青い春は、やってこない(エッセイ)
青い春は、誰のものでもない。
青い春、つまり青春というものは、たいていの人にはやってこない。
青春物語を摂取していると、それが自分にもやってくるような感覚になる。
しかし、現実は違う。青い春は、待っていてもやってこないのだ。
だから、自分から動くしかない。
待ちの姿勢では何も始まらない。
何事も考動から始まる。
行動だけでは不十分で、どんな場面でも戦略が必要だ。
理論武装から始め、本音吐露で終わる――そうできたら理想的だろう。
だが、たいていの人間は理論武装しても、通用しないことばかりだ。
私もその一人だ。
定石を打っているつもりでも、思うようにいかない。
それが青春未満の人生だ。
きっと、たいていの人の人生も、そうだと思う。
だから物語を摂取する。
そして繰り返す。その繰り返し。
無限ループの中で、完全にうまくいくこともなければ、完全に失敗することもない。
自分が1、相手が99。
そんな確率で、青春というものは成り立っている気がする。
それが私の信じる真実だとしても、世の中は最初から甘くない。
むしろ、甘い瞬間などなく、気を抜けない場面ばかりかもしれない。
それでも、気が抜ける相手がいると信じたい。
信じて、私は明日へ進むのだ。