70年代のきゅん♡は昭和の学年誌に載っていた模様~うわさの姫子を再読してみた
みゆです。
今回は本棚から本を引っ張り出すシリーズです。
再読した本は、昭和の少女マンガです。
それは、こちらです。
うわさの姫子の愛蔵版です。
愛蔵版は全4巻からなっていて、コミックスの9巻までの話がまとめられています。
うわさの姫子は、小学館の学年誌の小学五年生と小学六年生に載っていました。この愛蔵版には第5部までが掲載されています。ひとつのシリーズが終わると、次のシリーズではそれまでの話はリセットされて、新しい話がスタートすることになっています。
ただし、基本的な登場人物は変わりません。
主人公の梅宮姫子とガキ大将の岡真樹を中心に仲良しの友達やライバルとの関わりが描かれたマンガです。
ではここから再読した感想を書いていこうと思います。
私は小2の秋くらいから、なかよしを買い始めた。それまでの間は小学一年生や小学二年生を買ってもらっていた。そこには、毎月の特集の他に幾つかのマンガが載っていた。ドラえもんやあさりちゃんに混じって、おはよう姫子というマンガも載っていた。
おはよう姫子は、和風のお屋敷におじいちゃんと二人暮らしをしている姫子の小学校低学年時代の話だ。小さな姫子もやっぱり、美人でスポーツ万能でちょっとジャジャ馬な女の子だ。そんなおはよう姫子は子供心に楽しいマンガだった。おはよう姫子を読んでいた頃は、私もまだまだ子供で話の内容はよく覚えていない。だけど、とても面白かった記憶はある。
おはよう姫子はうわさの姫子のスピンオフ作品で小学二年生から小学四年生までの学年誌に載っていた。うわさの姫子は小学五年生と六年生に載っていた。もっとも、小学五年生や六年生は年に1〜2回くらいしか買わなかったので、学年誌でうわさの姫子を読む事はほとんどなかった。
その後、私はなかよしを読むようになったので、おはよう姫子を読む事はたまに学年誌を買う時以外はなかった。
それからしばらく経って、母と街まで買い物に出かけた時に、いつものように本屋さんに連れて行ってもらった時の事だ。少女マンガの所をあれこれ見ていた時に私は見つけたのだ。うわさの姫子を。
そのタイトルを見て「あれ?おはよう姫子じゃないの?」と思った。
パラパラと中を見てみると、なんだかとても面白かった。姫子は5年生になっていて、勉強にスポーツに恋にエンジョイしまくっていた。
その世界観は、学年誌には似つかわしくない、きゅんきゅんした物に思えた。
本屋さんに行くたびに、うわさの姫子を立ち読みしていた。それなら買えよって話なのだが、私は当時大高輝美のマスコットの本や手芸フレンドピチを買ったり、なかよしのコミックスを買っていたので、姫子まで買う余裕が無かった。
いつか読みたいなぁと思いつつ、長い長い月日が経っていった。
ある時、おそらくAmazonだったと思うが私は、うわさの姫子の愛蔵版を見つけた。後先考えず、私は4冊ポチってしまった。小学生の時、読みたくてたまらなかったマンガがついに手に入ることになったのだ。この本、私が持っている物は2002年の初版本だ。2002年当時にAmazonを使っていたのか記憶は曖昧だ。出版から数年経ってから購入したのかもしれない。
前置きがかなり長くなってしまったが、ここから本題の感想を書こうと思う。
それぞれのシリーズで多少の設定の違いはあるが、大まかな流れはこうだ。
美人でスポーツ万能な姫子とイケメンなガキ大将の岡真樹。二人は反発し合うけど、色々な出来事を通して好きだということに気づいていく。だけど、二人はなかなかすんなりとうまくいかない。
姫子を好きな男子、真樹を好きな女子、そういう邪魔が入る。それに、分からずやな教頭先生がいたりする。
でも、困難な事が起こる度に二人の思いや絆は深まっていく。
それと同時に、クラスメイトとの友情、姫子をライバル視して意地悪したりしてくる女子との和解、生き別れたお母さんとの再会と再びの別れなど盛りだくさんな出来事が起きる。
なんだかんだありながら、最後は姫子と真樹は心を通じ合わせて恋人になる。
と、こういうストーリーだ。
言っておくが、これは小学5、6年生の子供の話だ。決して高校生なんかじゃない。
もう、ませているなんてものではないと思う。
作中、キスだのデートだの愛や恋や結婚や、はたまた許嫁なんて言葉まで出てくる。
これは現在のマンガではなく、70年代に連載が始まったマンガだ。しかも、小学館の学年誌の。
出てくる登場人物も、みんな大人びている。実年齢より確実に5~6歳は上に見える。ハッキリ言って、こんな小学生はおらんがな、である。
例外は姫子や真樹の友達だけだ。その友達は年相応の描写がされているように思う。
今ふと思ったのだけど、これはまるでテニスの王子様みたいだ。
テニスの王子様の越前リョーマさんの友達3人は、ちゃんと中1の部員に見えるが、越前リョーマさんをはじめその他の跡部様だの幸村くんだの白石くんだの、とてもみんな中学生には見えない。
また、話が逸れそうになってしまった。話を姫子に戻そうと思う。
第5部は、なかなかヘビーな終わり方だった。
姫子の幼なじみ兼許嫁のヒデ坊が突然、故郷の島から出てきて姫子の家に居候する。ヒデ坊と真樹は姫子を巡るライバルだけど、認め合った仲でもある。
ある時、姫子の家が火事になった時に逃げ遅れた姫子を助けたためにヒデ坊は大火傷を負ってしまう。
姫子のお父さんが亡くなった理由が自分にある事をずっと負い目に感じていたヒデ坊。だから、危険を省みず姫子を助けたのだ。
でも、治療の甲斐なくヒデ坊は姫子の腕の中で亡くなってしまう。
これを小学生が読むのは、なかなかヘビーだなと思う。今の私が読んでも結構きつい。
不慮の事故とはいえ、自分のせいで幼なじみのお父さんが亡くなったという事実は、子供であるヒデ坊にとってどんなに重い十字架を背負っていたのかと思う。
それで、火事になった時迷わずに姫子を助けに火の中に入ったのだろう。
運命とはいえ、かなり辛い。
残された姫子や真樹もこれからどうなるのだろう。
そこが妙に気になってしまう。亡くなってしまった人は永遠に美しく生き続けるのだから。
大人になって読むと、ついつい大人目線でツッコミを入れながら読んでしまう。そういう読み方も面白くはある。
だけど、せっかく読むのなら。
気持ちも小学生のあの頃に戻して、もう一度読んでみるのもいいと思う。素直にマンガの世界に入り込んで読んでみると、また味わい深いものがある。
私もまた1年後くらいに再読してみようと思う。
今日も最後まで読んで下さってありがとうございます♪