人生の中でわたしが揺るぎなく信じられて愛を注げるものが在ることを、オレンジ色の彼を好きだと言ったあの遠い日は数えるほどしかファンがいなくて、みんなに「本当にあの人が好きなの?」と怪訝な目で確認されたけれど、それでもわたしは王道から外れている自分なりの感性を持ちすぎているうえになぜかそれを怖いほど信じていたから、あなたがみんなに愛される今を知っていたような気がします。
ほらね、わたし見る目があったでしょう?
あなたたちのことを言葉にしようと思うとそれこそ永遠に文字に言葉にできてしまうからこのへんにしておきます。
これからもぜひ生き光ってください。
丸山くん、あなたならきっとどんな傷も全部優しさに変えていけるはずです。
形のない想いすら明日に放って。
そしてどうか、あなただけはその優しい笑顔をずっとずっとずっと忘れないで。
それだけがわたしのせめてもの願いです。いつまでも、オレンジ色が似合う太陽みたいなあなたでいてくれることをそっと祈ります。