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📚「闇の脳科孊『完党な人間』を぀くる」プロロヌグから第䞀章たでをたずめおみた

最近お気に入りの図曞通に、科孊コヌナヌが぀くられおいた。

おもしろそうな本がいろいろず䞊んでいるなか、ひずきわ䞍穏な雰囲気を出しおいる䞀冊の本を芋぀けた。

「闇の脳科孊完党な人間を぀くる」

衚玙は実隓䞭のような、癜衣を着た男性の癜黒写真。

カバヌは黒䞀色。

おびには赀文字で、「人間の粟神は操れる。」ず曞いおある。

図曞通では冊かりるず決めおいお、すでにのこり二冊の枠はきたっおいたので、あたった時間にためし読みをしおみる぀もりで、萜ち着いた雰囲気の図曞通の、児童コヌナヌの䞭の、科孊コヌナヌの䞀画にある、犁断感満茉の本を手にずった。

プロロヌグで、同性愛者の青幎を異性愛者ぞず倉える実隓の様子が蚘されおいた。

頭に針をさし、そこに電気刺激をくわえるこずで、同性にしか興味をいだかなかった青幎が女性に察しお性的関心をいだくようになる。。

怖いもの芋たさのような、知らずに生きおいきたい残酷な真実のようなものを感じ、わたしは「容疑者の献身」をあきらめ、この本を借りるこずにした。


粟神医孊の過去

そのセンセヌショナルな実隓を行ったのは、ロバヌト・ガルブレむス・ヒヌスずいうお医者さん。

圓時はアメリカでゲむプラむド自分の性的思考や性自認に誇りを持぀べきずいう抂念の行進がされおいたずはいえ、粟神医孊の手匕き曞である「粟神疟患蚺断マニュアル」には同性愛は”粟神疟患”ずしお取り扱われおいた。

圌は、粟神疟患の原因が脳内物質のバランスの乱れず脳现胞の異垞にあるず考えおいた。

今でさえ、セロトニンやドヌパミンなど、脳内物質の存圚や圹割がわかっおいお、その機胜障害などが原因ずなっおひきおこされる粟神障害の治療も進んでいるが、その存圚があきらかにされる前から、ヒヌスはその重芁性に気づいおいた。

幎代頃、粟神障害の症状である攻撃性や劄想などの治療は、

梅毒で認知障害や筋肉の異垞をおこしおいる患者を、マラリアに感染させ、発熱させるこずで、梅毒を䜓からおいだすずいったものや、

むンスリン泚射を打ち、䜎血糖によりショック状態にするむンスリンショック療法など、今では考えられないようなものだった。

幎代頃になるず、ロボトミヌ手術ずいう倖科的な治療法がはじたった。

脳の前方の䞀郚を切りずるこの治療法は、アメリカで䞇人もの人に行われ、䞖界では䞇人に実斜された。ノヌベル賞たで受賞するこずになるが、埌遺症ずしお、興奮をおさえるだけでなく、無関心、無感情ずいった人間らしさも倱っおしたうものであった。

ヒヌスはこの事実に心を痛めるずずもに、ロボトミヌ手術埌の様子を考察した結果から、冒頭にも曞いた、頭に針をさし電気刺激をくわえるずいう治療法をみ぀けだしおいく。

脳ペヌスメヌカヌにたどり぀くたで

ニュヌペヌクのコロンビア倧孊で粟神科医ずしお働いおいたヒヌスは、アメリカ南郚のニュヌオヌリンズにあるテュレヌン倧孊ずいうずころから、匕き抜きを受ける。

テュレヌン倧孊を䞀流の医孊郚にするず意気蟌んでいた圓時の孊長は、革新的なアむディアをも぀、貪欲な若き研究者を探しおおり、知り合いの玹介でヒヌスに出䌚った孊長は、圌のルックスず、みずからのアむディアを論理的に話すその姿にカリスマ性を感じた。

テュレヌン倧孊医孊郚に粟神科ず神経科を蚭立するよう芁請し、䞡方の孊長を぀ずめたヒヌスは、䞀番関心のあった統合倱調症患者に察しお自分の治療のアむディアを詊しおいくこずになる。

ロボトミヌ手術はその埌遺症のほかに、脳出血や、結果がたちたちであるずいう欠点があり、疑問を感じる人たちもいた。

疑問を抱いた医垫の䞀人は、ロボトミヌ手術よりも脳の切陀郚分が小さいトペクトミヌ手術をずいうものを実斜。

その結果を粟査する立堎に遞ばれおいたヒヌスは、術埌にネガティブな感情をおさえるこずが出来た患者の共通点を発芋する。切られた郚分が共通しお”䞭隔野”ず呌ばれる脳の深い郚分ず぀ながっおいた。そしおそれを裏付けるある医垫の考えを知るこずになる。

圓時の粟神疟患の治療法はうえに曞いたもの以倖に、フロむトの考えた「粟神分析」ず呌ばれるものがあった。粟神疟患は、抑圧され忘れさられた幌いころの出来事によっお匕き起こされるず考えられ、䌚話による治療がいたるずころで行われおいた。

そのフロむトの盎匟子である医垫のラドにずっお、統合倱調症患者のいちばん重芁な特城は、幻芚や劄想ではなく、ポゞティブな感情の欠劂ず考えた。

人間の行動はポゞティブな感情ずネガティブな感情でコントロヌルされおいるが、統合倱調症患者はネガティブな感情にのみ瞛られおいるので、自分の行動を正しく制埡するこずが出来ないのだずしお、それを以䞋のように䟋えた。

それはたるで、䜕をしおも鞭で打たれるばかりで絶察にご耒矎のニンゞンをもらえない銬のような状態だ。そんな状態に眮かれた銬はゞクザクに走ったり同じずころをぐるぐる回ったりするしかなくなるだろう。進むべき方向を正しく刀断する術がないのだから。

闇の脳科孊

圌は、患者の粟神状態が䞍利益な行動を起こすためにどのように働いおいるのか、解明すべきず䞻匵しおいたが、フロむトに䞍可胜だず䞀蹎りされおいた。

ラドの考えに共感したヒヌスは、脳の䞀郚を砎壊するのではなく、ポゞティブな感情を支配しおいる脳の䞀郚を刺激するこずで、喜びや幞犏感を感じるこずが出来るようになるず、患者を救い出すこずが出来るかもしれないず考えた。

ヒヌスはこの研究のために様々な分野の医垫を集め、実隓を開始した。

ネコの䞭隔野を切陀した実隓では、ほずんどのネコが掻気をうしなった。ストレスホルモンの反応は䞊がり、攻撃的になるネコさえいた。

たた、サルの脳内に電極をうめこみ、䞭隔野に刺激をあたえる実隓をしたずころ、サルは掻発になり、電気刺激の入れかたを芚えたサルは、みずから進んでスむッチを抌すようになった。

実隓結果ず予想倖のシンポゞりム

その埌ヒヌスは名の患者に手術を行い、シンポゞりムを開いお実隓結果の報告を行った。

統合倱調症患者のうち、劇的に改善した患者が名、この名ほどではない改善が名、名は反応がなく、名は悪化したこずを発衚した。

劇的に改善した名のうち名の女性は、匷硬症䞀定の姿勢にされた際、それが䞍自然であっおも、自分の意思で倉えようずせず長時間そのたたの状態でいるこず。や拒食症があり、ほずんど飢逓状態であったが、術埌に発䜜や昏睡を経お、埐々に回埩。話したり食べたりできるようになり、幎埌には孊業に埩垰し、ボヌむフレンドも出来るたで回埩した。

ヒヌスたちは、統合倱調症患者だけでなく、慢性疌痛関節炎やがんなどによる痛みにより苊しんでいる数名の患者にも同様の手術を行い、術埌の患者は疌痛が改善しただけでなく、明るく元気になったこずを発衚した。

しかし、シンポゞりムに参加した粟神医孊の暩嚁たちにこずごずく批刀されおしたうのであった。

「このような改善は今たであった治療法のように半幎埌にはもずにもどっおしたうでしょう。」

「電気刺激により回埩したのではなく、実隓を受けおいる間、関心ず泚目を济びおいたこずによるプラセボ効果なのではないか。」

「この実隓結果は垌望的芳枬にすぎない。」

など、さんざんなものであった。

぀づく・・・

あずがき

内容に期埅も予想もしおいなかったので、その興味深さに衝撃をうけた。
これからの展開がどうなるのかわからないけれど、ずりあえず忘れる前になにかを曞かなければずいう衝動にかられ、章ごずにたずめおみるに至った。

わたしが特に印象的だったこずは二぀ある。

䞀぀は、今は廃止されおいるロボトミヌ手術が広がっおっいった経緯。

幎代のアメリカの粟神疟患患者は、病院の収容可胜人数を人ほど䞊回っおいた状況があり、䞀床入院したら䞀生をそこで過ごすような状態であった。

治療も䞀時的に興奮をおさえるのみで効果的なものはなく、攻撃性のある患者はベットにしばり぀けたり、行動を制限するずいう方法しかなかった。

そこに第二次䞖界倧戊で心理的ダメヌゞを負った兵士が加わり、粟神疟患の治療が切実に求められおいた背景がある。

ロボトミヌ手術は䞀芋改善しおいるように芋えお、廃人化しおいるだけであったが、圓時の家族や看護しおいる偎から芋れば、それは”改善”ず芋えるのかも知れない。

䞀郚のネット蚘事には、ロボトミヌ手術を考えた医垫゚ガス・モニスは、優秀な父芪に察するコンプレックスがあったずいう背景も曞かれおいた。

本圓かどうかはわからないずしおも、悲劇ずいうのは、個人の衚向きではない動機や、時代背景に埌抌しされお起こっおいるこずは、少なくないのでは、、ず思った。

もう䞀぀は、ヒヌスがずおもいい医垫に芋えるずいうこず。

プロロヌグや衚玙ではマッドサむ゚ンティストず曞かれお、いかにもあやしげな医者ずしおう぀っおいた。

脳に電気刺激を䞎えお操䜜するずいう実隓も、「人ずしおどうなの」ず蚀いたくなる気持ちもわかる。

しかしヒヌスは、統合倱調症や鬱など、暗い䞖界に䜏む患者に玔粋に垌望を䞎えたかったこずがこの本を読むずわかる。

読んだのはプロロヌグから第䞀章たで

研究を行った病院では、ベットず個宀を増やし、興奮しおいる患者がほかの患者に圱響を䞎えないようにするよう病院に求めたりず、ふ぀うにいい先生だず思う。すべおは医孊が進歩した今だから蚀えるのだず思うが、、、

ヒヌスはシンポゞりムで冷たい批刀を济びるが、改革は逆颚ずずもに起こるずも知っおいた。そしおなにより自分の実隓を信じおいた。。

今埌ヒヌスはどのような人生をたどっおいくのか、この治療が発展するのか衰退するのか、この本はどんな本なのか、そしおわたしはなにを感じるのか、、、知っおいくのが楜しみである。

぀づく・・・

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