映画のお話

映画のお話をしていきます。最近観た映画とかです。

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最近の記事

寺山修司とトランプとサブカル(ゲスト:トークラさん)

「寺山修司とアングラの未来」 「100回なんてすごいね」そう言われて、私はようやく自分のポッドキャストが大台を迎えたことに気づいた。更新が滞り気味だったこともあり、特別な感慨が湧くわけでもなかったが、悪い気がしない。 今回のゲストはトークラさん。アングラ文化を語るにはこれ以上の適任者はいないだろう。 彼との会話は、まるで川の流れのようにどこまでも続いた。寺山修司の魅力から始まり、アングラ文化の再評価、現代社会が抱える閉塞感の正体、そしてSNS時代における表現の困難さまで

    • 「侍タイムスリッパー」時を越えたこの映画と、侍のような孤独な語り

      気づけばこの配信も100回目。ようやくこの数字に到達したわけですが、まぁ、他にもゲスト呼んだり、いろんな特別企画を挟んでいるので、実際の配信回数はとっくに100を超えています。でも「ただ一人で映画を語る」という枠の中で迎える100回目というのは、何とも言えない気持ちになりますね。 そもそもこの配信、何で始めたかといえば、一人で映画についてしゃべり続けることで、自分の表現力や伝え方を磨きたいと思ったからです。仕事に活かせればいいかなーなんて期待もあったわけです。まぁ、趣味と実

      • 「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」二つの顔を持つ男、アーサーとジョーカー、狂気と孤独

        前作の『ジョーカー』を初めて観たとき、心の奥底を乱暴に掻き回されたような気分になった。社会に見捨てられ、誰にも愛されない男が、最終的には自分の狂気に身を委ねていく――そんな物語だった。でも、正直に言えば、その結末が彼にとって一種の「解放」だったのではないかと、少しホッとした自分もいた。あの時のジョーカーは、どこかで私たちの代弁者のように感じられた。現代社会の不条理に耐えかね、ついに反旗を翻す彼の姿が、ある種のカタルシスを提供してくれたのだ。 ところが、今回の『ジョーカー フ

        • シビル・ウォー アメリカ最後の日~冷酷なレンズ越しに見えた、人間の尊厳~

          俺は人生の中で、いくつか忘れられない出来事がある。いい思い出も、悪い思い出も、どれもが胸の中で沈殿して、時々ふと浮かび上がってくるんだ。そんなある日、サンボマスターとクロマニヨンズが対バンでライブをやるって情報が俺の耳に入った。これを聞いて、心の奥底に眠っていた何かが目覚めた。 正直に言えば、俺は熱心なファンと比べればどちらも熱狂的なファンではない。尊敬はしているが、熱狂とまではいかない。それでも、この組み合わせには特別な何かがあったんだ。ファンなら誰もが分かると思う。これ

          「ナミビアの砂漠」と「アカルイミライ」を比べると面白い

          先週、ひたちなかのロッキンフェスに行ってきた。音楽に身を委ねる群衆の中で、俺は何かを探していた。最近は生成AI動画がブームだ。せっかく行ったんだから、この経験をコンテンツにできないかと考えた。写真を撮って、動画を作ってみたんだ。 その前に観た映画がある。「愛に乱暴」だ。感想を生成AIで作れないかと思った。ちょうど「探偵物語」の予告編の台詞を手に入れた。松田優作のあの独特な語り口が好きでね。そのテイストで文章を作ってみた。 文章は完成した。画像も生成AIで作った。ツイッター

          「ナミビアの砂漠」と「アカルイミライ」を比べると面白い

          「愛に乱暴」を観てリアルだなあと

          「感想」 最近、生成AIにどっぷりとハマっている。あの無機質なデジタル空間に、命のような何かが吹き込まれる瞬間、それがたまらない。まるで魔術師になった気分だ。最初はBGMから始まった。ちょっとした遊び心で、AIに音楽を作らせてみたら、意外といい感じだった。もちろん、商用利用OKなAIだから問題ない。だが、やっているうちに、この世界に深く入り込んでしまったんだ。SunoというAI、そしてMitjourney、Runway。これらのツールを使って、画像も動画も次々に生成していく

          「愛に乱暴」を観てリアルだなあと

          「あのコはだぁれ?」ジェットコースターに無理やり乗った怖さ

          下記は上記音声配信を文字起こしして文章に書き直したものです 「感想」 フェスとは何か、それはただの音楽イベントではない。少なくとも、俺にとっては違う。太陽がジリジリと肌を焦がす中で、何時間も立ち尽くすその行為は、まるで四国のお遍路のようなものだ。いや、それよりは少しは楽かもしれない。だが、簡単な道のりではないことに変わりはない。特に今回、俺が挑もうとしているのはひたちなかで開催されるロッキンジャパンフェスだ。しかも二夜連続。これまでのフェスとは訳が違う。わざわざ遠出して、

          「あのコはだぁれ?」ジェットコースターに無理やり乗った怖さ

          「Chime」訳が分からないけど怖い、とにかく怖い

          部屋の静寂は、録音機材の低い唸りと、時折聞こえる遠くのサイレンの音に支配されていた。外はまだ夏の蒸し暑さが残り、空気は重苦しい。この街の夏はいつもそんな感じだ。俺はマイクの前に座り、深呼吸を一つしてから話し始めた。 「まず、こんな配信を聴いてくれてありがとう」俺は感謝の言葉を口にした。リスナーに対する俺の感謝は本物だ。彼らがいるからこそ、俺はこの配信に全力を注いでいる。底辺ポッドキャスターに過ぎない俺だが、少しでも彼らの心に響く何かを伝えたいと思っている。 ただ、もし俺の

          「Chime」訳が分からないけど怖い、とにかく怖い

          「インサイド・ヘッド 2」&「地面師たち」面白いけど大絶賛ではない理由とか

          8月11日、俺はロッキンに向かう。千葉の蘇我市で繰り広げられる音楽と汗、そして混沌の祭典だ。だが、今年は特別だ。暑さが俺の喉を締め上げ、皮膚を焦がし、神経を暴走させる。まるで生と死の境界を歩くような、このクソみたいなフェスティバルに、俺は自らを投げ込もうとしている。それがどれだけ愚かで無謀かは、俺自身よくわかってる。だが、それでも俺は行く。だから、これが遺言になるかもしれないことを、頭に入れておいてくれ。 そんなことを考えながら、俺は毎日10キロの道のりを自転車で漕いでいる

          「インサイド・ヘッド 2」&「地面師たち」面白いけど大絶賛ではない理由とか

          あの時観た「ムカデ人間」の思い出とか

          今回のインタビューには、影のように暗い裏事情が潜んでいた。本来なら別のゲストが来るはずだったが、連絡が突然途絶えた。まるで夜霧の中に消えたかのように。その存在は儚く消えてしまった。そんなわけで、急遽大学生のジェイ君を呼び出すことになった。 ジェイと俺の出会いは中学時代に遡る。当時の彼はまだ無垢な少年で、俺は彼にいくつかのアドバイスを与えただけだった。しかし、時が経ち、彼はボクシングに情熱を燃やす青年に成長していた。鋭い眼差しに純粋さを残しながらも、強さを手に入れたジェイを見

          あの時観た「ムカデ人間」の思い出とか

          第92回「劇場版すとぷり はじまりの物語」(2024年)映画という名のファンイベントでした

          劇場版すとぷりについて話す。だが、すとぷりファンには聞かせるな。なぜなら、褒めることなど皆無だからだ。すとぷりファンではない俺が話す内容だから、かなり偏っているかもしれない。ある意味ではフラットな視点で語っているが、すとぷりファンにはきっと毒にしかならない。 映画好きとして見たが、最低でつまらない。地球上で一番無価値な映画だったと断言してもいい。この作品をすとぷりファンが楽しむのは勝手だが、友達の結婚式を無関係な他人が見たら、まったく面白くないだろう。それ以上に酷い。 例

          第92回「劇場版すとぷり はじまりの物語」(2024年)映画という名のファンイベントでした

          第91回「ブルー きみは大丈夫」(2024年)劣化版ピクサーのような映画

          「感想」 7月15日に読書会を開こうと思っていた。前回の配信でそのことをお伝えしたが、正直なところ、準備を始めるとどうにも面倒くさくなってしまった。配信が終わった後に会場を探して色々と準備しようと思ったのだが、どうにも腰が重い。そんな時、映画の会によく参加してくれている常連の友人から連絡が来た。「7月15日はユーロの決勝もあるし、コパアメリカも朝からやってるから、もしかしてそれを狙って読書会やらないつもり?」と。友人にそう言われて、「ありがとう、やっぱりそうするわ」と返事を

          第91回「ブルー きみは大丈夫」(2024年)劣化版ピクサーのような映画

          映画を語る会というオフ会を開催して(2024年6月30日)

          「第23回 好きな映画を語る会」資本主義と共産主義と服装自由 6月30日、久しぶりに映画の会を開いた。前回は3月31日だったので、ちょうど3か月ぶりになる。開催のきっかけは「サタンタンゴ」の感想を語り合う会が知り合いの主催で行われ、その帰り道に「映画の会をまた開いてほしい」と頼まれたことだ。予定を確認すると「大丈夫」と言われたので、安心して準備を進めたが、当日、その人は現れなかった。もしかすると何かよからぬ事件に巻き込まれたのかもしれない。その理由は誰にもわからず、薄い不安

          映画を語る会というオフ会を開催して(2024年6月30日)

          第90回「ザ・ウォッチャーズ」(2024年)予告編は最高に面白そうだったが。

          「感想」 予告編は非常に魅力的で、まさにシャマラン映画に期待する要素が詰まっていた。しかし、実際に映画館で鑑賞してみると、その期待は裏切られた。シャマランの娘が監督し、シャマラン自身も製作に関わっているものの、その出来栄えはNetflixの『ブラックミラー』のエピソードとしてならば納得できるレベルに過ぎなかった。設定や脚本には多くの粗が見受けられ、原作がどのように描かれているのかが非常に気になるところである。映画全体に説得力が欠け、結末も予測の範囲内であり、新鮮さが感じられ

          第90回「ザ・ウォッチャーズ」(2024年)予告編は最高に面白そうだったが。

          第89回「お終活 再春!人生ラプソディ」(2024年)おむつの付録としてはいいのかもしれない

          まず、この映画で2回も泣かされました。まさか2回も泣くとは思っていませんでした。ただし、面白い映画かというと、そうではありません。 再現ドラマなどでも泣くことがありますが、それはしっかりと泣かせるように作られているからです。この映画には泣かせるポイントが2つあり、丁寧に作られているのは間違いありません。劇場に入った瞬間、30ページほどの特典パンフレットを渡されました。それを見た瞬間、この映画は資本主義に毒された作品だと感じました。パンフレットにはエンディングノートのような内

          第89回「お終活 再春!人生ラプソディ」(2024年)おむつの付録としてはいいのかもしれない

          第88回「マッドマックス:フュリオサ」(2024年)復讐、復讐、復讐、そしてその先にあるもの

          「感想」 この映画を観終わったあと、家に帰ってすぐに前作の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を観た。というか観たくなった。そういう気持ちにしてくれた内容。そんな風にした人はきっと多いだろう。でも、前作と同じだと思ったら全くとはいわないが違うテイストと言えばそうだ。そこがジョージミラーの凄さでもあり、マッドマックス作品の厚みでもある。それを堪能できる「マッドマックス:フュリオサ」。絶対に劇場で観るべきだ! 音声感想はこちら👇👇

          第88回「マッドマックス:フュリオサ」(2024年)復讐、復讐、復讐、そしてその先にあるもの