マガジンのカバー画像

歩くパンセ

44
歩く人の思索です
運営しているクリエイター

#スナップ写真

僕たちは急ぎすぎているのかもしれない~歩く速度と生命の速度について~

ここ数ヶ月の疫病は、僕たちに何をもたらしたのか。 僕たちの何を変え、何に気づかせ、何を残していくのか。 僕はこのところずっと考え続けているし、誰もが嫌でも考えざるを得ないと思う。 この終わりの見えないトンネルからいつ抜けることが出来るのか。いつになったら顔を覆う暑苦しい布をゴミ箱に投げ捨てて、友人や恋人と思い切り笑いあうことが出来るのか。 まるで理想のようになってしまった、かつては当たり前だった日々を、いまや遅しと待ち焦がれても、それは簡単には戻ってこない。 僕たちがどれだ

歩くために、歩いてみよう

 目的を持って歩くことも良いけれども、目的なく歩くことはもっと良い。  目的のある歩行というのは、例えば買い物に行くためとか、駅に行くためとか、何か歩くこと以外の目的を達成するために歩くことがそうだ。東海道を踏破するとか、シルクロードを踏破するとか、世界を歩いて旅するとか、そういうのも目的のある歩行かもしれない。  目的のない歩行とは、ただブラブラ歩くこと。なんとなく家の周りを歩いたり、近所の川沿いを歩いたり。要するにただの散歩のことで、散歩には、散歩すること以外の目的は

僕は歩く人になろうと思う~歩行の速度、身体の速度、そして現代の速度~

 人類の起源がいったい何百万年前まで遡るのか、その正確な時間を知ることは出来ないけれども、その起源の地とされている現在のアフリカ大陸中央部から、ホモ・サピエンスが外部に移住を始めたのは、一説によると、約7万年前とされている。  ある者たちは、アフリカの東端、現在のソマリア半島から海を渡り、アラビア半島を経て、ユーラシア大陸、そしてアメリカ大陸へと移動した。またある者たちは地中海を越えて、ヨーロッパへと北上した。そして、ある者たちは、アフリカ大陸の南端へと辿りついた。    

歩く人⑥

この道を歩け、と囁く声が聞こえたような気がした。 4月末日、何気ないの午後の散歩の途中のこと。 東海道線辻堂駅の少し北にある、国道一号線沿いを歩いていたときだった。 それはかつて東海道と呼ばれた道だ。京都から日本橋までをつなぐ幹線道路。江戸時代以前から何百年にも渡り、無数の人々が徒歩や馬で旅をした、歴史的な要所。 ふいに、この道をまっすぐ歩いてみたくなった。 それは衝動のようなものだったかもしれない。ちょうど来た道を折り返して、家に帰ろうと思っていた矢先の、突然の衝動。

歩く人⑤

最近は絵を描く手を休めて、写真ばかり撮っている。 歩くことと写真を撮ることは、かなり相性が良いようで、昼も夜もブラブラと歩きながら、道すがら気になったものを、特にこだわりなく撮る。ついでのようなものだから、作品作りのためとか、良い写真を撮りたいとか、そういう強い気持ちは特に無い。 SONYのRX100M3という手のひらサイズのデジカメを一つ、ポケットに忍ばせて、あとはひたすら歩く。気になるものが目に入ったら、すっとカメラを取り出して2,3枚パパッと写し、また歩き出す。 そ

アーティストステートメント

アーティストステートメントってやつを書いてみました。 これずっと書いてみたかったのです、ひそかな憧れみたいなもので(笑 基本的には世界へ向けたメッセージなので、DeepLさんに英語に翻訳していただきました。想像以上に精度高くて驚いた! 日本語版だけ載せておきます。 何を言っているのか分からないと思いますが、自分でも良く分かりません。 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

歩く人④

歩行にはリズムがある。 右足と左足を交互に、一定のテンポで前に出して、頭の中で「いち、に、いち、に」と声を出してみる。 小さい頃、小学校の帰り道で、実際に声を出しながら歩いた経験がある人も多いだろう。「ワン、ツー、ワン、ツー」でも「右、左、右、左」でも、同じ。 自分は今でも声に出して歩くことがある。そして呼吸も自然と歩行に合わせて「スッ、スッ、ハッ、ハッ」と、4拍子のテンポを取っている。 自分が1時間に歩ける歩数を数えてみた。約6000から7000歩。1秒間におよそ2歩