オンラインで人が集まる場の形成と循環。出会えないからこそ大切にしたいこと。
ふと振り返ってみると、FacebookやSlackなど使用するツール、そして目的は変われど、オンラインで人が集まる場の運営をすることがとても多くなったなと感じています。
このnoteでは、過去10以上のオンラインコミュニティを立ち上げや運営をしてきた中での私自身の経験や学びから、「はじめから知っておけば気持ち良くコミュニティ運営や関わり合いができるなぁ」とおもったことを、未来の自分と未来のだれかのためにまとめておきます。
今となっては、もはやあたりまえになりつつある「場づくり」「コミュニティづくり」ブーム。著名人・有名人が主宰し、月額会費制で対話のできるオンラインサロンブームもあってか、「コミュニティマネージャー」の重要性も理解が進んで、それ自体が専門性の高い職種となったとおもう。
とはいえ、そんな、オンラインコミュニティが世の中にたくさん生まれてはなくなりを繰り返す中でも、私が今運営している、社会課題解決に特化した人材育成・企画やPRの会社「morning after cutting my hair,Inc.」では、社会課題解決を促進するにあたり、多様な価値観が相互に承認されることや誰もが自律的な選択ができる状態をつくることを目指し、3つのオンラインコミュニティを継続的に運営しています。
🌎 社会課題解決に伴う3つのオンラインコミュニティ
1)サステナビリティの実践者が集まるラーニングコミュニティ「Sustainability College(サステナビリティカレッジ)」
2)社会課題領域の"これからの活躍人材"を育成するプログラム「Leaping Rabbit(リーピングラビット)」
3)ソーシャルデザインを学ぶ研究室「Social Design Monster's Labs」
特に1つ目に記載されている「Sustainability College」は、自社の中でも私自身が表に立って関わっていることと、NPOグリーンズと連携し共同運営をしてることもあり、双方の価値観や思想が入っていて、とても気持ちのいい場になっているので、そのこだわりを簡易的にまとめ紹介します🙏
場のはじまりは安心して場に入れるようにすることから
🙂私の体験
研修や、オンラインコミュニティ・イベントで、すごく盛り上げるタイプのファシリテーションの方や、それに伴って周囲の盛り上がりに私自身がついていけなかったことが何度かありました。
時には、運営側の「そうであってほしい」という理想を押し付けられているような気がする進行に出会ったこともあって、それを感じた瞬間にもやもやしてしまって、もう場に集中できなくなることもしばしば。
”一人一人違う” “違和感があれば解決できる” という、「ここは安全だな」と感じることが、コンテンツの良さよりも前の段階で安全な場づくりは大切だなと思っています。
(スライドはオンラインイベントやセッションをするときには必ず入れるスライドです!)
CHECK INは心と身体を場に集中させるため
🙂私の体験
みんなが全員100%学べる状況で参加できているわけではないのに、時々「なんで宿題していないんですか」「コミットしてください」と言わないまでもそういう雰囲気のある場がある。忙しくして疲れている人もいるし、辛いことがあった翌日かもしれないし、それぞれに事情があるから、そこを強制するのはなんだか違和感を感じました。。。
複数名のオンラインコミュニティの場合は1人の空気感は伝染しやすいということもあるので、たしかに課題があればなんとかしたいと思うもの。
ただ、そんな状況じゃないという人もいることは忘れてはいけないなと思っています。ここでは、強制をするのではなく、あくまでオンラインで一緒に学ぶタイミングがあれば、一度場に集中できるように「声を出して」「言語化して」その場に意識を向ける機会をつくるようにしています。
(スライドはオープニングを話した後すぐにいれるcheck inの案内です!)
気になるポイントは人それぞれなのでいろんなパターンの学ぶポイントを用意しておく
テーマや学びたい対象・目的を同じくした集まるコミュニティであったとしても、その中でもどの部分から学びをえたいとおもっているかは様々。そして学びを深めるにあたって、「学びやすいスタイル」も人それぞれです。
特にSustainability Collegeでは、受講生が70名を超えていることもあり、受講生同士の実践からの学びや切磋琢磨する中で刺激を得る人もいれば、講義と宿題を繰り返す中で研究を深める人も。そして登壇するゲスト講師の方からの情報によって新たな発見をえるひともいます。
ギリギリまで宿題をやらないタイプもいれば、本を何冊も読んでから自分の考えを言語化したいタイプもいたり、本当に人それぞれ。そこで、何かを強制するのではなく、いろんなタイプの学び方を用意しておくことが大切だと思い、上の画像のようにいくつかのパターンを準備しています。
TODOではなく「意味」を伝える
流れるように講義も課題もオンラインコミュニティも、受け流せてしまうけれど、その「意味合い」を知ると、関わる意味や関わるきっかけになったりすると信じてる...。
細部も”一体感”があることでより一体感が生まれやすい
🙂私の体験
ブランディングの一種ですが、デザインや言葉遣いなど世界観が統一されていると、このイラストやトーンがアンカリングされて思い出してもらいやすくなったり、場に帰ってきたくなるなーとおもっています!
コミュニティ分布をあたまにいれておく
これはコミュニティ運営に携わったことがある方の多くはすでに知っていることだとは思いますが、常に順風満帆なわけではありません。
やはり、合わないなと思って辞める人もいれば、気になって入ってくる人もいれば、すごく楽しんでくれる人もいれば、幽霊部員のような人もいます。熱量やコミット量を全員が100%にするには、いわゆる何かしらの「強制力」となるものが必要になるけれど、果たしてそのコミュニティはそこまでしたかったんだっけ...?と一度振り返ってみて、自分たちの目指す形を気持ち良く続けることが大切かなと思っています。
ただ運営していると不安になることがたくさんあるので、上の表?のように、一定の循環があることを頭に入れておくと安心かも。
ゲスト講師・受講生・事務局が対等な関係を築く
🙂よくあるもやもや:
受講生が学びやすい場にしすぎてゲストがおざなりになっていたり、
ゲストを敬いすぎて受講生がおいてけぼりになっていたり。はたまた、ゲストと受講生の場をより良くするために、運営が疲弊していたり....
誰かを贔屓することで本人が気持ち良くなると思っているかもしれないけれど、他者から滲み出る空気によって本人も気づき、それによって違和感は出てしまうとおもう。(登壇する側でも運営方法が楽しくなさそうだとちょっと引いちゃう)
🙂3社が対等であるのが私的理想:
・認識のずれのないように、参加者にも事前に目的とテーマを伝える
・ゲストに場の意義・意味を共有し、作っていただく資料や内容も精査する
・事務局が運営だけを回すのではなく、事務局も学び楽しむ!
場の目的を明確にして認識の齟齬をはじめから無くす
これはとても大切だと思ってるのですが、そしてこれができてないところは大体齟齬がでてもやもやし始めている気がすることとして、「場の目的が明確ではない」ということがあると思います。
サステナビリティには正解はない。自分なりの答えを見つけてください。
ここまで紹介してきたSustainability Collegeでは、正解を求めてくる人とは少し相性が悪いです。
答えを求めるような講義だと、「答え合わせ」を求め、そこにニーズ不一致があるとネガティブな感情がでてきます。Sustainability Collegeはそもそも「ラーニングコミュニティである」「答えはない」と都度お伝えしています。
このことからも、経験・経歴・知識の差はこの場(コミュニティ)では関係がないということが前提になるので、”出来ていない”という存在をつくらないことも受け入れる体制になっているのかも。
さて、そんなSustainability Collegeは4期を募集中です!もし興味があればご参加ください〜!