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ズッキュン


君のことを考えると心臓がドキドキして
これが恋の病ってやつか〜って思ってたら
ただの心臓病でしたね〜ズッキュン!
余命いくばくの命、ばく、ばく、ばく、ばく
規則正しいその鼓動を感じ、あ〜私って生きてるんだなってやっと気づくことが出来ました。



大切なものほど失ってから気づくなんていいますが、人間は大切なものにはゆっくり気づくように出来ているんだと思います。失ってしまう恐怖をなるべくなるべく遅らせるためにゆっくり気づけるようになっているんだと思います。神様って優しいね。



なむあみだぶつなんて言わないで。みんなでじゅげむとか唱えていようよ。規則正しく木魚をたたいて、私の鼓動を消さないで。昨日見た夢の中で君が笑っていたのを正夢にしよう。蝶々の羽に招待状をくくりつけて虫の知らせだってかわいいの。御祝儀いらない、私、君しかいらないの。



大切なものにじわじわ気づいてきてしまいました。私の大切なものは可哀想で、誰にも見せてあげなかった。ぼろぼろのほころびを指でなぞって、誰にも見向きもされないようなものを大切にまもって、価値をつけてあげたような気になっていました。すくってあげたような気になっていました。大切なものにじわじわ気づいてきてしまいました。




嘘とかホントとか疲れてしまうね。これだけは本当だからね!って言われてもじゃあそれ以外は嘘なんだって言葉の裏だけを読んで、君の言葉足らずを責めたりね。なんだかな〜。嘘発見器つけたらずっとぴーぴーうるさいだろうお前の人生。奏でちゃったりしてね。その電子音の美しさに惹かれた私が愛していたものはなんだったのか。嘘をつく人間が嫌い。でも君は好き。嘘でもいいから安心させてって言ったのは私だし、その嘘を責めたのも私。閻魔様も舌を巻くほどの大嘘を君に。




思えば自分の人生に後悔なんてなくて笑えてしまう。色んなことと向き合わずに逃げてきたから、戻りたい過去なんてない。私がお前の過去を極端に嫌うのは、もしタイムマシーンが手に入ったときにひとりぼっちになるのが悲しいから。あの頃は良かったなんて言わないで。君の人生、今が1番マシだよ。



君のことを考えると脳みそがぐにゃぐにゃして
これが恋の病ってやつか〜って思ってたら
ただの熱中症でしたね〜ズッキュン!
余命いくばくの命、ばく、ばく、ばく、ばく
乱れたその鼓動を感じ、あ〜私って生きてるんだなってやっと気づくことが出来ました。



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