短い時の詩
~1989年の夏~
朝の月
もやの団地の
階段の下
配達終えた
新聞学生は
スーパーカブにもたれて
汗をぬぐい
コーラを飲んだ
忘れ得ぬシュワシュワ。。
これで300部配達
朝日のかけらが
夢のそこかしこにキラリ跳ねた
高台の団地にも
かけはしをかける
夏の光は青年を好む
青年の汗と
どこまでも繋がり
君は世界中を渡れる気がした
深呼吸して
顔を上げて
明けていく今日の空
降りだした蝉しぐれ
吸い込むように深呼吸
深呼吸して
蝉しぐれまで
耳ですいこんで
希望に燃えた
夏本気
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