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公園に着いて、霊泉の前に立ったときだ。風花は、あれ、と思った。 今までは結界の前に立…
「あの、スーフィアさん……」 風花は横たわる優月を見つめた。 彼の体はところどころが…
「ねえ、夏澄くん……」 風花はそっと声をかける。 「優月さんが元気になるように願おうね…
やがて、林に霧が流れ始める。 霧は幻影の優月の姿を覆う。 幻影の優月の姿は見えなく…
風花は辺りを見まわす。 蜜柑の木の根元に夏澄を見つけた。ちらっと彼を盗み見る。 夏…
「……わたしも、夏澄くんを護りたいです」 「ありがとう、風花」 スーフィアはささやき、…
風花は春ヶ原をゆっくりと眺める。 一面の桃色しろつめ草に、それを囲んでいる色とりどりの花が咲く木々。 真ん中にある泉と、優月が宿る蜜柑の木。 優月が護った春ヶ原は、涙が出そうなくらい美しかった。 駆けてきた草花が、夏澄と風花に細い腕を回して抱きついてきた。 「ねえ、夏澄ー。さっきの約束お願いー」 いって、手を合わせる。 夏澄はうなずき、幻術で大きな虹をつくった。春ヶ原の端から端に渡るような虹だ。 「すごいー、水の精霊さんって本当にすごいねーっ。行