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キミはボクの年下の先輩。第10話「もしかして、キミは私に対して欲情しているのかい?」

  *

「はい、これで終わりだね」

 そう言って、加連先輩はボクから離れていった。

 つまり、今日のシチュ活が終わったのだ。

 ボクは残念に思いながらも加連先輩を見上げる。

「あの……加連先輩……」

「ん? なんだい?」

「今回のシチュ活って、加連先輩がやりたいことだったんですよね?」

「そうだけど」

「それにしては、ボクのメリットが大きすぎませんか? こんなにボクばっかり……」

「気にしないでいいよ。これが私のやりたいことだから」

「おねショタが、ですか?」

「そうそう。おねショタが、だよ」

「やっぱり、ボクのこと、ショタボーイだと思っているのですか?」

「まあ、そうだね。でも、キミが、とっても、かわいいから、仕方ないんだよ!」

「うぅ……」

「気にしすぎるな」

 加連先輩はボクの頭を優しく撫でてくれる。

 彼女の手がとても心地よかったのでボクは、なにも言えなくなる。

「さて、今回のおねショタシチュだけど、どうだった?」

「えっと……すごくドキドキしました。まるで、本当に、お姉さんと触れ合っているような気分でした」

「そうかい? 嬉しいな♪」

「そ、それで……あの……またシチュ活をしたいってお願いしてもいいでしょうか?」

「もちろん! いつでもオーケーだよ!」

 年下の先輩は笑顔で答えてくれる。

 彼女が輝いて見えて、ボクは思わず見惚れてしまう。

 楽しげな笑顔を浮かべる彼女はボクを見つめる。

 その笑顔を見たボクの心はドキドキしていた。

「もしかして、キミは私に対して欲情しているのかい?」

「それを言わなきゃダメなのでしょうか……」

 僕は顔を赤くしながら、彼女の顔を見つめる。

 彼女はボクに微笑みながら、見つめる。

「ねぇ、ショタくん」

「はい」

「お姉ちゃんって呼んでみて?」

「えぇっ!?」

 突然の要求にボクは戸惑う。

 しかし、加連先輩はワクワクとした表情を浮かべている。

 彼女の期待を裏切ることなんてできるはずもないので、ボクは素直に従うことにした。

「……お、お姉ちゃん」

 そう呼ぶと彼女はとても嬉しそうに笑ってくれる。

「そうです。私はキミのお姉ちゃんです」

 彼女はボクの頭を撫でながら。

「じゃあ、今日はお姉ちゃんと一緒に執筆勉強会だ!」

「は、はい!」

 彼女はボクの隣に座り、ボクの肩に頭を乗せる。

 年下の先輩から、いい匂いが漂ってきてドキドキしてしまう。

「ほら、ショタくん? お姉ちゃんに聞きたいことがあるんじゃないか?」

 突然の要求にボクは慌てふためくが、なんとか言葉を口にすることができた。

「えっと……その……お姉ちゃんはどんな物語を書くのが好きなのかなって思って……」

「私が好きなジャンル?」

「うん、知りたいなって思って……」

「そうだね……私は、恋愛モノが好きなんだ」

「えっ? お姉ちゃん、恋愛モノが好きなの!?」

「失礼な! なんでそういうことを言うのかな!?」

 ボクの言葉を聞いた加連先輩は少し怒ってしまったようだ。

 ボクは慌てて弁解するように。

「いや……だって、お姉ちゃんは、すごい美人だけど……その……恋愛とか興味なさそうなイメージだったから……」

「まぁ、確かにそういう風に思われても仕方ないかもしれないね」

 彼女の話を聞いたボクはホッとする。

「でも、私は恋愛モノが好きなんだ。恋に憧れているんだよ」

 加連先輩は、どこか遠くを見つめる。

 彼女の横顔は、とても美しく見えた。

 彼女の顔を見ているとボクもドキドキしてしまうのだった。

「ねぇ、ショタくん?」

「はい?」

「キミは、恋愛ってどう思う?」

「えっと……よく、わからないですけど……」

「まぁ、そうだよね」

「あの……どうして、ボクにことを聞くんですか?」

「ん? いやね……実は……いや、なんとなく、だよ……。ショタくんは、どんな恋愛をしたいのかって思ってさ」

「うーん……」

「まぁ、深く考えずにさ……今は、ただ、物語を紡いでいこうよ」

「は、はぁ……」

 ボクは疑問を抱きながらも執筆に取り組んでいくのだった。

  *

「よしっ! 終わったー!」

 ボクが、そう言って背伸びをすると加連先輩は微笑む。

「お疲れ様。よくがんばったね」

 加連先輩の笑顔を見たボクは思わずドキッとしてしまう。

 ボクの様子を見ていた彼女はクスッと笑い、今度はボクの頭を撫でる。

 彼女の手の感触が心地よくて、つい顔が赤くなってしまう。

 ボクの様子を見ていた加連先輩はクスクスと笑う。

「とても、いい反応だね」

「うぅ……恥ずかしいです……」

 ボクの言葉を聞いた彼女は、さらに笑みを深める。

「そうかそうか〜♪ 恥ずかしいかぁ〜♪」

 そう言いながら彼女はボクの頭を撫で続ける。

 そして、ふと思い出したように。

「そうだ! ご褒美に、なでなでしてあげよう!」

 加連先輩の唐突な提案にボクは戸惑うが断ることもできず彼女の手が頭に触れるのを待つ。

 そして、ゆっくりと彼女の手がボクの頭の上に乗っかる。

 柔らかい感触とともに頭を撫でられている感覚がボクを襲う。

 その心地よさにボクは身を委ねてしまう。

 ボクの様子を見た加連先輩は嬉しそうに微笑むと、そのまま優しく頭を撫でてくれるのだった。

「よしよし♪ いい子だねぇ〜♪」

「うぅ……」

 ボクは恥ずかしさのあまり顔を伏せてしまうが、それでもなお頭を撫でる手は止まらない。

「ふふっ♪ 本当にかわいいね……ショタくん……」

 そう呟いた彼女は、またもボクの頭を優しく撫でる。

 ボクは、この瞬間を迎えるたびに幸せになっていく。

 幸せな時間は、あっという間に終わっていく。

 気づくと夜の時間だ。

 加連先輩は時計を見ると大きく伸びをする。

「ふぅ〜……今日はここまでかな」

「は、はい……」

 ボクも彼女の声で現実に引き戻される。

「そういえば、さ」

 先輩がボクに向かって、なにか言いたげな顔をする。

「次の休日、なにか用事ある?」

「……えっ?」

 突然の提案にボクは戸惑うが、ちゃんと彼女に答える。

「特に用事はないですけど……」

「じゃあさ、一緒に出かけない?」

 加連先輩は笑顔で提案してくる。

 ボクは突然の誘いに戸惑いながらも聞き返す。

「ほ、本当ですか!?」

「うん、もちろんだよ!」

 彼女の笑顔を見たらボクも自然と笑顔になる。

 ボクの様子を見た加連先輩は、またも頭を撫でてくれる。

「よしよし♪ 楽しみだね」

「はいっ!」

 こうして、ボクは初めて、女の子とお出かけをすることになったのだった。

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