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本の感想

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2020年に読んだ本の感想です。
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2020年9月の記事一覧

今和次郎 『日本の民家』

(2020年の37冊目)民俗学者であり、考現学のパイオニアとしてして知られる今和次郎がいまからちょうど100年ぐらい前に日本のあちこちを旅して、各地の民家を調査しまとめた本。建築史的にも、民俗学・エスノグラフィー的にも、民藝方面からも読める名著。すごく面白い。地方によって民家の形態や建築に用いられる資材が異なるというヴァナキュラーなものへの気づきは、かなり早い感覚だと思うし、調査のなかで水害が多い

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村上春樹 『猫を棄てる』

(2020年の38冊目)とても個人的な文章。後半で語られるもうひとつの猫に関するエピソードは『スプートニクの恋人』のなかで語られたものだ。このイラストレーションとの組み合わせは、どうなんだろう? 自分の好みでしかないけれど、漫画的絵がちょっと邪魔だった。

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 第7篇 見出された時』

(2020年の36冊目)2年半近くかけて人生で2度目(13年半ぶり)のプルースト登頂に成功。この大長編を2周した人はおそらく日本でも5000人ぐらいしかないだろう(根拠がない数字)。まずは過去に書いた感想でも並べてみよう。

2周目の感想まとめ