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[理系による「映画」考察] 劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語(2013) ➡女の情念系映画、ここに極まる!!!
この映画は凄いです!!!
"女"というものを描いた作品としては、"黒蘭の女"は優に超え、"風と共に去りぬ"級の世界的な名作として歴史に名を刻んでもよい!と思うのですが、悔しいかな、アニメ教養がある人以外ではいまいち理解されないでしょう…。かつ、男性には異常に評価されると思いますが、女性にはそれほど評価されない気がしています(この点で"風と共に去りぬ"は超えない)。
具体的に何が凄いかというと、男なしで女の情念を描き切った!、ところなのですが順序立てて説明します。
魔法少女まどか☆マギカ、自体は元々アニメなのですが、この映画はアニメの背景が無いと訳が分からないので、それをまずは観る必要があります。が、このアニメがそれなりに凝ったストーリーのため、アニメ教養が無いと楽しめないです。
で、アニメを想定して観ることになるのですが、映画の3/4までのストーリーはある程度予測可能です。具体的に、"銀河鉄道の夜"を明らかに意識した演出をしているので、"あぁ、アニメ設定の元、そっち系で進むのね"、となんとなくストーリーの展開は観ながら予想できます。ただし、圧倒的な画力で物語は進むので、それでも十分楽しめます。
が、3/4まで進むと別の幕が開き、傑作たらしめている新しい展開が始まります。この部分で、"女の情念"を描き切るのですが、これがゴリゴリ理系男を混乱させるもので、まさに"キュゥべえ"の心境になります。
何がそんなに混乱させるかというと、女性の男性に対する情念(愛)、ではなく、女性の女性に対する情念(愛を超えている…)、なところです。
女性の男性に対する情念、なのであれば、"黒蘭の女"で見たことあるので、それほど感動しなかったと思いますが、女性の女性に対する情念を真正面から描いた作品は見たことがなく、かつこの感情は男にはよく分からず、もはや、すげー、と言うしかない…
さらにこの映画で凄いところは、男がほぼ出ていない、ところです。ほんのちょっとだけ出ていますが、ストーリー上、仕方なく出している感が大いにあり、結局のところ、この映画のメッセージを伝えるためには男は邪魔であり、もはや男なしの方が良い映画ができてしまう事実を突きつけられていることがショックでショックで、
女性にとって男って本当に要るのか…?、女って恐ろしい…
な感情を抱くことになります(まさに、最後の傷ついた"キュゥべえ"状態)。
が、上記は恐らく男性に限定されるものであり、女性からしたら、普通でしょ!、と言われそうな気がしており、コメントいただけると大変助かります。
最後に、2024年に下記の新作を公開するとのことですが、これも良い意味でモロモロ裏切ってくれると嬉しいな~、と期待しているところです!