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3つの好きな映画|「今さら」ではなく「今から」戦前古典の名作を[チャップリン、ウェルズ、キャプラ]

「今さら」ではなく「今から」

「もっと早ければ」「今となっては遅すぎる」「もっと若ければ」つい口にしてしまいそうな、後ろ向きな「今さら」という言葉。そんな時は、“”の一文字を“”に変える。

言葉が変われば、意識が変わる。

心が変われば、行動が変わる。行動が変われば、習慣が変わる。習慣が変われば、人格が変わる。人格が変われば、運命が変わる。

心理学者:ウィリアム・ジェイムズ

ということで、新年一発目は、戦前の古典映画3選。いずれも映画史に残る名演説で聴衆を魅了するもの。強い決意表明で、想いを口にするもの。

今さら」と思わずに、新年の「今だからこそ」、古典映画の名演説に浸ってみる。勢い余って、自分の新年の決意表明まで口にすることができれば、儲けもんじゃない? という話。

玄関も松、葉牡丹、姫南天など正月っぽく飾り付け

「Impossible → I’m possible」

オードリー・ヘップバーンが言ったとされる有名な言葉。「’」をひとつつけただけで真逆に意味に変わるもの。不可能だと思えたことも、諦めなければ実現できる。「自分はできる」と言い聞かせる。

アイデアに価値はない。
行動することに意味がある。

意識を変えて、行動を変える。行動が変われば、習慣が変わり、運命が変わる。

今日から2023年。
さて、どんな1年になるのでしょう。


チャップリンの独裁者|1940

ヒトラーに間違われた床屋の史上最高のスピーチ

独裁者|チャールズ・チャップリン|1940

第1次大戦末期、トメニア国の兵士として戦線に出ていたユダヤ人の床屋チャーリーは、戦傷によりすべての記憶を失ってしまう。戦後、トメニアは独裁者ヒンケルが支配する国となりユダヤ人迫害を開始。そんな中、激変した状況を知らない床屋のチャーリーが退院し、ゲットーに帰ってくる...

チャップリン初のトーキー作品で最高傑作とも言われる風刺コメディ。何がすごいって、映画の公開が1940年。戦争の気配はなく、平和な世の中。ドイツはもとより、アメリカでもナチスの人気が高く上映妨害に遭う時代。

そんな時代に、チャップリンが製作・監督・脚本・主演を務め、ヒトラーの狂気を笑いとばし、その欺瞞を告発する。

ラスト6分間の大演説は、ファシズムの恐ろしさを糾弾し、平和のために団結する必要を訴える映画史に残る名場面。


市民ケーン|1941

アメリカ映画史上ナンバーワンと謳われる名作

市民ケーン|オーソン・ウェルズ|1941

実在の新聞王をモデルに、大富豪の波乱に満ちた一生を描く。大富豪が「バラのつぼみ」という謎の言葉を残してこの世を去った。その言葉の意味を探る編集者は、生前の彼を知る人々に取材を重ねていく。やがて浮かび上がったのは、すべてを手に入れた男の孤独な生涯だった。

オーソン・ウェルズが製作・監督・脚本・主演を務める。今では当たり前になっている時間軸の組み替え、長回し奥行きの深い絵づくりなどなど、革新的な映像表現とストーリー構成を、若干25歳の初監督で成し遂げる天才。

主人公の巨大な顔写真を背後にした演説シーン。正気を逸脱した、狂気の状態を暗示させ、不安感を煽り立てる映画史に残る名場面。


スミス都へ行く|1939

理想に燃え、腐敗した議会で23時間の大演説

スミス都へ行く|フランク・キャプラ|1939

腐敗した政界に立ち向かう新人議員の姿を描く。急死した議員の後任として田舎から担ぎ出されたスミス氏。政界の事情を知らない彼を議員に祭り上げようという政治家たちの目論見をよそに、彼は積極的に政治活動を始める。ある日議員の汚職を知った彼は、議会で追求しようとするが……。

素晴らしき哉、人生」「或る夜の出来事」など、名作揃いのキャプラ監督の代表作。この映画の見所はなんといっても、スミス議員が、自らの汚名を晴らし、不正を弾劾するために上院で行う演説のシーン。

ポイントはフィリバスターと呼ばれる議員特権。少数派の意見を尊重するアメリカの理想を体現する制度で、「いかなる上院議員も、他の議員の討論を中断させることができない」というもの。

23時間を超える大演説の末、力尽き意識を失う。その姿に良心の呵責に耐え切れなくなった汚職議員は、ついに不正を認め、戦いに勝利する。


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