あぁ、実は熟成してたんだ。
ここ数週間、手放したかった思いがあった。
でも、なかなか手放せなくて、苦しかった時間。
いろんなことにやる気が起きなくて。
いつも楽しい料理もお菓子作りも、味気のない作業に思えた時間。
「なんだかなぁ。。変わってないなぁ、私」
そんな言葉が心を締める。
どうやったら手放せるんだろう。。
どうやったら楽になるんだろう。。
そんなことを思いながら過ごした数週間。
でも、変化は突然現れた。
ベランダで友達と話していた。
別に手放したかった思いについて話していたわけじゃない。
だけど、なんか自分の身体の中で、
「あ、そっか。手に入らないんだ。そうか。そうなんだ」
その思いがすっと、落ちていった感覚。
そしたら、いろんなことが楽になって。
手に入らないことが、白い光のような形を帯びて、私を照らす。
「あぁ、やっと私手放せたんだなぁ」
望んでいたものが手に入らなかったことは、確かに、確実に、明らかに、
寂しいのだけれど。
それよりも、
「手放せた」ことがうれしくて。
変わっていないと思っていた自分が、実は熟成していて、
前とはちょっと違う自分になっていたことがうれしくて。
最近読んだ本に、
「変化は、実は自分の知らないところで起きている」
という言葉があって、その通りだったなぁって思う。
こうやってその思いを文字に綴ることができていることが、
手放せたことの証拠でもある。
まだちょっと残っている完全に手放せない思いも丁寧に見つめながら、
今日も1日を過ごそう。