【春弦サビ小説】葉桜の向こう側
みゆです。
春弦サビ小説に参加します💛
実はここの所、何となく創作脳になれなかったんですよね。
だけどPJさんとにゃんくしーさんの知り合いは強制参加との事なんですよ笑
で、何とか何とか捻り出しました。
riraさんが作品一覧を作って下さっています。
全部は読めていないのですが、まずはひとつ書いてみました。
歩行者bさんの「散華(さんげ)」を使わせて頂きました。
では、どうぞ💛
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初夏の日差しは眩しくて、僕は空を仰いで目を細める。風は優しく僕の頬を撫でていく。休日の午後の公園は家族連れやカップルなど多くの人々が行き交う。
僕はベンチに腰掛けて、コンビニで買ったアイスコーヒーを一口飲んだ。
目の前では桜の木が鮮やかな緑の葉を優しい風になびかせる。ほんのひと月前には淡いピンクの花を咲かせていたというのに。
季節の移ろいに僕はついていく事ができないでいる。
君は今頃どこでどうしているのだろう。二人で桜を見たあの日からいくつもの春が過ぎていったのに、いつまでもあの日のまま君の事を思い続けているんだ。
君はこんな僕を見てどう思うだろう。女々しい男だと呆れるだろうか。いいかげん前に進めと叱責されるだろうか。自分でもこの気持ちを持て余しているよ。
空を見上げると、緑の葉の隙間からピンクの花びらが舞い降りてきた。はらはらと舞う花びらに思い切り手を伸ばして掴もうとするけど、花びらは無情にも僕の掌をすり抜けていった。
その時、桜の木の影に君を感じた。君は悲しい目をして、僕をじっと見つめている。その顔は、二人別れたあの日の君の顔だった。いつまでも立ち止まったままの僕を叱りにきてくれたのか。
いつまでもこのままでいる訳にはいかない。君が見せてくれた幻のおかげでやっと僕は前に進めそうだ。いつか君に会えた時に、恥ずかしくない男でいたいと思うんだ。
カップに残ったアイスコーヒーを一気に飲み干して僕は立ち上がった。
さっきまで舞っていた桜は嘘のように消え去り、いくら目を凝らしても君の姿はどこにも見えなかった。鮮やかな緑の葉の隙間から初夏の日差しがキラキラとこぼれて、僕の体に桜の木の影を映し出した。一歩足を踏み出した時、「愛してる」と君の声が聞こえたような気がした。
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1作目のサビ小説でした。(まだ書く気なのか!?)
歩行者bさんの切ない歌詞にこれだ!と思い使わせて頂きました。
歌詞の世界を壊してはいないでしょうか。
歩行者bさん、この度は歌詞を使わせて頂きありがとうございました😊
悩みながらも楽しく創作できました!
楽しかったので、また書けたら書きたいと思います⭐️
今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪