最近の記事

船をおりて歩くこともできる

この間舟に乗って眺めていた景色を 今夜は徒歩でつとつと眺めている。 これがおれの街、 と思ってはしゃいで ひとがたくさんだ! と感じてさらにはしゃいだ。 そういう夜があって、 そのことを次の夜には同居人にぺらぺら喋り 今夜はひとりで歩いている。 とてもきれいに光る橋の横にあるのが 中央線の通る橋である。 いつもとてもうるさく、そこがいいと感じる。 うるさいものを好きと感じることは少ないので、川べりの夜の力の大きさを見るよう。 あまりに目まぐるしい最近だったと思う。 主

    • 生き地獄更新

      髪を切りにいくこともまるで 処罰の一つであるみたいな日曜日 生き地獄更新 という言葉が来て目の前に立つ人の adidasのジッパーがadidasを 私の膝に当ててくる2月の 銀座線 何度見ても親指のピンクの マニキュアーはよれよれで 眼をみはる気も果てる 私がこんなにポコポコと 毛玉の生えた服着ているのに adidasの内側もおそらくadidas だろうしその人の髪は美しく紫 キャベツのような瑞々しさだ ずるいよ と言われておかしくない私 でも人はみな何かしらの罪をやって

      • わたしには満月が現れないかもしれない。

        28.11.2021 何をするのもおっくうな週末が訪れた。 最近会社での飲み会が増えて、ほぼ初対面の酔ったおじさんにくつひも結ばれたりして人間の営みなんて無為だ…と思える時間をすごしてむかついていたことはでかい。もともとの怠惰な性格、どこかに行くのにエンジンがかかるのを待ってしまう性格もあり、やはり「公園行くよっ」より「ハウス」が恋しい。アウトプットに追われている日々をリセットしたくもあった。 そういうこととは関係なく、身体をやすめるという理由をつくらずひとりでいてみたくな

        • やっぱり!と思うさみしさがきた。

          やっぱり!と思うさみしさがきた。 いつも人と暮らしているツケがまわったというか、物理的にひとりきりになると途端にさみしくなるのだから、今夜はやっぱりさみしくなる。 22時に仕事を終えた同居人(なんてこと)を駅まで送り、そのままひとりきりの家に帰るわけにもいかずに川にくる。川には歩く人走る人立ち止まる人がいて、みんな私とは親しくない。 今、私に近しいのは丸い月だけ、というこのような夜に、初めて私は電話というものの存在を思い出す。 優しさのバケツの底が抜けたような友人たちの顔が

          「うん、感情とか感動とかそういったものと哲学的な議論が不可分なものとしてみやおさんの中にある」

          インターンをしています。春から入社する会社にて、アルバイトのようなものなのに、まだやりはじめて半月たっていないくらいなのに、それでもわたしの半分は商人みたいな顔をしている。 いつもふしぎな気持ちでいます。わたしはこれまで本のことをそのかたさや厚みや手触りというところから、そして深く読み込んだり時に投げ出したりして、あるいは慰みのものとして、掬い上げられるものとして、個人的な関わり合いや学術的な意義におったてられるようにして、そういう感じで認識していたのに、いま、デスクで梱包

          「うん、感情とか感動とかそういったものと哲学的な議論が不可分なものとしてみやおさんの中にある」

          「生活」と雑記

          7時30分に目が覚めて、起き上がれたのは8時30分過ぎだった。この家はほんとうにどこもかしこも芯から寒くて、活動を行うのにタイムラグが発生してしまう。リビングに行くとだれもいなかった。ヨガみたいな動きをひゃあとやって、痛くてぼうっとしながらひかりを浴びていると、母がきた。ねこをかかえている。7時過ぎに家を出た父を見送り、この時間までねこと二度寝をしていたらしい。母は日に三度ねむるのだから、朝寝と昼寝と夕寝をするのだから。 「ふーちゃん(わたしのこと)、せんたく、まわした?」「

          「生活」と雑記

          膝のうえにいる

          ねこが膝のうえにいる まえあしを交互にぐーぱあさせている くびのねっこやら鼻の筋やら撫でてみていると ごうごうと鳴って目を線にする 撫でる手をやすめれば音はやむけど 再開すればごうごうと鳴る このねこはまくらのほしいタイプで わたしのウデがちょうどよさそう まくらにかおをうずめるのも好きで ウデと胴のあいだに鼻を押し込みたがる そうしてそこですうすうと言う わたしはほんとうにすうすうと言って眠るものがめずらしくて 撫でる手をやすめて何もしなくて すうすう言うものをじいと見

          膝のうえにいる