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嗤う伊右衛門 物語は作者のさじ加減
今回も”みんなのギャラリー”にて私の画像を使用して下さった方々の作品をご紹介します。
1つのイラストを使用して下さった方が、何名か集まったら、ご紹介させていただこうと思っています。一枚の絵にお集まり頂きありがとうございます。ご縁に感謝いたします。素敵な作品が沢山の方々と共有出来ますように!
気持ちや心の不思議に向かい合っておられる亀井 薫様。
キャシュレス決済サービスを優しく解説くださっている、パンを焼き続けて8年システム会社に転職しました様。
映画感想文を書かれていたり、SDGSに関心を寄せられたりとされている山田廣輝様。
作品をご紹介させて頂きましたこと、この場をお借りしまして、お礼申し上げます。皆様のこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。
皆様の記事を拝見して浮かんだキーワードは、”どうなっているのだろう”と”疑問符”。そこから私が思い浮かべた映画は夏のホラー特集と相まって、『嗤う伊右衛門』。わらういえもん。
『嗤う伊右衛門』2004年日本映画。蜷川幸雄監督。京極夏彦1997年出版、同名小説原作。尾崎竜童音楽。
4代目鶴屋南北『東海道四谷怪談』の”お岩さん”の物語。
立身出世の為に邪魔になった女に劇薬を飲ませ、顔を潰した後に捨て殺す男。その女に呪われ乱心、周囲の人を殺し自らも死ぬ話。因果応報の決定版。女を捨てる為に、女の顔が崩れてしまう激薬を飲ませるなんて、世界中の女性心を敵に回す非道な男に、男に翻弄され、されるがままの哀れな女。
その女”お岩さん”が崩れた顔で「恨めしや。」と、化けて出る怪談として有名なお話。子供の頃から、このシーンは目を伏せる程怖かった。
そして、相手を恨んで、呪い殺して復讐しても、”お岩さん”の魂は本当に癒されたのだろうか?といつも思っていた。
これが、京極夏彦さんや、蜷川幸雄監督の手にかかると、「なんということでしょう❣️」恋愛映画となった。
蜷川監督の映画の中では設定自体も変えている。伊右衛門は無口だけど正義感強くて一途。お岩さんは武士の娘然としていて、気丈で働き者。その2人が周りの策謀により翻弄されながらも、最後には2人の愛を昇天させるお話となっている。
『四谷怪談』では、どうしようもなく、救われない2人だったが、『嗤う伊右衛門』の仲睦まじくいたわり合う姿を観て、これがお岩さんの望んだであろう本来の姿だと思えてならない。この映画でやっと報われたような気がするお岩さんの御魂を感じた映画だった。何百年も「恨めしや。」と囁いてきたお岩さん。やっと幸せになれて良かったね❣️と私もホッとした映画。
歌舞伎の題材として、夏に上演されることも多い”お岩さん”の物語。鶴屋南北の庶民を惹きつけ、それ以降の人々にも長々と愛される作品であっだことが土台にあったからとはいえ、書き手次第で作品は様相を変え、読者を悦ばせてくれる。
私たちも自分の物語をいかようにでも、書き換えて幸せに導くことが出来るのだ。未来はどうなっているのか分からない。ただ、今思っていることが未来を作っている。未来へのさじ加減は自分次第。みんなが自分の人生で名作を作って行く。
ちなみに同じイラストを使用した私の記事はこちら。良かったら、ご一読頂けましたら幸いです。
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