【水鳥の歌と生活】2024年7月28日日曜〜8月3日土曜
七月二十八日日曜
六時過ぎに起床。radikoで「オードリーのオールナイトニッポン」を聴きながら朝の支度をする。
一週間の日記をnoteに投稿する。
仕事のBGMはLAUSBUB『ROMP』にする。
今年のバナナマンライブ「W」のグッズが十時からネットストアで販売開始になるが、仕事が入っていたし帽子もTシャツもすでにいくつか持っているので今回は買わなくて良いかと思っていた。ところが十時からの仕事が少し遅れて、結局また帽子とTシャツをそれぞれ一つずつ購入した。購入してトップページに戻ると半分くらいのグッズが売り切れていた。相変わらずの争奪戦だ。本当は欲しいものをゆっくり選んで買いたいが、この争奪戦の中で購入することができた時の達成感も嬉しいものなので、これはこれでイベントとして良いのかもしれない。
夕食は職場でそうめんを食べる。食べながらPodcastで「トムブラウンのニッポン放送圧縮計画」を聴く。
一度家に帰り、YouTubeで鬼越トマホークチャンネルを聴きながら外を歩く。
二十三時過ぎに就寝。
七月二十九日月曜
六時過ぎに起床。Podcastで「髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ」「芸人お試しラジオ ザ・パンチのデドコロ」を聴きながら朝の支度をする。
仕事のBGMはThe Stone Roses『The Stone Roses』にする。
夜はコインランドリーへ。待ち時間にセブンイレブンでナポリタンを買って近くの神社で食べる。食後はradikoで「問わず語りの神田伯山」「東京ポッド許可曲」を聴きながら周辺を歩く。
家に帰ってKraftwerkやKraftwerfのトリビュート、KRAFTmanのアルバムを聴く。フジロックフェスティバルでKraftwerkが演奏した「放射能」の日本語詞が福島県への風評被害を招くとか、差別だとか言われているのをSNSで見かけて無性に聴きたくなったからだ。
もともと一九七五年のアルバム『Radio-Activity』に収録された「Radio-Activity(放射能)」は反原子力のメッセージをそこまで明確に打ち出していなかったが、一九九一年に発表したセルフリミックスアルバム『THE MIX』では曲の冒頭にチェルノブイリなど原子力事故が起きた地名を羅列するナレーションが入るアレンジになっていて、その中には広島も含まれている。「Radio-Activuty」と歌うところも「Stop Radio-Activity」になっていて、この時点ではもう完全に反原子力の歌になっている。SNSで見た情報ではU2のボノが主催した反原子力発電のイベントにKraftwerfが出演した時から歌詞を(つまりアレンジも)変更したらしいが本当にここがきっかけだったのかどうかはわからない。そして二〇一二年の反原子力発電イベントにKraftwerkが出演した際に坂本龍一が監修した日本語詞が今回のフジロックフェスティバルでも歌われたものということらしい。そこでは原子力事故が起こった地名として広島の代わりに福島(VJの映像ではフクシマとカタカナ表記でリリックが流れる)が取り上げられている。広島は原子力事故というより原子力爆弾による一方的な虐殺なので他の事故とは性格が異なるということもあるし、何より前年に東日本大震災が起きているので福島の原子力事故が記憶に新しいということがあったのだろう。また今回のフジロックフェスティバルでKraftwerkは坂本龍一の「戦場のメリークリスマス」のカバーも演奏していて、坂本龍一が日本語詞を監修した「放射能」も含めて追悼の意を込めて演奏したのかもしれない。
今回問題視されている「放射能」にはこういった文脈があり、Kraftwerkに日本や福島県に対する揶揄や侮蔑の意図があるとは到底思えない。原子力発電というリスクを伴う技術について被災経験がある日本人に一考を促したいという意図はあっただろうが、それが差別になるというのは飛躍した考えではないかと思う。Kraftwerkはウクライナでライブをすることになってもチェルノブイリという歌詞は差し替えないだろうし、歌詞に出てくる他の都市でもそうするだろう。
ただ怒る人の気持ちもわからないではない。特に東日本大震災が起きてすぐの頃には国内外で原子力発電所の状況と放射性物質による汚染を懸念する声があり、中には福島県や福島県産の農海産物を忌避するよう呼びかけるような心無い声もあった。福島県に住む人にとって「復興」という言葉にはそうした忌避感からの脱却も含まれているのだ。特に海外での報道を彷彿とさせるカタカナ表記の「フクシマ」には複雑な思いがあるのだろうと思う。反原子力発電という思想のために震災時のイメージを利用されたという怒りを抱いてもおかしくはない。
このように考えるとどちらの気持ちもわかるので、SNSで行われている石の投げ合いのような議論に参加したいとは思えない。私にとって、具体的な地名を出して原子力発電の危険性を訴えることとその地で起きた災害や事故によって被害を受けた人たちを思うことは矛盾しないからだ。
二十三時過ぎに就寝。
七月三十日火曜
六時過ぎに起床。radikoで「伊集院光 深夜の馬鹿力」を聴きながら朝の支度をする。
仕事のBGMはThe Smiths『The Smiths』にする。狙ったわけではないが、前日と続いてバンド名をそのままアルバム名にした一枚目だ。
仕事が無い時間に無性に眠くなり昼寝をする。なんとか眠れているようでやはり疲れが溜まっているのだろうか。雑務をする元気も出ない。
夕食は職場でミートソースパスタを食べる。食べながらradikoで「空気階段の踊り場」を聴く。
なんとなく家に帰るのも遅くなり外を歩くこともなく二十三時過ぎに就寝。
七月三十一日水曜
六時過ぎに起床。radikoで「爆笑問題カーボーイ」を聴きながら朝の支度をする。
仕事のBGMはHappy Mondays『Pills ‘N’ Thrills And Bellyaches』にする。
この日の仕事は午前中に打ち合わせが一件だけ。広告に関する打ち合わせだったのだが、驚愕の事実を知らさせれる。この一年の悩みはなんだったんだ。少しの安堵と大きな徒労感。いや、実際に大金を費やしたのだから怒っても良いような内容なのだがとにかく安堵の方の気持ちを反芻するようにして前向きに捉えることにする。
午後は一度家に帰って浴衣に着替え、よく行く店の納涼会に参加する。十五人ほどで川魚を食べる会だ。鮎やはや、鯉、鰻、果てはブラックバスまでいろいろと食べる。そこから二次会、三次会、四次会まで行った。川魚の前にも三軒行ったので合計七軒飲み歩いたことになる。もちろん終電は逃し、最後は駅の待合室に座って眠りながら始発を待った。
日なかから飲む口実の浴衣かな
始発で家に帰り七時過ぎに就寝。
八月一日木曜
寝苦しく寝たり起きたり輾転としながら十四時過ぎに起床。幸い二日酔いにはなっていない。
radikoで「山里亮太の不毛な議論」を聴きながら職場に向かう。翌日は出張なのでその支度をする。
職場を出ると夕方で、帰りに幸楽苑に寄って味噌野菜タンメンと餃子を食べる。この日初めての食事だ。野菜も肉も摂れて良い食事だった。
家に帰り、DOMMUNEの配信「Z.O.A超絶終焉番組@DOMMUNE!」を見る。トランスレコードのバンドはほとんど聴いたことがなく、Z.O.Aも初めて聴いたのだがこれがとてもかっこいい。かっこいいがもう解散なのだ。初期の禍々しさも、今回のライブ演奏のような美しさもどちらも良い。トランスレコードのボックスセットとかコンピレーションとか欲しい人が沢山いそうだが発売されることはないのだろうか。それとももう存在するのだろうか。
あんなに寝たのにまたちゃんと眠くなり二十四時頃就寝。
八月二日金曜
六時過ぎに起床。radikoで「おぎやはぎのメガネびいき」を聴きながら朝の支度をする。
仕事の出張で佐久市へ。
radikoで「ピエール瀧と大根仁のオールナイトニッポンGOLD」を聴きながら帰る。
出張先でほとんど歩けていないので家の周辺を歩く。どこかで太鼓の音が聞こえるのと、何箇所か消防車が控えているように停まっているのでどこかで祭りでもやっているのかと思い音の方へ行ってみるが、おそらく会社の敷地で行われているらしいことだけがわかった。入っていいのかどうかはわからない。
家に帰りカップラーメンに生玉子を落として食べていると花火の音がし始める。外に出てみるとかなり近くで打ち上げているようだ。少し眺めたものの、ラーメンが伸びるのですぐに家に戻る。
寝る前になんとなくYahooオークションを見ていると電気グルーヴのレコードが安く出品されているのを見つけていくつか入札してみる。おそらく時間終了前にまた入札が入るだろうが、そうなったら諦めるくらいの気楽な入札だ。
二十三時過ぎに就寝。
八月三日土曜
六時過ぎに起床。radikoで「バナナマンのバナナムーンGold」を聴きながら朝の支度をする。
仕事のBGMはblur『Modern Life Is Rubbish』にする。久しぶりにいわゆるブリットポップ三部作を聴いたみたくなりまずはこのアルバムから。
昼食前に外を歩く。受けていると皮膚の蛋白質が変容していくような日差しだ。
二リットルあった真水は飲み干しただからビールも二リットル飲む
あまりに仕事が無いので早めに終わりにして、家から歩いて行ける焼き鳥屋に行くことにする。鰹たたき、焼き鳥(にんにくま、ぼんじり、つくね)、焼きとん(たん)を食べて、生ビールの大ジョッキを一杯飲む。飲みながら講談社文芸文庫の尾崎一雄『単線の駅』を読む。尾崎一雄や木山捷平のような落ち着いていてわざとらしくないおかしみのある文章が書けたらいいなと思う。
暑さのせいなのか店員が陰気に押し黙っているので居心地が悪く早めに切り上げる。帰りにセブンイレブンで買い物をして家で飲み直すことにする。ナスとミートソースのグラタン、コールスローサラダ、ランチパイのクラムチャウダー味を食べて、巨峰ワイン500ml瓶を炭酸水で割って飲む。
飲みながらピエール瀧のYouTubeチャンネル「YOUR RECOMMENDATIONS」の新シリーズ「ウズベキスタン編」の第一回を見る。ピエール瀧がスタッフと海外旅行をするというだけのシンプルなチャンネルなのだが毎回おもしろいので今回も一週間ごとの楽しみにしよう。ただこのチャンネルを見ていると、海外での食事シーンやビールの飲み比べなど、こちらも酒を飲みたくなるような映像がたくさん出てくるので、最近控えている家での晩酌が復活しそうな危惧はある。それも週一回ならいいのか。
それからNetflixで「地面師たち」の二話以降を一気に見る。見始めると続きが気になって次の話、次の話と見続けてしまう。地面師という犯罪者チームとそれに騙される大企業という構造でありながらいわゆる犯罪ものでも企業ものでもない、むしろそれらの要素を活かしながら娯楽に振り切ったような作品だ。極端なキャラクターと緻密な下準備の割には行き当たりばったりな展開。豊川悦司のことさら奇異で万能なキャラクターがその万能さゆえの行動で問題を解決するのだがそこに具体的な説明は一切無い。先まで読んでいた、というそれだけで問題を解決してしまう。特に後半には強引に思えることが多かった。しかしそんな細かいことはどうでも良くなるくらいおもしろくもある。個性的なキャラクターたちがその個性をぶつけ合いながら大企業と社内人事でのしあがるエリートを騙すという物語には、オールナイトニッポンで監督の大根仁が言っていた「ジャイアントキリング的な」おもしろさが確かにあった。それにしてもとにかく一番には個性的な俳優たちと彼らが演じる個性的なキャラクターがおもしろかったということに尽きる気がする。リリーフランキーも良い、マキタスポーツも良い、アントニーも良かった。関西弁が大変そうだったピエール瀧も良い。小池栄子の剃髪姿は美しかった。オールナイトニッポンでピエール瀧が「栄子さんは神様みたいなものだと思ってる」というようなことを言っていたがこういうことかと思った。
二十四時過ぎに就寝。