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新食感!たばしる
こんばんは、もこみです。
昨日はお茶のお稽古だったのですが、その時出していただいたお菓子がこちら。
「たばしる」 茶丈藤村
私は初めましてのお菓子でしたが、滋賀県大津市の石山寺近くにある和菓子屋、茶丈藤村(さじょうとうそん)さんの「たばしる」。
石山寺には行ったことがあるのですが、こちらのお菓子は知りませんでした。
見た目は完全に大福。お餅の下に黒いものが見えているので、豆大福のようにも見えます。
先生は「食べてみてのお楽しみ♪」と楽しそうに言うばかりで教えてくれません。
楊枝で切ってみると、思っていたより固い手応えがあり、なかなか切れません💦
何とか割ってみたところ、中は餡子ではなく、粒のままの小豆!
そして切りにくかったものの正体は、下のほうに入っているクルミです!
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見た目は大福なので、中に何かしらの餡子が入っていると思っていたのですが、見事に裏切られました。
和菓子を食べ慣れている人ほど、このギャップに驚くと思います。
ホームページによると、
最上級の丹波大納言小豆を蜜漬けした、つやつやの甘納豆かのこ「釜あげ丹波大納言」をクルミとともにやわらかいおもちに収めました。
この小豆単体でも商品として販売しているようです。この小豆とお湯だけで美味しいぜんざいが出来ると紹介しているので、それは美味しいに決まっています✨
やわらかく炊いた小豆と、カリカリ、ザクザクしたクルミが合わさって、今まであまり味わったことのない楽しい食感の和菓子になっています。
「たばしる」とは
さて、菓銘のたばしる。聞き馴染みのない言葉です。
どういう意味なのでしょう。
辞書で調べてみました。
【たばしる(た走る)】
激しい勢いで飛び散る。「た」は接頭語。
また、お菓子が入っていた箱には、
石山の石にたばしる霰かな 芭蕉
と書いてありました。
どうやら松尾芭蕉の句から取った銘のようです。
お店のホームページを見ると、その由来なども詳しく書かれていました。
句意は「石山寺の珪灰岩に勢いよく降っては、はじけ飛び散る霰のさまは、目にも耳にもなんと心地のよいものだろう」
この句の感じを表現できるお菓子を。と、創業時に試行錯誤を重ねて出来上がったお菓子が「たばしる」です。
実際に触れて召し上がっていただくとよくおわかりいただけるのですが、まず、薄くやわらかい餅の中に触れる小豆の粒の感触。
次に、口にするとお餅の中でゴロゴロしていた大粒の釜あげ丹波大納言がコロリとほぐれます。
そうです!その状態がまさに「たばしる アラレ」を表しているのです。さらに御菓子の外見も珪灰岩のような色形をしております。そういった点でダブルに意味をかけた石山寺の名実ともに銘菓なのです。
お茶席では黒文字や楊枝でお菓子を取るため、直接小豆の粒の感触を感じることは出来ませんでした。
もし家でいただくなら、直接手で持って触感も楽しんでみたいと思います。
さて、お店は石山寺のすぐそば、とのこと。
石山寺は、紫式部ゆかりのお寺として知られ、境内に四季折々の花が咲いていることから「花の寺」としても有名です。
石山寺に行かれる際には、ぜひ「たばしる」もご賞味ください😊
あ、もちろんお取り寄せも可能のようです↓