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Lou Rawls - The Way It Was The Way It Is (1969)

Lou Rawls - The Way It Was The Way It Is (1969)

めちゃくちゃジャケットがかっこいい。革ジャンにデカい銀のネックレスをつけてやや見下ろすような顔はシャフトやプリースト(スーパーフライの主人公)顔負けの怖い物しらずのタフガイに見えます。彼こそルーロウルズです。内容としては時代柄サイケな部分もありますがサザンソウル風の温かみのある曲が中心。悪そうなジャケットとは正反対ではあります。

Fa Fa Fa Fa
オーティスレディングのカバー。オリジナルよ

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Freddie Roach - Mo' Green Please(1963)

Freddie Roach - Mo' Green Please(1963)

もっと玉ねぎを頂戴。そんなタイトルが前年にでたブッカーT&The MG'sのグリーンオニオンを意識していたのかは分かりませんが、内容のほうはフレディローチというオルガン奏者の個性が詰め込まれており誰かを意識しているとかとは無縁の世界です。フレディは教会でオルガンを弾き、次第に芸能の世界へ。ジャズはもちろん顔立ちの良さを生かして舞台俳優をしたり文才もありライナーを自分で書いている他、本を書いたことも

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Jazz Crusaders - Lighthouse'69

Jazz Crusaders - Lighthouse'69

ジャズクルセイダーズの69年のライブ盤です。名義はまだジャズクルセイダーズですがピアノはアコースティックと電気を半々で使っておりリズムも8ビートがメインになっています。ここまではよく言われることですがジャズクルセイダーズとクルセイダーズの違いとしてもう一つ選曲があります。ジャズ時代はカバーが多く本作も8曲中4曲がカバー、3曲がメンバーのオリジナル、1曲がサポートメンバーのバスターウィリアムズの曲と

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Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)

Wes Montgomery - The Incredible Jazz Guitar(1960)

ウェスの名を一躍轟かせた一枚です。本作の録音は1960年1月26日と28日で、1月25日と27日にはナットアダレイのワークソングが録音されています。ただしメンバーは大きく異なりトミーフラナガンにヒース兄弟という数々の名盤を支えた3人が顔を揃えています。トミーはインタビューにてウェスをいつも腰が低く気を使っていた。オリジナルの譜面を持ってきていた。と語っていますが彼は楽譜が読めなかったのでおそらく気

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Shirley Horn - With Horn(1963)

Shirley Horn - With Horn(1963)

本作はシャーリーホーンのマーキュリーでの2ndアルバムです。演奏はクインシージョーンズオーケストラ(詳細は不明)となっていますがクインシー、サドジョーンズ、ドンセベスキー、ビリーバイヤースの4名が編曲を担当しています。クインシーとサドはモダンなスウィング、ドンはポップより、ビリーはモダンとスウィングの中間と編曲の違いを楽しめます。

既に書いたとおり誰が演奏しているのかは不明ですが時期を考えるとB

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Shirley Horn - Loads Of Love(1963)

Shirley Horn - Loads Of Love(1963)

シャーリーホーンは80年代のアコースティックジャズ復活時代に弾き語りスタイルのアルバムを何枚かリリースし、滅多にサイドマンにならないマイルスデイヴィスがゲストとしてトランペットを吹いたことでも話題になりましたが実は彼女のデビューは60年代。本作は3枚目のアルバムになります。ただ子供を育てるために地元のクラブに出るのみの半引退状態に。子供が結婚してから完全復帰して前述のような活躍をします。本作をリリ

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Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

Les McCann - Never A Dull Moment! Live From Coast To Coast(1966,1967)

本作はレスマッキャンの66年シアトルでのライブと67年ニューヨークでのライブをまとめたもの。構成的には2枚組のライブインシアトルと1枚組のライブインニューヨークをカップリングしたような感じ。生産は最近いい音源を多く発掘しているレゾナンスでここの会社らしい愛とリスペクトを感じる丁寧なつくりとなっています。ノラジョーンズがお気に入りとしてこの作品を紹介していたので欲しくなって購入しましたが2時間に渡っ

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Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

Melvin Jackson - Funky Skull(1969)

本作はサックス奏者エディハリスのベーシストだったメルヴィンジャクソンの唯一作です。彼はウッドベースを使いますがリーダーに触発されたのか本作ではアンプに各種エフェクターをつけて前衛的かつストレンジなサウンドを作っています。さらにバックにはチェスのセッションミュージシャンとアートアンサンブルオブシカゴのメンバーの共闘。ファンキーさと前衛さがいい具合にミックスされたこの時期のシカゴジャズらしい一枚です。

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George Benson - Tell It Like It IS(1969)

George Benson - Tell It Like It IS(1969)

ジョージベンソンのCTIでの二作目。タイトル通り当時ヒットしていたソウルのカバーが並んでいます。ファンキーなリズムはジョニーパチェーコらによるパーカッションがラテンフレイバーを添え、バラードナンバーではエコーがかかったジョージベンソンの温かみのあるボーカルが素晴らしい一枚です。アレンジャーのマーティシェラーはモンゴサンタマリアのバンドのピアニスト兼音楽監督。この時期モンゴはラテンにジャズやソウル、

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Milton Nacimento - Travessia(1967)

Milton Nacimento - Travessia(1967)

MPBを代表するシンガーの1人のミルトンナシメント。ジャズやフュージョン系のミュージシャンとの共演も多く聴きやすいものも多々あります。本作はブラジルの歌謡祭で優勝された記念に録音された一枚。演奏はタンバトリオ(この頃はタンバ4)でアレンジはタンバのピアニストのルイスエサとデオダードの2人が行っています。ちなみにタンバもデオダートもミルトンもCTIからアルバムをリリースしています。

メンバー
ミル

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Nat Addeley - You,Baby

Nat Addeley - You,Baby

エディハリスに引き続き今日も電化ホーンを紹介します。作品としてはCTIでは珍しいジョーザヴィヌルの参加が特色です。ジョーザヴィヌルの伝記によるとこの頃のキャノンボールアダレイのバンドは南部気質でハードバップをやり続けたいナットと新たな楽器や動向に関心を示してバンドにそれらを持ち込むジョーの仲が悪くキャノンボールが間を取り持つという状況だったそうです。なのになぜジョーを連れてきたのか謎なうえにアレン

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Art Taylor - A.T’s Delight (1960)

Art Taylor - A.T’s Delight (1960)

どの世界にも「じゃない方」はいます。それは2人1組で活動していて目立っていない人。よく似た名前で知名度が低い方。ジャズ界で一番じゃない方といえばアートテイラーでしょう。もちろん「じゃない方じゃない方」はアートブレイキー。多くのセッションに参加してジャズメッセンジャーズを率いてソロアルバムを何枚も出してそこから巣立った優秀なミュージシャンは数知れず。一方のテイラーは参加したアルバム数は多いもののブレ

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Lou Donaldson- The Time Is Right(1960)

Lou Donaldson- The Time Is Right(1960)

58年のブルースウォークから始まったコンガとピアノトリオをバックにした編成ですが本作ではここにさらにトランペットを加えています。しかもそれがブルーミッチェルとなればブルースを期待できます。ワンホーンでピアノがハーマンフォスターのブルースウォーク、ツーホーンでピアノがホレスパーランの本作で聴き比べたい一枚です。なおオリジナルは青色のブルーノートらしいいいデザインですがリバティからの再発時には目覚まし

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Nat Adderley. Work Song(1960)

Nat Adderley. Work Song(1960)

本作は兄であるキャノンボールと共演することが多かったナットアダレイがワンホーンで吹き込んだアルバムです。ありきたりでないギタリストのウェスモンゴメリーを器用したいという希望でウェスの参加が決まった他、ベーシストにチェロを弾かせるなど変わった試みをしている他、ボビーティモンズが酔い潰れたために仕方なくピアノレスで吹き込んだ曲もあるなど少し変則的な構成です。本作の録音は1960年1月25日と27日の2

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