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【2024 読了 No.55】jMatsuzaki 佐々木正悟著『-「今日もできなかった」から抜け出す-1日3分の!最強時間術 先送り0』(技術評論社)読了。

「タスクシュート」という、ToDoリストでも挫折する人のための習慣づけシステム論。

ToDoリストって、やらなかったものが沢山残ってしまうって点で、心をネガティブにするかも知れない。それに対して、タスクシュートはやった実績をログする、やったことが沢山目に入る点で心に安心感を与えてくれるという。

先送り0の新習慣の3つの条件とは、

①1日の初めに今日やることを決める

 ②1日の終わりにその中で先送りした数を数える 

③1分でも手をつけたら「先送り」とはしない 

特に最後の条件を「1分着手ルール」と呼ぶ。1分でもいいから手をつける。

先送りせず、ほんの少しでも始めることにフォーカスすることを重視する考え方である。そうすると手をつけるハードルが下がり、翌日はもっと時間をかけられる希望をもてるようになると著者は主張する。

先送りは時間の問題というよりは、むしろ心理的な課題と筆者のは考えている。

タスクシュートはシンプルで、毎朝「プラン」を3つ以下作り、何時から何時までやったという実績を「ログ」し、「ルーチン」にしていく、その3つを循環させる。1日分の実績は小さくても、続ければ結果として、大きな成果をあげられる。

読んでて思ったが、作者はどうも「理想」がお嫌いらしい。

【2024 読了 No.54】の著者後藤詔四氏は、「常に理想を考えることから出発する」としていたが、この本は「過去と未来は、思考が作り出した虚構です。…過去の物語に縛られたり、理想の未来に期待したりするようなことをやめて、目の前の現実に集中することです。」

ありゃりゃ真逆じゃん。\(゜ロ\)(/ロ゜)/

「先送りゼロの習慣は、目の前の仕事に集中しながら、少しずつ結果を形にしていくのです。このアプローチを著者は「逆算」に対する「順算」と呼んでいます。」

「順算」って概念も用語も将棋の世界ではフツーに使われてるし、先述した後藤詔四氏の言うフォアキャスティングのことだし、もっとポピュラーな表現なら演繹法だよね。

う~ん🤔なんか、もう既にある用語と概念を、まるで自分が見つけたみたいな言い方するって、自らの無知を知らしめてるようだね。

ちょっといただけないな。

第5章の「仕事はキリの悪いところにさしかかったら、途中で切り上げ、やりかけのまま、翌日に持ち越しましょう。」迄はよかったのだが、その後は、記憶は曖昧だから記録に頼れとか、同じことを繰り返して話が進まなくなった感じがしたしてきた。

また、タスクシュートは簡単な仕組みだから続くはずなのに、それを高次元化しようとする。しかも、その高次元化の姿が読んでてイメージできなかった。

そして、意地の悪い言い方させて貰えば、な~んとなく著者の意図が見え隠れし出したんだよね。著者が開発した専用アプリの有料版を使わせようとしていたり、著者が運営する有料コミュニティへ誘導したり、そして、「タスクシュート認定トレーナー」になることがさも素晴らしい人生を得るゴールみたいに書いた部分とか…。

ちなみに、この認定資格の養成講座受講は、12万円以上かかる。

それから、スマホ用アプリ「TaskChute Cloud」には無料版があるんだけど、ダウンロードしてみて、早速使おうとしたら、意外に使い方が分かりにくい。しかもちょっといじってると、「ビュー数が無料プランの上限を越えてます」の警告画面が出る。

有料版買えってことだね。巻末にも有料版ダウンロードのURLあったしね。

正直言ってタスクシュートって、シンプルなのが最大の売りなんでしょ?

単なるスケジュールノートの空いてる所を活用すりゃ十分じゃね?

本書でも、クラウドサービス「TaskChute Cloud」の退会者4000人の行動分析とアンケート実施した結果の分析部分があるが、4つの挫折の原因に一つとして、「4.使いこなせず自己嫌悪になる」というのがあった。

著者達は、この4番目の原因についてはスルー。
分かりたかったら、有料コミュニティに入れってわけか。

そう言えば、認定トレーナーって言えば、昔流行ったよね。フォトリーディングとかマインドマップとか。

あれ、とんと聞かなくなったよねー。

流行り廃りのある、しかも特定団体の認定トレーナーなんて、取得したところで安定的に外では通用しないと思う🤔

これらの養成講座って、先ずお金かかるしね。それに比べたら英検とか簿記とかはどこでも通用するし、参考書は沢山出てるし、しかも、その分かり易さ度を競い合ってくれているからね。

勉強するなら、これらの方が絶対経済的💰️だよ。

途中からつまんなくなったけど、頑張って最後まで読んだ。やっと第7章に入ったところで、

「理想や目標、計画が人を尻込みさせてしまうことはよくありますが、行動を後押しする効果はほとんど期待できません。」って下りがあった。

ホント、この著者は「理想」がお嫌いだ🤣

60年生きてきた自分からみると、理想や目標が持つ爆発的💥な牽引力ってのは、侮れないって言いたいね。

理想像や目標に向かうことで、人生は活性化するし加速する。

その力をこう否定しちゃうなんてさ、ちと寂しくね?

その中で、プロジェクトを前に進めるゴールデンルールを読み返して思ったんだよね。

●「なるべく早く手をつけて少しずつ進める」

そして、この際プロジェクト完成の工程を

●「15分に収まるボリューム」にすること。そして、それを毎日のルーチンにする………って所。

その通りなんだけど、この工程の細分化だって、ゴール(=目標)の細分化と殆ど同じことじゃないかなぁ?ってね。

まぁ、自分は時間の管理がお世辞にも上手いと言えないから、こういう本をつい買っちゃうんだけど、60年生きてて感じるのは、〆切に追い込まれたときの爆発的💥な集中力ってのは侮れないなぁ。

要するに人間のエネルギーってのは、管理したりしたからって100%出るってもんじゃないんだよね。

理想、憧れ、目標という熱い感情があって燃え上がったとき、計算外の力が出る。そういうのを信じたいな。私は。

まぁ、徹頭徹尾強調された「『終わらせること』より『はじめること』に集中すれば、先送りはなくなる。」だけは真理だと思う。

ただ、それだけなのに最後の7章はそれをこれでもかぁーこれでもかぁーと繰り返し、なんか強面営業のクロージングを受けている気分だった。

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