面白い本・好きな本|文字やフォントの歴史[40000年・5000年・600年前]篇
人類史上初めての文字は?
一般的に、文字体系が発明されたのは約5000年前のシュメールだと言われる。その後、歴史の授業でお馴染み、メソポタミアのくさび形文字、エジプトの象形文字、中国の甲骨文字として発展していく。
では、それ以前には文字がなかったかというと、そんなことはない。40000年前の氷河期、ホモ・サピエンスも文字を使っていた、と。
時代は降り、約600年前。15世紀に活版印刷が発明され、文字のデザインであるフォントが大きく花開く。
そんな文字の歴史について40000年前、5000年前、600年前と時代ごとに振り返ってみる?という話。
40000|最古の文字なのか?
40000年前の氷河期に残された壁画の数々。そこには牛や馬などの絵とともに不思議な記号も残されていた。
これまで壁画の調査といえば、そこに描かれている絵ばかりに気を取られていて、記号に着目した人が誰もいなかった、と。
そこで、カナダの博士課程在学中の研究者が、欧州368箇所の洞窟を自分の足で調べ上げ、5000以上の記号を収集!
その結果、世界で初めて40000年前の文字のデータベースをつくり、カタチが32個に収斂することを発見する。
つまり、40000年前の時点で、文字は32個に体系化され、欧州全土で共通化されてた、と。
ナショナル・ジオグラフィックの『2016年・新世代の探求者』に選出され、メディアからも注目を集めたおもしろい本。
5000|トンパ文字
5000年前に生まれた象形文字が、今も現役で使われている。
中国雲南省にすむ少数民族ナシ族はトンパ文字を使っている。現在、世界で唯一の「生きた象形文字」と言われる。
文字のデザインは独創的で、世界の文字の中でも唯一色によって意味を変える。黄色はお金、黒は悪など、色で文字の意味を広げていく。創造性に富み、ユネスコ世界記録遺産にも登録されている。
著者が現地調査した記録をもとに、歴史的経緯やナシ族の文化、風習、生活などが紹介されているので、現地を旅している気分になるおもしろい本。
600|となりのヘルベチカ
600年前に、印刷の発明とともに花開いたフォントのデザインについて、簡単に理解できる本。フォントが擬人化された漫画というおもしろい試み。
自分でいろいろな資料をつくるときは、ひとまずヘルベチカ。そして、ちょっと印象的にしたい時はオプティマ、強調したい時はゴッサム。
いつも何気なく使っているフォントが、実はあの有名なブランド名と同じだったのか、という気づきもあり、あっという間に読めてしまう面白い本。
ちなみに、このnoteのフォントってなんだろう?
ちょっとネットで検索したけど見つからず、、、