ルック・アット・ミー(エッセイ)

見ないでほしいと願う瞬間ほど、誰かに見つけてほしい。

目を逸らしながらも、心のどこかで叫んでいる。

「ここにいる」って。

けれど、人混みの中で視線はすれ違い、足音だけが遠ざかる。

誰も振り返らない。

誰も気づかない。

それでも、ほんの一瞬でもいい。

世界の片隅で名前も知らない誰かに見つけてもらえたら、少しだけ生きやすくなる気がするんだ。

だから今日も目を伏せながら、どこかで誰かに届くことを期待している。

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