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三浦るぴんの短編小説(全年齢向け)

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三浦るぴんの短編小説(全年齢向け)です。
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#自分

田舎の少年と都会の少女(短編小説)

  *  俺は田舎が嫌いだ。  なにもない。  なにもなさ過ぎて飽き飽きしている。  だ…

7

実家と楽園と卵(短編小説)

帰省して、ふと気がつく。 あれ? 僕の実家ってこんなに広かったっけ? ……ああ、そうか。…

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ちゃんと見てあげてね(短編小説)

  * 体という器に束縛されている限り、この世界に生まれてくるものは自由になれない。 ど…

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ベッドの上でバニーガールと(短編小説)

  * 「……バニーガール……だと?」 俺は思わず自分の頬を抓る。 痛い。 つまり、ここは…

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好きへと変わる気持ち(短編小説)

* 僕が彼女の秘密を知ってしまったのは、夏休みに入る前の日だった。 その日も僕は図書室で…

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魂について考える(短編小説)

* 魂は存在しない。 その理由は、僕たちは脳で感じるものを魂と呼んでいるからだ。 そして、…

大晦日の大掃除@オチなし(短編小説)

* 大晦日の大掃除。 それは、毎年恒例の行事である。 「お兄ちゃん、ちゃんとキレイにしてね」 「わかってるよ」 今年で小学四年生になる妹は、まだ幼いながらもしっかり者だ。 普段は生意気だが、こういった大掃除の時だけは、素直に言うことを聞いてくれる。 ちなみに、両親はというと、俺が子供の頃から続く伝統だからか、はたまた子供より自分の方が大事だからか、『自分たちは忙しい』と言って、毎年手伝いもせずにそそくさと出掛けてしまうのだ。……まあ、俺もその意見には賛成なんだけ

少女マンガみたいな恋をしよう(短編小説)

* 彼は少し照れたように笑うと、そっと私の腰に手を回し、優しく抱き寄せてくれた。 そして…

人間の美しさは偽物である(短編小説)

  *  人間の美しさは偽物である。 「人は、自分よりも美しいものに嫉妬する」と、誰かが…

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きっと誰かは(短編小説)

  * 嫌われているのは、わかっていた。 そのことに、不満を感じたりしたことはなかった。…

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小悪魔な後輩に誘われている(短編小説・前編)

  *  いきなり、背中に柔らかいものが押し当てられた。  しかも、その柔らかな感触は背…

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小悪魔な後輩に誘われている(短編小説・後編)

  *  次にやってきたのは雑貨屋だった。  彼女は小物類が並んでいる棚の前へと移動する…

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物書き未満妄想記録(短編小説)

  *  月曜日は焦燥感に苛まれる。  憂鬱だ。  明日は仕事である。  そう、仕事だ。…

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この世界に愛は存在すると思いますか?(短編小説)

  * 「この世界に愛は存在すると思いますか? 私は愛を諦めだと認識しています。そして、私はそれでいいと思っています」 「……それで、いい?」 「ええ、だって愛とは諦めることですから。私は愛に夢を見ていません。だから――」  そこで、言葉を区切って彼女は言う。 「――愛なんて必要ないんです」 「うん、そうかも。愛なんてなくても世界は回るし、人は生きていける」 「はい。私も、あなたと同じ考えです」  僕と彼女は笑い合う。 「それじゃあ、僕らは、ある意味、似た者