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地味にうれしかったこと - しあわせのパン編

地味にうれしい、とは
自分にしか分からぬ、小さなしあわせと言えばいいだろうか
心の中でガッツポーズするような、
ひとりニヤニヤしてしまうような、
そんな瞬間が六月に二度あった
それは、今の自分に必要不可欠なもの - "本" との小さなエピソード

*

現在、働いている大学図書館では二ヶ月に一度、テーマを決めて展示を行っている
担当者は当番制で大学図書館に相応しいテーマを決めたら、館長に了承を得て準備にとりかかる
現在、『人生を変える図書』というテーマで展示が行われている

専門的な大学のため、所蔵は圧倒的に専門書が多く、一般図書は僅かである
その中から『人生を変える図書』を選書するということはわたしにとって、とても難しい
しかも三冊である
二冊候補となる図書はあったが、勤務する図書館に所蔵はない
働き始めて間もないので、本を借りたのも数冊

さて、どうしよう…と困り果てた

そして、一冊だけ
これなら!と思う図書が見つかった
しあわせのパン』 三島有紀子著

この本の存在は映画を観たことで知った
確か、WOWOWでたまたま観た映画だった
ほっこりするし、涙は出るし、北海道の景色に癒されるし、珈琲やパンのいい香りが漂ってくるような、五感に響く映画
なんと言っても原田知世さんがとにかく可愛い
その後、何度も見返すほどすきな映画となった

昨年九月、一週間だけ35mmフィルム上映されると知り、そのうち一日限りのイベント、三島有紀子監督とプロデューサー森谷雄さんのトークイベントがあり、迷わずその日のチケットを買った

トークイベントで、三島監督がこの映画は神戸の震災を取材したときに感じた "share" がテーマになっているとお話しされており、何度も観てきたがそれを初めて知り、あらたな気づきがあった

35mmフィルム上映で観る映画はそれはそれは色がやわらかく、美しい
貴重な機会をつくってくださり、とてもありがたかった

*

本題の、なぜ地味にうれしかったかというと…
おすすめしたこの本を借りてくれた方がいたということ!
ニヤニヤが止まらなかったな
どんな方が借りて、どんなふうに感じただろうか
紹介コメントでは映画についてもおすすめしたので観てくれてたらうれしいな

今までの貸出履歴を見てみたら、十年前に一度借りられただけ…ということにも大変驚いたのでした笑


|あとがき|
本日は山羊座満月◯
2023年も折り返し
梅雨だけど、夏を感じている今日この頃

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