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あなたの上司はどのタイプ?心理的安全性を損なう上司の特徴3選

<執筆者紹介>

宮中 大介。はたらく人の健康づくりの研究者、株式会社ベターオプションズ代表取締役。行動科学とデータサイエンスを活用した人事・健康経営コンサルティング、メンタルヘルス関連サービスの開発支援に従事。大学にてワーク・エンゲイジメント、ウェルビーイングに関する研究教育にも携わっている。MPH(公衆衛生学修士)、慶應義塾大学総合政策学部特任助教、日本カスタマ―ハラスメント対応協会顧問、東京大学大学院医学系研究科(公共健康医学専攻)修了。


近年、多くの企業で「心理的安全性」の重要性が認識されるようになりました。心理的安全性とは、組織やチーム内で自分の意見を自由に発言できる環境のことを指します。これが確保されていると、社員はミスを恐れずに挑戦し、建設的な議論ができるため、組織全体の生産性や創造性が向上します。しかし、上司の言動によってこの心理的安全性が損なわれることがあります。今回は、心理的安全性を低下させる上司の特徴を紹介します。

特徴1:日によって機嫌が違う

「昨日はニコニコしていたのに、今日は怒ってばかりいる……」このような上司の下で働くと、部下は常に上司の顔色をうかがうようになります。機嫌が良い日には冗談を言い合えるが、機嫌が悪い日は質問すらできない。こうした環境では、社員は安心して発言することができず、重要な報告や相談を後回しにしがちです。

例えば、新人社員が業務でミスをしてしまい、すぐに報告したほうが良い状況だったとします。しかし、上司が不機嫌な様子だったため、「今話しかけたら怒られそうだから後で伝えよう」と先延ばしにした結果、問題が大きくなってしまうこともあります。

このように、上司の機嫌によって職場の雰囲気が左右されると、社員は安心して仕事ができず、最終的には組織全体のパフォーマンスにも悪影響を及ぼします。

特徴2:部下の話を聞かない

「何か意見があっても、どうせ聞いてもらえない……」こう感じる部下が多い職場では、心理的安全性は低下します。上司が部下の意見を遮ったり、一方的に指示を出すばかりで対話をしなかったりすると、部下は「発言する意味がない」と考えるようになります。

例えば、現場で働く社員が「この業務フローを改善すれば効率が上がるのではないか」と上司に提案したとします。しかし、上司は「そんなの無理だよ」と一蹴し、話を最後まで聞こうともしません。こうした態度が繰り返されると、部下はアイデアを提案する意欲を失い、組織の成長機会が失われてしまいます。

他によくあるのが、最初は部下の話を聞いていても途中から「自分はこう思う」「自分はこうだった」とひたすら持論を語り出すタイプです。このタイプの上司のもとでも、部下の心理的安全性が低下します。

心理的安全性の高い職場では、上司は「まずは話を聞く」という姿勢を持ちます。たとえ最終的に提案を採用しなくても、部下の意見に耳を傾け、適切なフィードバックを行うことで、部下は「自分の考えが尊重されている」と感じることができます。

特徴3:部下に相談されて検討した結果を部下に共有しない

「この件について検討します」と言ったまま、結果を何も伝えない上司も心理的安全性を損なう要因になります。部下が相談した問題について上司が一度は検討しても、その後の結論や判断を共有しないと、部下は「相談しても意味がない」と感じるようになります。

例えば、ある社員が「チームの負担を減らすために、新しいツールを導入できないか」と相談したとします。上司は「検討する」と答えたものの、数週間経っても何の報告もない。この場合、部下は「結局どうなったのか分からない」「相談しても対応してくれない」と不信感を抱くようになります。

適切な対応としては、たとえ部下の提案を採用できない場合でも、その理由を説明することが重要です。「〇〇の事情で今回は導入が難しいが、今後の課題として検討する」「コストの関係で導入できなかったが、他の方法を探してみる」といったフィードバックを行うだけでも、部下は「自分の意見が尊重された」と感じられます。

まとめ

心理的安全性は、職場の生産性やチームワークを向上させる重要な要素です。しかし、上司の何気ない言動がこれを損なうことがあります。「日によって機嫌が違う」「部下の話を聞かない」「部下に相談されても結果を共有しない」といった特徴を持つ上司のもとでは、部下は安心して意見を言えなくなり、組織全体の成長が阻害されてしまいます。

上司が意識を変えることで、職場の心理的安全性は大きく改善されます。まずは、自分が部下に対してどのような態度をとっているかを振り返り、改善できる点を見つけることが重要です。部下の意見に耳を傾け、適切なフィードバックを行うことで、より良い職場環境を築いていきましょう。

以 上


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