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アルバムレビュー

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レビューの少ないアルバム、好きなアルバムを自己満足でレビューしてます
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2024年6月の記事一覧

Os Tres Brasileiros Brazil:LXIX (1969)

Os Tres Brasileiros Brazil:LXIX (1969)

最近は雨ばかりなうえにすっかり暑くなってきました。そうなると全く聴かないわけではないですがいつもは好きなコテコテやハードなジャムセッションから少し離れてクールジャズやブラジル、ソフトロックのような音楽が聴きたくなってきます。そんなわけで紹介する本作は詳しい情報はわかりませんが物憂げな顔の女性モデルさんのジャケットに惹かれたのとロマンチックなメロディの曲多めの選曲、帯のフリーソウルの名盤という一文に

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奥深き?見本盤の世界Lou Rawls - That's Lou(1967)

奥深き?見本盤の世界Lou Rawls - That's Lou(1967)

今回は面白い企画を見つけたのでそちらに合わせて少しいつもと違ったスタイルで紹介していきます。いつもはあまり盤による違い等は気にせず聞いていますがこれだけは別なので少しその話をします。下の写真にもあるように盤の色はクリアレッド、真ん中のラベルはなんと手書きなうえに「物品税法第10項による見本」という注意書きが。見本盤やクリアレッド盤に関してはたまに見かけますがラベルが手書きやこの注意書きは初めて見ま

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Gato Barbieri - Under Fire(1973)

Gato Barbieri - Under Fire(1973)

 コルトレーンの影響を受けフリーに身を投じたガトーバルビエリ。その後自身の出身である南米の音楽にも目を向けるようになっていきます。初めて買った「第三世界」はフリーで好みに合わなかったので売ってしまいましたが本作はフリーな演奏もありますがテーマやメロディにも気を配ったアドリブやバラエティ豊かなリズムが面白く個人的には彼の作品の中で本作が一番好きです。

メンバー
ガトーバルビエリ:テナーサックス

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Tower Of Power - In The Slot (1975)

Tower Of Power - In The Slot (1975)

先日デイヴィッドガリバリディが脱退したかと思ったら来日が決定したタワーオブパワー。そんなガリバリディの一度目の復帰と2回目の脱退の間に録音されたのが本作。ボーカルもレニーウィリアムスからヒューバードタブズに交代。オーソドックスながらも高い歌唱法のヒューバードはハイトーンが特徴なレニーとは全く違うスタイルですが演奏にはピッタリとハマっていますただ彼も次作で脱退しTOPはワーナーからCBSに移籍。長い

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山本邦山、横山勝也、沢井忠夫、 宮間利之とニューハード- 琴、尺八、ビッグ・バンドによるスタンダードボッサ(1968)

山本邦山、横山勝也、沢井忠夫、 宮間利之とニューハード- 琴、尺八、ビッグ・バンドによるスタンダードボッサ(1968)

いままで紹介したアルバムの中でおそらくミュージシャン名、作品名共に一番長いであろう本作はビッグバンド、尺八、琴によるジャズボッサ集です。尺八の山本邦山さんは人間国宝の方で伝統的な純邦楽はもちろん菊地雅章さんとの銀界や原信夫さん率いるシャープ&フラッツ本作のニューポートジャズフェスティバル公演に参加し高い評価を受けたほか、イージーリスニングやインストの演歌まで幅広い活動をしています。余談ですが邦楽と

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Sonia Rosa -  "Sensitive Sound Of Sonia Rosa" aka "Bossa Nova" (1970)

Sonia Rosa - "Sensitive Sound Of Sonia Rosa" aka "Bossa Nova" (1970)

ルパン三世をはじめ大野雄二さんとの共演で有名なソニアローザの日本でのファーストアルバムです。僕は渡辺貞夫さんの関連作品として聴いた一枚です。盤はレアで配信にもないものが近所の図書館にあったうれしさとナベサダさんが全曲で参加していると思って大喜びで借りて帰ってブックレットを見たところ2曲にしか参加してしないと知って少しがっかりした記憶があります。ただ主役のボーカルがとてもよかったうえに参加していない

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渡辺貞夫 - The Girl From Ipanema(1974)

渡辺貞夫 - The Girl From Ipanema(1974)

本作は1967年に録音されるもなぜか1974年までお蔵入りされたアルバムです。また74年、77年、80年以降でアルバムジャケットが異なるというなかなかにややこしい事情もあります。(僕が所有しているのは77年版です)。しかし内容の方はとてもよく岩浪洋三さんはナベサダさんのボサノヴァの作品の中ではベストとまで言っています。僕も気に入って聴いています。

メンバー
渡辺貞夫:アルトサックス、フルート、口

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渡辺貞夫-Jazz & Bossa(1967)

渡辺貞夫-Jazz & Bossa(1967)

バークレーから帰国後すぐに吹き込んだ本作はA面はハードバップ、B面はボサノヴァで占められています。リリース元はタクトという聞いたことのないレーベルですがフィリップスや東芝、ソニーと同じく電気機器メーカーが設立したレーベルで本作が記念すべき第一作になります。話はそれましたが当時の日本のジャズシーンのクオリティの高さがうかがえる一枚です。

メンバー
渡辺貞夫:アルトサックス、フルート
菊池雅章:ピア

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Chris Connor Sings - The George Gershwin Almanac Of Song

Chris Connor Sings - The George Gershwin Almanac Of Song

ジョージガーシュウィンといえばジャズには欠かせない作曲家の1人であり全てを彼の曲で揃えたアルバムも数多くあります。本作はクリスをはじめアトランティックの重役であるアーティガン兄弟にジェリーウェクスラーの4人がやるなら代表作を全て網羅した思い切った大作にしたいと意見が一致したことから3人のアレンジャーと30人近いミュージシャンを集め5ヶ月をかけて録音して、それをガーシュウィンの伝記やミュージカルの写

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G.C Cameron - S,T (1976)

G.C Cameron - S,T (1976)

元スピナーズのリードボーカルのG.C.キャメロン。彼がスピナーズにいたのは短期間でしたが2nd Time Aroundの評価の高さゆえ存在感は大きい物があります。彼の脱退理由はジャクソン5のジャーメインと同じくモータウン社長の家族と結婚し親族になっていたためでした。そんな彼の2ndアルバムの本作では複数のプロデューサーとアレンジャーを起用しクレジットはないもののデイヴィッドTウォーカー初め腕利きセ

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Steely Dan - Pretzel Logic(1974)

Steely Dan - Pretzel Logic(1974)

 ジャズ大好きなスティーリーダンの2人ですが本作ほど直球にジャズ大好きアピールをしたアルバムはないでしょう。ただロック色も強くてジャズとウェストコーストロックの両方のファンの心を掴む一枚といえます。さわやか革命という邦題が謎って意見をよく目にしますがスティーリーダンが素直にさわやかなロックをしている曲はあったらそれは革命と言いたくなるのも分からんでもないです。

メンバー(スティーリーダン)
ドナ

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The Joe Harriott Double Quintet Under The Direction Of John Mayer - Indo Jazz Suite(1966)

The Joe Harriott Double Quintet Under The Direction Of John Mayer - Indo Jazz Suite(1966)

注記!
本作はギタリストのジョンメイヤーとは同姓同名の人物の作品の紹介です

ジャズというのはアメリカの音楽ですが優れたジャズミュージシャンが皆アメリカ人でアメリカだけが優れたジャズを生み出したかと言えばそうではなくアメリカで本場の人間と渡り合う者やアメリカ以外の国でその国の様式を取り入れたスタイルで演奏する者、自国を離れてもその文化を忘れずアメリカ人には思いつかなかったであろう新たなジャズを作り

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