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「女はご機嫌であれ」の呪いに負けないぞ宣言

「毎日ご機嫌でいるためのTips♡」
「女性性を開花させてご機嫌レディになろう♡」

なぜ、女ばかりがご機嫌でいることを求められるんだろう。SNSやネット広告でこの手の訴求を見る度に、胸焼けがする。

「ご機嫌・ご自愛・しなやか」私の苦手な3大キーワード

似たようなキーワードとして「ご自愛」「しなやか」も付いて回る。

SNSを見ていてもちょっと政治に文句を言っただけで「ヒスってる」「更年期BBA」「怖い顔してたら幸せが逃げるよ?」なんて言われてしまう。もはや呪いじゃないか。

女というのはニコニコ笑って空気を乱さず文句を言わず、それでいて家事も育児も仕事もそつなくしなやかにこなし、押し活やヌン活、美容などのご自愛をして他人を頼らず自分で自分を満たすためのケアも怠ってはいけないらしい。

やること多すぎんか??24時間で足りる?????(足りてない)

(比較的)ご機嫌女の私に怒ったブチ切れ案件

接客業を生業としているので、基本的に笑顔でいることは苦痛じゃない。人の顔色を伺うのも得意な方だ。夫がコテコテの生粋大阪人なのも相まって多少の笑いも取れる。

ご機嫌でいることも、他人のご機嫌を取ることも、比較的得意な方だと思う。

それでも、ここ最近さすがの私もご機嫌でいられない事態が起きた。

お金を払ったのに連絡がない。全員が責任逃れをしている。事前に説明を受けた内容と実際の内容が違う。

どうして、こうも続くのか…と頭を抱えたくもなるけれど、そういうタイミングなのだろう。ここまで続くと私にもっと怒っていいよ、練習してみなよ、と神様が言っているようにしか思えない。知らんけど。

今までだったら「まぁそういうこともありますよね、お忙しそうですしね。」なんてあまつさえ相手を気遣うようなパフォーマンスをしていたと思う。もしくはこの人を選んだ私が悪い、と泣き寝入りするかだった。

でも、今回は勇気を振り絞って不満があることを伝えてみた。

初めは相手の顔が見えないメールで、次は電話、最後は対面、少しずつ難易度を上げていく。伝わって謝罪を受けたものもあれば、のらりくらりと交わされてしまったものもある。悔しかった。

不満を伝えるより、感情に蓋をして、求められるままご機嫌いる方がずっと楽だ。

相手にも嫌われないし、自分の内側に溜まった不満を解消するご自愛方法はSNSに書いてあるからいくらでも知っている。暖かい風呂に入るとか、お気に入りの服を着るとかね。

そのご機嫌は誰のため?

もちろん、短い人生をできるだけ笑って生きてる時間を増やしたいとは思う。だからといって笑顔の裏で泣く(もしくは泣いていることにすら気づかない)というのはちょっと苦しすぎんか?

伝えなきゃ伝わらない。言わなきゃ同意したと判断されてしまう。どう受け取るかは相手次第だけれど、自分にも、他人にも、世間にも、政治だって。アクションを起こしていかなきゃ何も変わらない。

誰のためのご機嫌か、誰のためのご自愛か、誰のためのしなやかさか。

「良い子」とはよく言ったもんだけど、親の身になってわかったのは、あれは大人が扱いやすい子を指すだけで全然goodじゃない。

失礼な態度をとられた時にまで、ご機嫌面してはいけない。

傷ついた気持ちを、ご自愛でなかったことにしちゃいけない。

本当はいっぱいいっぱいなのに、しなやかであるように振る舞ってはいけない。

良い子じゃなくて、あなたらしく、あなたのために生きてね。女性らしさマーケティングに対して言いたいことは色々あるけど、まず手始めに私はご機嫌な女でいることを辞めると決めた。

時代に必要なのは、おじさんのためのご機嫌TIPS(のはず)

ついでに一言言わせてもらうと、ご機嫌TIPSが必要なのは女じゃなくて男の方じゃない?

不機嫌な顔で周りに気を遣わせ、他人を支配しようとするオッサンのまぁ多いこと。仕事で嫌なことがあったらご自愛しろよ、無関係の他人に当たるな。ドスドス体当たりしてくるなよ、道を歩く時くらいしなやかであれ。自分の下半身くらいちゃんとコントロールしやがれってんだ。

誰かそういうサービス開発してくれませんかね(笑)。世の中にご機嫌なオッサンを増やすっていうミッションを持った会社、結構必要だと思うんだけどなぁ。

それでは、今日もありがとうございました!


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