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Day24「物忌み」

1.マスク≒扇?

3密(密集・密閉・密接)のことを考えると、
平安時代の、簾を隔てたり、扇で顔を隠したりといった
直接顔を合わせて会話してはならない(顔を隠すのが良い)という慣わし、
あるいは、西洋の石造りの建築とは異なる、木造の風通しの良い建築、
これらは疫病対策として有効だったのでは? と思う。


もちろん、当時の人がどれほど意識していたかはわからない。
単純に不敬であると考えて顔を隠していただけかもしれない。
ただ、当時の呪いやら祟りやらが現代で言う流行り病のことを指していたのだとすると、ある程度は意識的に互いの距離を置いていたようにも思える。

2.方違え

「方違え」も効率の悪い習慣だと思っていたけど、
例えば時差出勤になぞらえるとうまく説明できる気がする。

例えば、浦和在住者が新橋に出勤する想定で、前日の夜にサイコロで占いをする。

1・2が出たら高崎線で東京駅経由東海道本線ルート。
3・4が出たら高崎線で上野駅経由山手線ルート。
5が出たらJRで王子駅に出て王子からメトロルート。
6は東京駅・上野駅・王子駅のいずれかで一泊するルート。

もちろん、分散した先で混雑に巻き込まれる可能性もあるわけだけど、
方違えなんて効率のよろしくないしきたりが真面目に行われていたことには意味があると思う。
意図的にルートを分散あるいは集約させていたと考えると良さそうだ。

3.物忌み

「物忌み」は、もう割とストレートに疫病対策だと思う。
「けがれ」を避けるために、
・病人の訪問を避ける
・肉食を避ける、死刑など刑罰の実施を避ける(腐った肉が病を媒介すると考えられていたのかも)
・神事以外の音楽の演奏は禁止(いまの自粛状況と近い!)など、
日常的な行為を控えることで自らの穢れを抑える面と、来訪神などの神聖な存在に穢れを移さないためという面がある。

自分自身が病に罹らないように、そして周囲に移さないようにという考え方は、まさに疫病対策なのでは。

4.まとめ

今回も半ば強引にひもづけてしまったところがあるけど、
平安時代に実際に流行り病で命を落とす人が多かったことを考えると、
あながち遠くないことなのではと思う。

緊急事態宣言と聞くと胸騒ぎがするけど、
戯れに扇で口元を隠してみたり、人混みを避けてみたり、
粛々と物忌みをしていこうという気持ち。


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