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「我々人間は自分達の命を鴉から守るために生贄として生ゴミを献上している。」

 燃えるゴミの日の回収日のゴミ捨て場にて。ゴミ収集車が集められたゴミを回収した後なのだろうが生ゴミが散らかっていた。そこには卵の殻やコーヒーの飲んだ後に残る茶色い湿ったカス、ぼろぼろになった食パンがあった。

 そのゴミを散らかした犯人はすぐにわかった。近くを大きな黒い鴉が横切ったからだ。その鴉のクチバシは鋭く、生ゴミの詰まったゴミ袋を突いて穴を開けるのは簡単なのがわかる。今まで見てきた鴉の中でも、その鴉はとても身体が大きく巨大で、本気になって人間を狙って身体の肉をクチバシで引きちぎろうとしたらゴミ捨て場に散らかる生ゴミのように簡単にボロボロに出来てしまうんだろうなと想像したら心の底から恐怖心が芽生えた。

「犬の散歩の時に、小さい方は簡単に鴉に連れさられそうだから気をつけてあげて。」
夫が私にこの前言っていた言葉の意味が、やっと理解できた。私は犬を2匹飼っていて、大きい方と小さい方がいる。その小さい方の犬はトイプードルという犬種でおちびちゃんなので、鴉に狙われてたらクチバシどころか、鴉の足に捕まって何処か遠くまで空を飛んで連れて行かれそうだ。我が子も身体が小さいので鴉に本気で狙われてたら怪我をするだろうと、心配になった。

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