クセつよ異種族で行列ができる結婚相談所 ~看板ネコ娘はカワイイだけじゃ務まらない~(電撃文庫)ネタバレ感想

 訪れるのはワケあり相談者ばかり? 異種族同士の婚活ってタイヘンなんです!

★第29回電撃小説大賞《銀賞》受賞作★

あらすじ(※特設サイトから引用しました)

『自由とは、エルフとドワーフが愛し合っても咎められないことである』

 種族間戦争終結後──十七の種族はすべてのヒトが平等に暮らすための実験都市・ミイスを設立。

 それから数年、この街で『相談者満足度100%』を謳う結婚相談所には、今日もたくさんの異種族が訪れる。

 見習いスタッフ・猫人族のアーニャは謎多き美人所長・ドナのもと、クズな指導係・ショウとともに、相談者たちの縁を結ぶために日夜奔走していた。

 アーニャが憧れたのは、この自由な街で、異種族同士の幸せな出会いをサポートできる素敵な仕事……しかし現実は、ワケあり相談者の対応に追われる日々だった!

 理想がハイなエルフ女子(彼氏いない歴三世紀)、厄介能力でSクラスパーティを崩壊させた優男──って、いくらなんでもクセが強すぎるんですけど!?

 ドタバタ婚活ファンタジー、はじまります!!!!

感想

 面白かったです!!!!

 現実の世界と重なる部分があって、いろいろ考えさせられました。

 結婚相談所を舞台にした異世界ファンタジーということで、異世界でも私たちのいる世界と同じようなことが起こっているのではないか、と妄想してしまいます……!

 文章が、とても読みやすくて、よかったです!

 私はアーニャちゃんのような人と結……ゲフンゲフン!

ネタバレ感想(※未読の方は注意!)

 主人公の猫人族のアーニャちゃんが可愛かったし、人並みに恋する乙女だということがわかってよかったです。

 ヒューマンのビリーのグレイス――意味:神が与えし恩寵。自分を鍛えて習得するスキルや魔術とは違い、ある日突然使えるようになる特殊能力。その効果は役に立たないものから大軍を一撃で葬るものまで様々であり、グレイスの使い手はグレイスホルダーと呼ばれ重用される傾向にある――によって強制的に魅了されていたとしても、アーニャちゃんの心は美しかったです。

 ビリーは異性に恋心を抱かせるグレイスのせいで漁船で生活するようになりましたが、ビリーは次巻でどうなるやら……?

 アーニャちゃんとメーヴェとの関係もよかったです。

 メーヴェは約三百年、恋人がいないエルフなのですが、現実にいそうな女性のエルフバージョンでなかなか見てられない……そんなキャラクターに仕上がっております。

 でも、エルフだから美しさが担保されているので、まだ見ていられる……そんな女性ですよ、メーヴェは……。

 最終的にメーヴェは玉の輿狙いのために学校の教師になったわけですが……メーヴェが結婚する未来はあるのか……?

 芸能王ハルマンが、なかなかの強キャラで、よかったです。

 カルテット(アイロン・ブラッド)周りの話が、なかなか強烈でした。

 アイロン・ブラッドは男3:女1のグループで、その女の人が男3人を薔薇的なカップリングの妄想で興奮しているさまは、なかなかカオスでしたよ。

 物語が最終局面までいくと戦闘描写が激しくなります。

 ブライダルフェア中に戦争主義者がテロまがいなことを起こし、その場は大混乱に陥ってしまいます。

 ライトノベルのタイトルからかけ離れた戦闘描写だったため、私は少しビックリしました!

 終盤の読み応えが、とてもよく夢中でページをめくっていました。

 アーニャちゃんがブラックフットであることにコンプレックスを抱いて獣化できませんでしたが、ショウさんの言葉により獣の姿で戦う決意をするアーニャちゃんに感動しました。

 私もアーニャちゃんと同じような思いを持ったことがあるので……。

 すべての事件が解決し、エピローグでは異種族同士の結婚式でアーニャちゃんが「これからも私たちは真剣に結婚したいヒトたちの力になります! どんな種族のヒトもマリーハウスにお越しください! 皆さんの愛を見つけるお手伝いをさせていただきます!」という台詞でエンディングを迎えます。

 ビリーが漁船で、あるマーメイドと出会っていたので、そのあたりの話がどうなるか気になります。

 次巻で伏線回収されるのか……?

 そのあたりも楽しみです!

 ということで、『クセつよ異種族で行列ができる結婚相談所 ~看板ネコ娘はカワイイだけじゃ務まらない~』のネタバレ感想でした!

 お読みいただき、ありがとうございました!

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