ほんとのサービスってお客様に気持ち良く帰宅してもらうことなんじゃないかと思う
美容院に行ってきた。
今の美容院に変えたのは今年初めのこと。通い始めてからパーマをかけたりショートにしたりと、私的には結構髪型が変わってる今日この頃。
今はショートが少し伸びたところだが、ショートにする前にしていたパーマのスタイルを同僚の女性から褒められて「私のずっとやりたかった理想のヘアスタイル」とまで言われて大いに照れた。その人は最近になってやっと、そのヘアスタイルにしたもよう。もよう、というのはストレートからパーマのスタイルに変えられたので「パーマかけたんですね」と声をかけたら「はい、石元さんの真似して」と言うので、あ、そうなんだと思ったのだった。真似というほど似てるかどうか分からないけど、その人がそう思ってくれているのは何だか嬉しいし光栄なことに思える。
さて、今回私はパーマをかけた。1週間ほど前に予約の電話をしたら私が希望する土曜日は予約がいっぱいだと言われた。次の日曜日も空いてないと言われ、めちゃくちゃ人気店じゃん、もっと早く予約入れるんだった、仕方ない、次の週の平日でも良いかと諦めかけたら、
「あの、もし良かったらですが、日曜日の夕方の4時すぎならいけます」
日曜日、行けます。お願いします。
美容院って、行きたいと思った時に行けると嬉しいもんだ。だってさ、美容院に行きどき(髪が伸びて白髪も目立ち始める頃)なのに行けなくてモヤモヤしながら過ごすのは私の美意識に叶ってない。なんて、大袈裟か。でも女性にとって髪はとても大事、髪型がキマらない日は一日中憂鬱なのだから。
当日2時半頃になって、「今日は4時すぎからの予定でしたが、もし良かったら3時45分くらいからいけます」とわざわざ電話をくださり、「行けます」と答えた。
ネットで「こんな風にしたい」というヘアスタイルを探しておいて当日美容師さんに見せたら「なるほど、なるほど」と了解してくれた。
カットしながら、
「パーマかかってるほうが手入れしやすいですか?」
と聞かれる。以前はパーマをかけると手に負えなくなることが多くて、ストレートで自分でブローするほうが楽だと思っていたが、この美容院に変えてからパーマが楽だということを知った。
それに、歳とって髪にボリュームがなくなったから、トップをフワッとさせるのが難しいし髪の分け目やつむじがくっきり出ちゃうのが気になる、だからパーマが良いのよと説明した。
「なるほど、なるほど」
これ、美容師さんの口癖。肯定されると安心する。写真も見せたし、これ以上言わなくても分け目やつむじが目立たないようにしてくれるだろう。
カットしたりカーラーを巻いたりしながら世間話をする。ちょうど三連休の真ん中の日で、明日は月曜日。月曜日が祝日なのはそうそう無いことなので、子どもさんとお出かけするとのこと。美容院を営んでいると休みは月曜日だし、日曜日の休みは月に一回、子育てをしている間はなかなか不便だろう。
私も子どもの頃は、両親がお店を営んでいたので日曜日に両親とお出かけすることはほとんど無かったはず。それでもそれほど淋しい思いをした記憶はない。結婚して日曜日に家族でお出かけする私を見て母が、「みとんが小さい頃は家族で出かけることがままならなかったけど、その分今こうして出かけることが出来てるから良かった」と言っていた。人生はそうやってプラマイゼロになるのかも。
なんてことを考えたりしているうちに施術は最終段階に。と、髪をブローし始めてた美容師さんの手が止まる。
「石元さん、すみません。後ろのパーマのかかりが少しゆるいので、後ろだけもう一回巻かせてもらっていいですか?」
え‥あ、はい。(そんなこと言われたの、初めて)
「お時間大丈夫ですか?そんなには時間かからないとは思うんですが‥」
もちろん大丈夫です。(きちんと仕上げていただけるのなら何時間だって我慢しますってば)
「晩ごはんの支度、して来られたんですか?」
そんなん、小さい子がいるわけじゃないし、どうとでもなりますって。(今日の晩ごはんはスーパーのお惣菜で全く問題なし)
それにしても驚いた。誠実すぎる。いや、これが普通なのか?
正直、後ろ頭なんて自分じゃ見えないし、その日だけブローで誤魔化されててもわからなかっただろう。
なんかゆるいな、と気づいたとしてもま、そんなもんかと納得してしまっただろう。ショートから伸ばしてる途中だから、髪が短くてカールが入らなかったと言われたらなるほど、とそれで終わる話だろう。
それを、やり直すと言う。
夕方からの予約を無理矢理入れてもらっただけでも感謝だったのに。
時間を少しでも早くからにしてくれただけでも感謝だったのに。
美容師としてのプライドが許さなかったのか。
私的には多少遅くなったとしても文句があろうはずかない。
お支払いの時、
「お誕生日月なので今日は10%引きにさせていただきますね」
え、そんなサービスが?
もう何から何まで感謝である。
私は気持ち良く帰宅。なんて良い気分。この美容院に変えて良かったよ。これがサービス業ってもんだよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?