[OldCityBoy的「ファッション」講座] ドリス・ヴァン・ノッテンの魅力
実はわたくし、ドリス・ヴァン・ノッテンの大ファンでありまして、ドリス・ヴァン・ノッテンが本人の名前を冠したブランドのディレクターから退く、と聞いたときには大変ショックを受けた一人でございます。
どれくらいファンかというと、ファン歴としては実はCOMME des GARÇONSより長く、初めてこのブランドの商品を購入したのは二十歳の時でした(よってファン歴は約25年)。
初めて購入したアイテムはウールのコートでした。雑誌に載っていたコレクションのルックが大変カッコよく、当時タイトなスタイルが主流だった中で、オーバーサイズのコートがジーンズと合わせられ、繊細さとカジュアルさを兼ね備えたスタイルに衝撃を受け、二十歳の自分にとって10万円という大変高額なコートでしたが、バイト代をはたいて購入しました。
次に購入したのが、ドリスらしい繊細かつ独自の色合いが印象的なネイビーのニットでした。暖かく、意外にもカジュアルなボトムスにも合い、しかもとても丈夫で、最終的にはボロボロになるまで着倒しました。
その後もシャツなどを毎シーズン購入するほどで、最終的にはセットアップも購入し、そのセットアップで就職活動を行うという暴挙に出るほどのファンでございます。
で、ドリス・ヴァン・ノッテンの何が良いのか?、なのですが、
「なぜそんな大胆な柄を選んだの!?」、と突っ込みたくなる生地で作られた服を着ると、なぜか繊細さと大人っぽさを合わせたスタイルになり、そのギャップにびっくり仰天する。そして、このブランドの服を再度着ることにチャレンジしたくなる!
が回答になります。
画像を見てもらった方が早いのですが、例えば👇の生地の柄です。
「何じゃこのサイケデリックふれる大胆な柄は!、これの柄って服として成り立つのか!?」、と疑問と不安で頭がいっぱいになる柄です。
が、着てみると👇のように、柄の大胆さはちょうどいい塩梅で抑えられ、なんだかいい感じの繊細さが出た、かつ、とても大人なスタイルになるのです。また、カジュアルなパンツにも合わせやすいという、びっくり仰天な服を作る、洋服好きには再度着ることをチャレンジさせたくなるブランドなのです。
👇の服も全く同様で、「すごい柄だな…」と思いながら着てみると、やはり繊細さと大人っぽさが共存するスタイルが完成するのです。
👇の服もまさにその通りです。
こうした背景から、COMME des GARÇONSとは異なるベクトルで、「着れるものなら着てみなさい」と服好きを試すように感じられるブランドであり、その魔力に抗えず、結局魅了されてしまうのです。
ただ、ドリス・ヴァン・ノッテンはこうした攻めた服だけでなく、それとはまったく対照的な、ごく普通に見える服も作ります。
例えば👇ですが、一見ただのスウェットにしか見えません。
ですが、実際に着ると繊細で大人っぽいスタイルになり、びっくり仰天します。
この理由はスエットの色にあると思うのですが、確かにこんな繊細な色のスエットを見たことがない…
というわけで、最近自身はこのスエットシリーズがお気に入りで、よく着ています。
ドリス・ヴァン・ノッテン本人がディレクターを退いたとしても、ブランドは継続され、定番のアイテムも引き続き展開されるでしょう。ただ、四半世紀ファンであった私としては、少し寂しい気持ちもありつつ、このブランドに関して改めて振り返った記事にしたいな、と思った今日この頃でした。
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