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絶望したあの日、私は死のうと思った②

その日は朝から曇り。

全くいつもと変わらない・・明るい声で「行ってきます!」
と家を出た私は、登校する学生たちにばれないように学校とは反対の道に進んだ。

こんな事をして、厳しい両親にすごく怒られる。
先生にも怒られる。でも、もうどうでもいい。

私は二度とこの場所には戻ってこないと心に決めていた。

一人で誰も知らないところに行こう。
とりあえず、人がいないところを探し歩き、
近所の人通りがあまりない河原についた。

体育坐りでボーッと川の流れを見ていた。
川の流れは少しゆっくりそうに見えたが、木の枝や落ち葉などを乗せて流れていた。

『戻ったら絶対怒られる』
『私にはもう戻る場所も、行くところもない』
『私も流してくれないかな…』

足を踏み入れたくなり、恐る恐る…小さく1歩進んだ。
靴の中に水が入り込み、とても冷たい。

何故か分からないけど、涙が出た。

もう1歩、もう一歩…泣きながら私は進んだ。
しかしその先は、急に流れが速い場所になっていた。

私は、急に恐怖感を覚え、怖くて怖くてそれ以上進めなくなり、しばらくその場に立ちつくした。

『あと2歩踏み出せば全てが終わる。もう苦しまなくていい』

でも当時の私には、どうしてもその2歩が出せなかった。
怖くて震えて泣きながら、私はその場に立ちつくした。

と、その時、はるか遠くの方から犬の散歩をする人がこちらに向かってくるのが見えた。

『やばい、見つかる!!』

わたしは咄嗟に川から出て、何事もなかったかのように、全速力でその場を駆け去った。


先に進めなかった。

どこに行こう…
濡れてしまって足が寒い。
でも警察に補導されて連れ戻されるわけにはいかない。
私には戻る場所がない。
もうこんな場所は絶対に嫌だ。
逃げたい。
消えたい。


それから私は泣くのを必死にこらえ、人目につかないような道を選び、いかにも遅刻して学校に向かう、もしくは早退して家に帰る学生に見えるように、考えながら歩き続けた。

そして家から少し離れた住宅地にある木材置き場にたどり着いた。
基本的に、いつも人がいないのを知っていたので、私はここで作戦を練ることにした。

プレハブのような2階建ての建物があり、道路から死角の場所に階段があり、私はその階段の下に隠れた。


我慢していた気持ちが一気にあふれ出し、どっと涙が出た。
バレないように、声を出さないようにうずくまって泣いた。
そして、これからどうしようか必死に考えた。

大金は持っていない。
電車で行けることまで行くとしても制服では目立つ。
そうだ、母親にプレゼントを買うフリをして古着屋で安い服を買おうか
でも商店街は補導されるかも…

そんなことをグルグルと考え、答えが出ずにただうずくまっていた。 

何時間経ったのだろう。
携帯もない、時計もない。
でも昼を合図するサイレンはとっくに鳴り終わっていた。

ここもいつかバレる、場所を変えないと。
誰かがどこかから見ているかもしれない。
補導されるかもしれない。
そろそろ商店街に向かってもおかしくない時間帯だろうか。


とりあえず電車に乗って出来るだけ遠くに行き、絶対見つからない場所を探そうと…
高校2年生なりに必死に考えた。

そしてあてはなかったが、私は逃げるようにその場から歩き出した。

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