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水の空の物語 第1章 春の出逢いと夢のはじまり

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第一章をまとめました、 主人公の風花と、水の精霊、夏澄の出逢いの章です。 春の川原でのことです。
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#霊力

水の空の物語 第1章 第16話

水の空の物語 第1章 第16話

「俺と風花は手前から。飛雨とスーフィアは向こう側から癒そう。飛雨の霊力はスーフィアに送ってくれる?」

 飛雨たちは戸惑い気味だったが、すぐに枝に手を当てる。

 四つの手が枝を包んだ。

「……あの、これってわたしの霊力を、夏澄くんが使っているってことですか?」

「残念だけど、あなたに霊力はないはずよ。気持ちで一緒に癒してくれるだけでも助かるのよ」

 桜の枝が三つの青い光に包まれる。

 夏

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水の空の物語 第1章 第17話

水の空の物語 第1章 第17話

「……ねえ、夏澄。あなたの幻術で、霧の水輪見せてよ」

 唐突にスーフィアがいい、微笑む。夏澄はふしぎそうに彼女を見た。

「なんだか疲れたちゃったの。みんなで気持ちを落ち着けましょう。夏澄は今日ずっと霊力を使っているけど、いいわよね」

 ねだるような瞳でスーフィアは続ける。
 ありがとうと、夏澄は微笑む。祈るように手を胸の前で重ねて、瞳を閉じた。

 ずっと、霊力を使っている……?

 そうい

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水の空の物語 第1章 第19話

水の空の物語 第1章 第19話

「なつかしいわー」

 スーフィアが、遠くにあるなにかを見るような瞳をした。

 霧の水輪は、風花たちの周りきらきらと舞っている。風花は中のひとつに手を近づけてみた。水しぶきが手に飛んだ。

「私はね、夏澄が住む水の精霊の国の近くの海に住んでいたの。水輪はそこからも見えたけど、夏澄の国にあがらせてもらって見たこともあるのよ」

「いいよなー。オレも行ってみたいよ」
 飛雨が心底うらやましそうにする

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水の空の物語 第1章 第21話

水の空の物語 第1章 第21話

 飛雨の言葉に、スーフィアもうれしげにうなずく。

 スーフィアは水輪を両手で包むようにして、目の前で浮かべていた。

 光がスーフィアの金の髪に反射している。

「夏澄の霊力は、私たちの十倍はあるわよ。水の精霊は、精霊たちの中では、一、二を争う強大な霊力を持つの」

「でも、防御は攻撃よりずっと難しいんだよ。だから、オレとスーフィアは夏澄を補助して、夏澄を護っているんだよ」

「だから、新しい霊

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水の空の物語 第1章 第22話

水の空の物語 第1章 第22話

「ねえ、わたしも霊力を持てるようになるかな」

 風花は思い切って言葉にした。
 だが、小声過ぎたようだ。夏澄たちの反応はない。

「ねえ、わたしも……」

「どうしたの? 風花」

 夏澄が青い瞳を向けてきた。

「……う、ううん。なんでもない」
「そう?」

「本当に、なんでも。……ねえ、夏澄くんはさっき、川の中に入ってなにをしていたの?」

 風花はずっと気になっていたことを訊いてみた。

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水の空の物語 第1章 第23話

水の空の物語 第1章 第23話

 花であふれているなら、世界は花色に染まっている。澄んだ青い水と花色の国。

 夏澄くんのようにきれいだと、風花は思った。

 故郷を想う彼の瞳がきれいで、どきどきする。
 風花まで、水の精霊の国が愛おしく思えてきた。

「そこで、水の精霊も、動物も植物も、争わないで平和に暮らしていたんだ」

 いたんだと、夏澄は過去形を使う。それでも彼は、優しい表情でいた。

 風花の心に、針が刺さったような不

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