
面接は、真冬の持久走よりも嫌い
私は、運動が大っ嫌いです。例外なく、持久走やらマラソンやらも大っ嫌いです。
でも、そんなことどうでもよくなるぐらい、面接が嫌いです。
今回はそのきっかけとなる高校受験の話をします。
高校受験で、私はありがたいことに推薦をもらった。推薦といっても一般入試と同時に行われるため学力試験を伴い、負担は一般入試と大差なかった。ただ、推薦生は志望校ごとに面接の練習を受ける必要があり、私も例外なく受ける必要があった。
面接官の担当は時代錯誤の昭和気質の教師。私は想定以上に萎縮し、身体が震えて倒れそうだったため、椅子のへりを掴んで、精一杯の応答をした。
「嫌いな教科はなんですか」と言われたら「苦手な教科は〜」と言い換える。
失礼のない敬語を使う。アイコンタクトをする。
事前に調べて頭に叩き込んだが、本番で頭は真っ白だった。
練習が一通り終わると、それぞれに対し講評がされた。私の番になると突然先生は声を荒げ、椅子のヘリを掴むな、なんだその応答は、と激しい叱責を受けた。何もかもがダメだったらしい。これを書いている今も涙が出てくるぐらいその光景をしっかりと覚えている。当然私はその場で泣き、その涙は家に帰っても止まらなかった。あんなに下校に時間がかかった日はなかったし、母親に、お願いだから今日は構わないでくれとラインを送り、布団の中で泣きじゃくった。
もっと私が不真面目に生きていて、適当に面接練習に臨んでいたならそれぐらい怒るのは妥当だと思う。でも、少なくとも私は3年間真面目で、一度も怒られることのない、品行方正な生徒だったはずだ。誰よりも勉強を頑張り、その時点で志望校の偏差値を10も上回っていたじゃないか。真面目に生きてる私を泣かせて何になるのか。
今でも本気でそう思っている。
就活の面接練習でも傷は癒えておらず、30分ほど泣き崩れ、色々な人に大迷惑をかけた。7年経っても癒えない傷をつけて満足ですか、?
その日以降、私は狂ったように面接の練習をした。
勉強そっちのけで。1日2時間は最低。泣きながら。
いまだに思い出すと動悸が止まらない。
練習が実り、受験は推薦で合格した。
面接練習でお世話になった先生にお礼の手紙を書けと言われた。
泣きじゃくりながら、嘘と怨念をたっぷり込めて書いた。
後日談
私が無事高校に入学した春頃、人づてに聞いた話。
「面接のお礼の手紙、あの先生とっても喜んでいたって。学年で一番印象深い生徒だって言ってたよ」
330人いる生徒の中で、おそらくあなたのことを一番恨んでいる私が印象深いだなんて笑えるね。