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カゴ直利と学習漫画「日本の歴史」

「カゴ直利」先生は主に集英社から1967年に出版された「日本の歴史」で知られる漫画家です。私がこの集英社版「日本の歴史」を手に取ったのは1975年頃だと思われます。小学校に一日一冊持って行ってたような記憶もあります。残念ながらカゴ先生の執筆は桜田門外の変までで以降幕末近代は宮坂栄一先生の執筆となります。基本的にはあの当時の史観通りの展開ですが、アテルイが片肌脱いだ毛皮を着た蛮族だったりと今なら問題になる場面もあります。家康がどんどん顔が悪くなったりするのも見逃せません。
特に酷いのは「安和の変」を描いた一連の場面です。まず顎髭をはやした男が源高明として登場します。ところが藤原氏の依頼を受けて源高明をはめる男として源高明と全く同じ顔をした源満仲が登場します。彼が源高明邸に行き高明と面会してはめるのですが、その際の高明は全く別の美男子顔になっています。そして源満仲が源高明をはめて太宰府に左遷させた功績で出世したのが武家が権力を持ち始める最初だとしてこのエピソードをしめくくりますが、全く意味不明な話になってしまってます。
他にも戦国武将が「なんであるアイデアル」とか当時のコマーシャルを言ったり陳腐化したギャグも多数ありますが、新版になるまで1980年代初頭あたりまでこの版が出てたようです。近代史も含め全18巻は私の小学時代のバイブルです。
ちなみに兄は「ムロタニツネ象」の「漫画日本史」を愛読していました。こちらは肖像画が残っているキャラはそれに準拠して描かれていて図版のイメージが強いものでした。巻数も少ないもので参考書に近い構成でした。
他にカゴ直利が大河ドラマに合せて出していた漫画も持っていました。
「国盗り物語」の年に出した「国盗り!稲葉城」「奇襲!桶狭間」「逆襲!本能寺」「決戦!関ケ原」「風雲!大坂城」 は本能寺の変の後に堺に戻ってくる足利義昭が悪い顔してて最高でした。
他に大河ドラマ「勝海舟」の年には「衝撃!黒船来航」「壮挙!咸臨丸」「血風!新選組」「天変!大政奉還」「暗雲!江戸城」を出していました。
「風と雲と虹と」の年には「「関東の風雲児平将門」「海賊大将軍藤原純友」を出していました。こちらは草刈正雄や吉永小百合の役のキャラが出ていないのにガッカリした記憶があります。
電子版で復刻してもらえないものでしょうか?
手持ちのものは乱丁落丁なうえに落書きだらけの破れまくりすれまくりなので。大河を勝手にコミカライズしたほうは兄が全部手放してしまったので読むことができないのでこちらもなんとか復刻してもらえないかなあ。
司馬史観よりも好きな「カゴ直利」史観。まあ私の場合は「手塚治虫」史観や「石ノ森章太郎」史観、「みなもと太郎」史観にも大分毒されていますが。

逃げ上手の若君
新九郎、奔る!
関ヶ原のときはまだカッコいいが
大坂の陣ではもうこんな狸親父に

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