心のモヤはいつもそこにいる(エッセイ)
胸の奥に、消えないモヤがある。
晴れた空のような心で過ごせる日もあるけれど、ふとした瞬間にそのモヤはひっそりと顔を出す。
たとえば、昔の友人のSNS投稿を見かけたとき。
楽しそうな笑顔、祝福の言葉、キラキラとした未来。
画面の向こう側にあるその世界が、私にはまるで別の次元の出来事のように思える。
「何を羨んでいるんだろう?」と自分に問いかける。
でも、答えはいつも曖昧だ。
ただ、その瞬間だけ、心にぽっかりと穴が空いたような感覚になる。
そのモヤはきっと、誰の心にもあるのだろう。
誰かと比べてしまう瞬間、過去の失敗が頭をよぎる夜、未来への不安が眠りを妨げるとき。
消そうとすると、モヤはむしろ濃くなる。
それはまるで、霧の中を手探りで進むようなものだ。
無理に晴らそうと焦ると、さらに深い霧に包まれてしまう。
でも最近、少しだけ思うのだ。
このモヤは、私がまだ「何かを望んでいる」証なのかもしれない、と。
期待して、失望して、また期待する。
その繰り返しの中で、私はまだどこかに光を見つけたいと願っている。
心のモヤは、完全には消えない。
それでも、ゆっくりと向き合うことで、少しずつ晴れ間が広がることもある。
そんな日が来ると信じて、今日もまた、歩いていこうと思う。