マガジンのカバー画像

映画

85
[映画]記事を年代順にまとめたもの
運営しているクリエイター

2023年10月の記事一覧

[理系による「映画」考察] 陽のあたる場所(1951) ➡ストーリー自体は悪だが、演出に宗教的な要素を絡ませているので、結果、感情がうまく処理できず、なんとも後味が悪い…

なんとも後味が悪い映画で、これほど後味の悪い映画はデヴィッド・フィンチャーの"セブン"以来でした。 が、"セブン"もそうでしたが、後味が悪い分、印象に強く残ってしまい、一生忘れることができなくなりそうな映画です。 ざっくりした流れは、下記となります。 1. 社内恋愛は禁止であることを事前に認識しているはずなのに、平然とそのルールを破り、妊娠させる。 2. 出世と、身分の高い・より美しい女性との結婚のため、妊娠した女性が邪魔になる。 3. その女性を殺そうとするも、事故か他

[理系による「映画」考察] 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語(2013) ➡女の情念系映画、ここに極まる!!!

この映画は凄いです!!! "女"というものを描いた作品としては、"黒蘭の女"は優に超え、"風と共に去りぬ"級の世界的な名作として歴史に名を刻んでもよい!と思うのですが、悔しいかな、アニメ教養がある人以外ではいまいち理解されないでしょう…。かつ、男性には異常に評価されると思いますが、女性にはそれほど評価されない気がしています(この点で"風と共に去りぬ"は超えない)。 具体的に何が凄いかというと、男なしで女の情念を描き切った!、ところなのですが順序立てて説明します。 魔法少

[理系による「映画」考察] オール・ザ・キングスメン(1949) ➡リスクを取って政治を批判するという行為を始めて映画化したことが評価されたのかな...

権力に固執することによる悲劇的な最後、を演出した映画になります。 ただ、ストーリーの演出に無理がある気が…。具体的は、"勝ち方さ"、というセリフと共にダークサイドに落ちる瞬間で、それが急すぎて、展開が早すぎない?、とツッコミを入れました。 権力に固執することによる悲劇的な最後、をエンタメ化しているので、ダークサイドに落ちるくだりは端折っても映画的には楽しめるのですが、なぜサニーサイドだった人間がダークサイドに落ちたかの背景説明をもう少しすると、映画としても深みがでて良かっ

[理系による「映画」考察] 女相続人(1949) ➡最後で帳消しにしたとしても、女性にとってあんな屈辱的なストーリの映画をよく撮れたな...、と感心する映画

財産目的に結婚を言い寄ってきた男に対する復讐劇、なストーリーに見えますが、そんな単純なものではなく、実は"女性"という存在に対して、深く鋭くえぐっている映画です。 主人公の女性はそれなりに美人なので、分かりにくいのですが、 実際の設定は、 ・特段、異性から好まれる容姿ではない ・容姿をカバーできるほど頭が良いわけでも、社交的でもない ・華やかさもなく、とても地味で、強いて特徴があるといえば、刺繍ができるぐらい といったところです。 よってその時代の"女性像"からすると、な