misu

ヘルスケア関連企業でのコンサルタント実務経験を経て、現在は某日系大手企業の人事職。学生時代には心理学統計を使ったリサーチをしていました。 人事の視点、臨床心理学・社会心理学の視点から日々考えていることを綴ります。

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ヘルスケア関連企業でのコンサルタント実務経験を経て、現在は某日系大手企業の人事職。学生時代には心理学統計を使ったリサーチをしていました。 人事の視点、臨床心理学・社会心理学の視点から日々考えていることを綴ります。

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興味のままに、縁を大切に

noteの投稿募集テーマに、「私らしいはたらき方」というものがあったので、私が今の仕事にたどり着くまでを書いてみます。 私は数年前に転職して現在日系のメーカーで人事担当をしていますが、それまでは臨床心理士として働き、さらに一時期は働きながら研究活動も行うといった二足のわらじ生活をしていたということで、多少珍しい経歴なのかなと思っています。 これまでのキャリアを振り返ると、タイトルにした「興味のままに、縁を大切に」という言葉がなんだかしっくり来ました。 自分の興味に正直に、

    • 【読書】採用基準

      元マッキンゼーの採用マネージャーである伊賀泰代著の「採用基準」を読んだのでまとめておきます。 あくまで具体的な採用の話は主眼ではなく、「リーダーシップ」という概念について日本でいかに誤解されているか、そしてビジネスマンとして活躍するために、また主体的に生きるためにリーダーシップを獲得することがどれほど大事かについてわかりやすく書かれています。 1.コンサルタントの採用における誤解*ケース面接に関する誤解 コンサルタントの採用面接では通常ケース面接というものがあります。この

      • 【読書】多様性の科学

        マシュー・サイド著の「多様性の科学」を読んだのでまとめておきます。 今回は原文の章立ては気にせずに自分なりの理解でまとめています。 昨今、企業や組織において「多様性」が重要視されるようになってきています。しかしながらその論調は、組織における差別や倫理的な問題の解消のためといったものが多いのが現状です。 本書では「多様性」を業績を上げたり、イノベーションを起こす要因として捉え、様々な事例を取り上げながら「多様性」がいかに役立つのか、「多様性」を維持することが難しい理由、そして

        • 【読書】パーパス経営

          名和 高司著の「パーパス経営」を読んだのでまとめておきます。 いつもはできるだけ本文に沿った形でまとめていますが、今回はボリュームが多いのでエッセンスだと思った部分だけ抽出したいと思います。 1.パーパス経営とは志(パーパス)とは、他者にとって価値のあることをしたいという信念であり、自分たちは何のために存在するのかを表すものです。 筆者は志を基軸とした「志本主義(パーパシズム)」を資本主義の先の姿としてあげています。 *パーパス経営に欠かせない資源=人的資源 資本主義にお

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        興味のままに、縁を大切に

          【読書】マッキンゼー流 最高の社風のつくり方

          マッキンゼー・アンド・カンパニーの元パートナーで20年間、著名な企業や組織団体の組織文化の変革を手がけてきたニール・ドシ 著の「マッキンゼー流 最高の社風のつくり方」を読んだのでまとめておきます。 社風とはとても強力なものです。良い社風は従業員の心を動かし、従業員それぞれの適応的なパフォーマンスが高まることで顧客は満足し、最終的に高業績を導きます。 多くの人は社風や組織文化が重要だと知っているにもかかわらず、どうすれば良い社風を気付けるのかを知りません。 本書では、その方法

          【読書】マッキンゼー流 最高の社風のつくり方

          【読書】心理学的経営(後編)

          リクルートの創業メンバーの1人で適性検査SPIの開発者でもある大沢武志著の「心理学的経営」を読んだのでまとめておきます。 長くなってしまったので前編と後編にわけました。全編はこちら。 4.リーダーシップと管理能力リーダーシップはこれまで心理学の領域でも古くから研究されてきました。はじめは、リーダーとなる人たちの間に共通した特性素養を見出そうとする特性論的なアプローチが主流でしたが、これについてはそういった共通の特性を見出すことは難しい結論付けられ、パーソナリティ特性とリー

          【読書】心理学的経営(後編)

          【読書】心理学的経営(前編)

          リクルートの創業メンバーの1人で適性検査SPIの開発者でもある大沢武志著の「心理学的経営」を読んだのでまとめておきます。 旧来の経営組織論の考え方では基本的に人間は合理的な存在であるという前提で理論が組み立てられていますが、実際の人間には感情があり、矛盾をはらんだ不合理な存在です。本書では、その現実を受け止めてどのようにして企業経営に落とし込んでいくかといったことが心理学の研究結果を交えながら論じられています。 1.モチベーション・マネージメント旧来の組織論では、個人の仕

          【読書】心理学的経営(前編)

          【読書】両利きの経営

          チャールズ・A. オライリー、マイケル・L. タッシュマン著の 「両利きの経営」を読んだのでまとめておきます。 本書では、多くの事例を交えながら両利き経営を成功させるために何が必要なのかや、逆にどういった場合に上手く行かないのかを解説しています。 事例パートがかなり長いので、著者らの主張の全体像をある程度つかんで から事例を読んだ方がより理解が深まると思いました。 1.両利きの経営とは企業活動における両利きとは、「探索」と「深化」という活動がバランスよく高い次元で取れている

          【読書】両利きの経営

          【読書】モチベーション3.0

          ダニエル・ピンク著の「モチベーション3.0」を読んだのでまとめておきます。 この本ではデシとライアンによる自己決定理論を中心にその他いくつかの有名な心理学の研究を踏まえながら過去から現代にいたるまでの人間のモチベーションの在り方を整理し、学問の世界で立証されている内容とビジネスの現場で採用されている考え方のギャップについて明らかにしています。 私は学生の時にモチベーションの研究を行っていたので自己決定理論は原著を読んだことがあるのですが、この「モチベーション3.0」の考え

          【読書】モチベーション3.0

          【読書】ファクトフルネス

          ハンス・ロスリング他 著の「ファクトフルネス」を読んだのでまとめておきます。 この本はTEDトークなどでも有名なハンス・ロスリングが息子オーラとその妻アンナとの共同作業で執筆し、ハンスの遺作となったものです。 ファクトフルネスとは人間の脳は何百万年にもわたって進化してきたものであり、狩りや採集をするために必要だった本能が組み込まれています。 例えば、差し迫った危険から逃れるために一瞬で判断を下す、かつては有効な情報源だったうわさ話やドラマチックな物語に耳を傾ける本能などです

          【読書】ファクトフルネス

          ビジネス統計スペシャリスト 合格しました

          データ分析関連の資格としてビジネス統計スペシャリストを取得しました! 「ビジネス統計スペシャリスト」は、オデッセイコミュニケーションズ主催のエクセルによるビジネデータ分析のスキルを証明する資格で、 2017年から始まった比較的新しい資格です。 試験科目は基礎レベルの「エクセル分析ベーシック」と 上級レベルの「エクセル分析スペシャリスト」の2科目があります。 専門的な知識ではなく一般のビジネスパーソンにとって実務で必要な データ分析スキルを問う内容であること、身近に活用できる

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          【読書】ジョブ型雇用早わかり

          マーサ・ジャパン編著で日経文庫から出ている、「ジョブ型雇用早わかり」を読んだのでまとめておきます。 1.ジョブ型雇用とはジョブ型雇用について、この本では以下のように定義されています。 ここでのポイントは、詳細なジョブディスクリプションを整備することではなく、個人が担うジョブについて会社と個人の双方が合意し、各個人のキャリアの主体的・自律的な決定(キャリア自律)を認めることにあります。 このような雇用システムによって人々はやりがいや待遇などの面からより良いジョブを求めて流

          【読書】ジョブ型雇用早わかり

          2度目の転職活動 ふり返り

          先日2度目の転職活動を終えました。アラサーのリアルな転職活動について振り返りながら書いていきたいと思います。 1.結論と前提*結論:8社受けて2社内定 *希望の条件について  ・職種は人事(HRBPor人事企画)  ・業種は問わない  ・人事制度などを時代に合わせて柔軟にアップデートしている  ・人事領域へのデータ活用への関心が高そう  ・今より年収15%UP  ・転勤の可能性が低い  ・企業として収益がしっかり出ている  ・オフィスが新しくて快適 どちらかというと、体

          2度目の転職活動 ふり返り

          統計検定2級 合格しました

          明けましておめでとうございます。 継続が苦手な私ですが、1年間細々とでもnoteを続けることができて嬉しいです。 昨年に引き続きゆるゆると気が向いたときに更新していきたいと思います。 さて少し間が空いてしまいましたが、以前の記事で宣言した統計検定2級について無事に合格できたのでご報告します。 目標であった「2021年度中に合格」からは数日遅れてしまいましたが、なんとか合格できてよかったです。 ただ、一応合格したものの肝心の推定・検定・線形モデルがあまりできておらず…結

          統計検定2級 合格しました

          【読書】予想どおりに不合理

          有名な行動経済学の書籍、ダン・アリエリー著の『予想どおりに不合理』を読んだので簡単にまとめておきます。 軽快な語り口で書かれていてとても読みやすく、内容も日常的な場面での話が多くて分かりやすいので心理学に興味がある方は特にお勧めです。 1.「行動経済学」とは「行動経済学」というと、普段あまり聞きなれないかもしれませんが、 ざっくりまとめると人間の行動の背景にあるさまざまな意思決定を理解するための学問です。 通常の経済学では、「人間は完ぺきな理性を持っている」という仮定の

          【読書】予想どおりに不合理

          統計勉強におすすめのYouTube

          統計検定の勉強を始めてちょうど1か月が経ちました。 途中経過と、統計の勉強におすすめのyoutubeをご紹介します。 ↓以前の記事はこちら 前回ご紹介した「完全独習 統計学入門」と「統計web」は一通り見終わりました。ただ、私は理系ではなく微分や積分などなどはほとんど記憶の彼方に飛んでいってしまっているので、統計webをさらりと見ただけでは、数式など全然わからず… こちらのyoutubeを参考にさせてもらっています。 変数の種類の説明から、確率分布、検定(t検定・χ2

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