『秋ナスは嫁に食わすな』
西暦2022年6月28日(火)
旧暦皐月三十日
夏至
菖蒲華(あやめはなさく)
旧暦皐月も終わります。
梅雨が早々に開けて、猛暑日が続いています。
自身の体調管理を十分に気をつけて、涼しく過ごす工夫をしていきたいと思います。
先日のお取り寄せ野菜の中に立派なお茄子がありました。
緻密で甘みのある 火の国なす(熊本県産)とあります。
奈良時代ころに原産国であるインドから日本に伝わったとされる
『なす』は夏から秋にかけて旬を迎えます。
夏の養生食では、
余分な熱を冷まし、水分代謝を上げる『水を巡らせる食材』として、
トマト、きゅうり、とうがんなどと共に、夏野菜として用いられます。
今では非常に多くの品種があり、ハウス栽培もできるため1年中出回っていますが、
マクロビアンとしては、
なすは『陰性』の野菜となりますので、身体を冷やすと考え、
旬である今この暑い時期のみ食することとなります。
今頃から9月にかけては『夏ナス』9月以降は『秋ナス』と、
呼び名が変わります。
呼び名だけではなく実自体も少し違っている様です。
『夏ナス』は気温が高く強い日差しを浴びて生長するため、
皮が厚くなり、果肉も詰まった実になり、種もやや多め。
『秋ナス』は昼と夜の寒暖差が大きい中、日差しもやわらかくなってから育つので、
皮が薄くて柔らかく、しっとりと水分を含んだ実になり、種も少なめ。
『夏ナス』は、実が詰まってしっかりしているので、熱を加えても煮崩れしにくく、
『秋ナス』は、水分が多くすぐに火が通りやすいようです。
『秋ナスは嫁に食わすな』という言葉には諸説ありますが、
東洋医学の見方で、茄子は体を冷やす食べ物に分類されるため、
特に女性にとって体の冷えは健康によくないと考え、
子供を生んでほしい大事な嫁には茄子を食べさせすぎてはいけない、という戒めというのが有力な説と思っています。
これは、ナスには
利尿作用があり、身体の熱を外に逃がす働きがある『カリウム』が多く含まれているからといわれています。
また、皮には『ナスニン』と呼ばれるポリフェノールの一部が含まれていて、強い抗酸化作用も期待できます。
この時期が旬のなすをうまく使って、暑い夏を乗り切っていきたいものです。