田中美咲(社会起業家)

社会課題に特化した企画PRの会社 morning after cutting my hair, Inc CEO / インクルーシブファッション SOLITのソーシャルデザイナー/ D&Iやサステナビリティについての自論など、つらつら書きます。

田中美咲(社会起業家)

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マガジン

  • 学び直し

    社会人大学院での学び直しや、自分自身の個人的研究のまとめを書いています!

  • 多様性に向き合う

  • インクルーシブファッション

    現在運営している、インクルーシブファッションブランド「SOLIT」創業から実践に伴うアーカイブです。不定期に更新しています!

  • NPO・ソーシャルスタートアップ

    8年間のソーシャルスタートアップ運営経験と、社会課題解決に関する実践からみえたヒントや、課題をnoteにまとめています!

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    サステナビリティ・サーキュラーエコノミーについて学びと実践を繰り返す中で生まれた違和感や、捉えた学びを整理しています!

最近の記事

宗教から見たダイバーシティ&インクルージョン -世界や人々の多様性を尊重した思考と行動を起こすこと-

夏休み明けてすぐの2024年8月19日。東京・表参道にある青山ブックセンターからお声がけいただいて、私の初めての単書『非常識なやさしさをまとう―人とともにデザインし、障がいを超える―』刊行記念イベントを開催させていただくことになりました。 トークセッション形式ということで、「どなたかお話ししたい方いますか?」と聞いていただいてすぐ、大学院時代の恩師である宗教社会学者の橋爪大三郎さんが頭に浮かびました。 橋爪先生をお招きし、私が現在感じている「多様性」についてのもやもやを相

    • 包括ではなく、包摂をするということ

      明確にしておきたいのは、わたしがインクルーシブデザインについて語る時に、一定の団体や人の挑戦を否定したいとは全く思っていないということ。行動しているだけで褒め称えたいし、最高だと伝えたいです。 インクルーシブデザインの記号化「サステナビリティ」や「SDGs」のように、「インクルーシブデザイン」も記号化され始めているなあと思う。記号化されることについてはこの記事にも書いた通り。 インクルーシブデザインは、これまで企画や意思決定のプロセスから排除されてきた人々を、デザインの上

      • 非常識なやさしさをまとうー人とともにデザインし、障がいを超えるー(プロローグのみ公開)

        約1年間かかった執筆を終え、 本の装丁も決まり、 初めての出版…。 普通(?)は、自信を持って「絶対面白いから、読んでよね!周りにも広めて!」とたくさんSNSでシェアしたり、告知のために全国行脚とか書店巡りとかしていくと思うのだけど、私はというと、不安で不安で。 出版者の方から「これはめちゃくちゃ新しくて面白いですから!」と強く言い切ってもらって、ようやく畏れ多い気持ちでいっぱいだった私の背中が伸びはじめたくらい。 私は直接会うと「思ったよりもけっこう優しい雰囲気の方な

        • 私たちの11分のファッションショー

          2024年4月23日18:20(カナダ時間)、私たちのファッションショーが幕を閉じました。 私は美大にも通っていなければ、ファッションの専門学校にも行ったことがないし、ましてやアパレル企業にも勤めていません。それなのに、今カナダ・バンクーバーでファッションコレクションのステージ裏にいます。 まさか自分がファッションの事業に携わるとなんておもってもいなかったし、さらに自分が創業した会社のそのブランドが、いきなり海外ファッションコレクションで発表するなんて夢にも見ていなかった

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        • 多様性に向き合う
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          4本

        記事

          デザイナーの責任は、「納品」すれば終わるのか

          私は、デザイナーがもっと倫理観をもち、「納品する」までを責任範囲とする限定的かつ商業的なデザインではなく、自分たちが生み出したものがどのように影響するか捉え、倫理的に意思決定のできるデザイナーが増えてほしいと願っています。 一部、このテーマについて昨年10月末に、東京ミッドタウンで開催された「DESIGN TOUCH Conference」でお話しさせていただいた「無意識に社会課題に加担する商業デザインを産む潮流」についてはこちらにあります。 そのデザインの造形美ではなく

          デザイナーの責任は、「納品」すれば終わるのか

          どうかわたしを映画館デートに連れて行かないでください

          映画が好き。暇さえあれば映画を見るし、映画に救われてきた。 でも映画館は苦手。 映画を見たいのに、映画館に行きたいのに、映画館が怖い。  「映画」という、ふたりの共通点があっても、 どうか、映画館デートには連れて行かないでください。 そんな、映画が好きなのに映画館が苦手な私、田中美咲と 同じく映画が好きなのに映画館が苦手な僕、山中康司が 「見えない障害」について話します。 私たちの、「映画好きなのに映画館が苦手」私たちはずっと友達だったけれど、最近初めて見つけた共通点が

          どうかわたしを映画館デートに連れて行かないでください

          「iF DESIGN AWARD」最優秀受賞の社会起業家が見た、無意識に社会課題に加担する商業デザインを産む潮流とは?

          2022年10月29日、東京ミッドタウンで開催されていた「DESIGN TOUCH 2022」の中の企画、「DESIGN TOUCH Conference」にて数々の著名なデザイナーの方々の中で、なんと、デザイナーではない私が登壇する機会をいただきました。 そしてその登壇時のタイトルが、このnoteのタイトルになります。(厳かすぎ〜! そして当日は無料イベントだったので、このnoteに登壇内容の概要を公開します。 受賞確率1%未満のデザインアワードでGOLD受賞 タイト

          「iF DESIGN AWARD」最優秀受賞の社会起業家が見た、無意識に社会課題に加担する商業デザインを産む潮流とは?

          女性起業家であることに不満はないが、それにより私たちらしさが窒息をする

          2022年7月 金融庁政策オープンラボより「スタートアップエコシステムの ジェンダーダイバーシティ課題解決に向けた提案」が公開されました。 とても大まかな概要になりますが、上記提案の内容は以下のような記載があります。 起業、会社化、資金調達に至る創業者・社長の女性割合はごくわずか アクセラレーター、ピッチの場で女性起業家を支援する女性メンターの少なさ、男性優位 VCや資金提供者の女性特有の課題解決事業への未理解、後ろ向きな質問、育児をリスクと捉える 上場企業において

          女性起業家であることに不満はないが、それにより私たちらしさが窒息をする

          障害のない社会は、「寛容な社会」と「相互理解」からなのか

          はじめに、わたしはパニック障害と双極性障害になりました。現在、精神障害者保健福祉手帳申請中です。 障害は、社会の側にある。障害は、本人ではなく「社会」の側にある。 このような考え方を、福祉や障害、社会課題、NPO、ユニバーサル/インクルーシブデザインなどに関わる人はよく耳にすると思う。これは、2006年に国連で採択された、「障害者権利条約」の条文に掲載されているもので、「障害の社会モデル」という考え方。 障害を個人の欠陥だとする「医学モデル」 ちなみにその逆で、「障害

          障害のない社会は、「寛容な社会」と「相互理解」からなのか

          いったりきたり。それは短期的売上と長期的ビジョンどころではない。

          広島の大崎下島にある「久比」という地域に、1週間滞在している(た)。 「柑橘棟」と呼ばれる元病室だった場所を個室にされた四畳半の部屋に、窓と木の机。窓を開けると桜が満開で、その先には鮮やかな深緑の葉の中にたわわなみかんとレモンがぎっしり。 ここは、10年くらいの付き合いがある日本酒ベンチャーの戦友であるナオライの三宅さんが、根をはり、立ち上がろうとしている場。そして「くらしを、自分たちの手に取り戻す。」と掲げる一般社団法人まめなが織りなす希望のつまった場所。 いったり、

          いったりきたり。それは短期的売上と長期的ビジョンどころではない。

          【募集】オール・インクルーシブな社会を実現する「実践者」を募集します

          「SOLIT」は、多様な人も地球環境も考慮された、オール・インクルーシブな社会の実現を、まず第一歩として「ファッション」から取り組む会社です。 SOLITの過去noteはこちら👇 SOLITは2020年9月15日に設立し、社員・プロボノ・インターン・ボランティア・株主含めて約40名のチームで運営されています。 メンバー全員がSOLITの目指す社会に共感し、それぞれが自分の持ちうる強みを活かし、弱みは助け合い、そしてそれぞれの求めるライフスタイルや価値観・思想にあわせて関

          【募集】オール・インクルーシブな社会を実現する「実践者」を募集します

          やさしい株式の発行と、共同体の一員としての株主

          この度、多様な人も、動植物も、地球環境も、誰もどれも取り残さない「オールインクルーシブな社会」の実現を目指す、わたしたちSOLIT株式会社は、”やさしい株式”による資金を調達しました。 これは従来の株主第一主義からの脱却であり、私たちが目指す世界における様々な関わり方をする多様なステークホルダーからなる共同体のあり方なのだとおもっています。 プレスリリースはこちらです👇 なぜ資金調達を決めたのか愛のない力は暴力、力のない愛は無力。 利と情。 経済性と社会性どちらかだけに

          やさしい株式の発行と、共同体の一員としての株主

          オンラインで人が集まる場の形成と循環。出会えないからこそ大切にしたいこと。

          ふと振り返ってみると、FacebookやSlackなど使用するツール、そして目的は変われど、オンラインで人が集まる場の運営をすることがとても多くなったなと感じています。 このnoteでは、過去10以上のオンラインコミュニティを立ち上げや運営をしてきた中での私自身の経験や学びから、「はじめから知っておけば気持ち良くコミュニティ運営や関わり合いができるなぁ」とおもったことを、未来の自分と未来のだれかのためにまとめておきます。 今となっては、もはやあたりまえになりつつある「場づ

          オンラインで人が集まる場の形成と循環。出会えないからこそ大切にしたいこと。

          大学院大学至善館第二期生 学生代表卒業スピーチ (5分/日英全文)

          大学院大学至善館第二期生 学生代表卒業スピーチ (5分/日英全文)

          希望と期待、そして願いを具現化した服

          SOLITの服は、ただの衣服ではなく、ホスピタリティである。 こう言ってくれる、お医者さんがいた。 日本ホスピタリティ推進協会によると、ホスピタリティとは接客の場だけでなく、人と人、人とモノ、人と社会、人と自然などの関わりにおいて、両者の間に「相互満足」があってこそ成立する関係性であるという。 私たちは、相互満足が叶う服になりえているだろうか。 構想から14ヶ月、ついにリリースするいかにして、サイズや形や、既存の価値観、産業構造の画一的な「ファッション」が、私たちの多

          希望と期待、そして願いを具現化した服

          8年の社会人生活を経て、大学院に通い直した2年間の終わり

          ついに2年間の大学院生活の最後を締め括る、卒業発表が先週末に終わりを迎えました。 まだ卒業できるかどうかが左右される卒業論文の提出をしていないけれど(早く書きなさい、わたし!)、その卒論の内容をテーマとしたプレゼンテーションとスピーチを行う「最終発表」がありました。 大学院での2年間は思ってたより大変だった2011年の東日本大震災の発災とともに大学を卒業し、社会人となり、社会人になったと同時に私は社会起業家としての人生を歩むことを決めました。もう古株となりはじめた社会起業

          8年の社会人生活を経て、大学院に通い直した2年間の終わり