Product-Led Growth はDTC ブランドの拡大の基本
広告費の高騰などのD2Cはチャネルとしてはモデルが死にました、利益を上げて顧客を獲得する(ここからして問題です、私たちは獲物ではありません)、活性化し、関係性を維持することが困難になっていると言われています。
Sales-Led Growth だからです。
DTCブランドは、運営コストを削減して、効率的に規模を拡大する方法を模索しているとも言えます。これは多くの場合は、卸売パートナーシップやマーケットプレイスの拡大、またはリアル店舗への回帰などという形で行われ、ブランドが既存のオーディエンス・視聴者を活用して、ラストワンマイルなどのフルフィルメント・流通の負荷を軽減できることも意図されています。
私は、ブランドの市場開拓において、リアル店舗や、ホールセール活動が重要な部分であるべきだと信じている面もあります。
ただし、DTC チャネルは、ブランドが顧客獲得と言われているの唯一の方法論であるパフォーマンス マーケティングから離れることを可能にするいくつかの機会を提供してくれます。
同時に、DTC ブランドは、カスタマー エクスペリエンスに対するエンドツーエンドの制御や、ゼロパーティ データとファーストパーティ データへの直接アクセスなど、独自のメリットを享受してコミュニケーションをすることで成長ができます。
SaaSなどの企業が低コストで指数関数的な成長を達成するために採用している方法論である、プロダクト主導の成長(Product-Led Growth)について考えてみます。
PLG:プロダクト主導の成長の基礎とメリット、それを e コマース(この先にオムニチャネルやOMOがある)と DTC にどのように適用できるか、DTC プレゼンスのためのプロダクト主導の成長戦略の確立に向けて最初の一歩を踏み出す方法を考えていきます。
製品主導の成長とは
プロダクト:製品主導型成長 (PLG) は、もともと 2016 年にOpenViewによって普及されたビジネス方法論です。
これは、顧客を獲得して維持するためにマーケティング費用を費やすことから移行し、代わりに製品を販売できるようにする手法で構成されています。
市場主導や販売主導の成長モデルなど、より伝統的なアプローチとは対照的に、製品主導の成長を採用する企業は、自社の製品エクスペリエンスをブランドジャーニーの中心に据え、製品第一のアプローチをとって収益と顧客を拡大します。
また、カスタマー サクセスなどの二次的な機能も自動化して、セルフサービスのオンボーディング エクスペリエンスに多額の投資を行っています。
これは、潜在的な顧客が購入に踏み切る前に製品を体験することができます。
SaaS スタートアップの場合、顧客に無料トライアルを提供する、セルフガイドのオンボーディング ツアーを案内する、カスタマー サポートを自動化する、顧客紹介に報酬を与えることで口コミを促進するなど、さまざまな形でこれを行っています。
適切に実行された製品主導の成長戦略には、メリットがあります。
顧客獲得コスト (CAC) の削減:
製品と既存の顧客ベースに販売を任せ、マーケティング キャンペーンへの依存を減らすことで、ブランドは CAC を削減できます。生涯価値 (CLV) の向上:
製品主導の成長により顧客のエンゲージメントが高まり、平均注文額 (AOV) とリピート購入率 (RPR) が向上し、顧客生涯価値が向上します。従業員あたりの収益 (RPE) の向上:
カスタマー ジャーニーを可能な限り自動化することで、運用コストを削減し、リソースを解放して戦略的な取り組みに集中することができます。より深い顧客理解:
PLG 戦略を採用するには、顧客ベースについての深い知識が必要です。
これは、フルフィルメント、顧客サービス、マーケティング チームなど、ビジネスのあらゆる分野にプラスの影響を与えます。チームの連携の改善:
製品主導の成長は組織全体に及ぶため、PLG 企業のチーム メンバーはマーケティング主導(Marketing-Led Growth)のチームや営業主導(Sales-Led Growth)のチームよりも連携して集中しており、チーム メンバーの満足感と効率が向上します。
Product-Led Growth(PLG):製品主導は、製品の価値を顧客に理解してもらうことで、顧客自らが製品を購入するように促します。
Marketing-Led Growth(MLG):マーケティング主導は、広告やPR、コンテンツマーケティングなどのマーケティング活動を通じて、顧客の認知度や興味関心を高め、製品の購入につなげます。
Sales-Led Growth(SLG):営業主導は、営業担当者が顧客と直接コミュニケーションを取り、ニーズを把握した上で、製品の提案や販売を行います。
e コマースにも当てはまる
プロダクト主導の成長は、当初は従来のソフトウェア企業向けに設計されていますが、創造性を発揮すれば、その要素の多くを e コマース/DTC ブランドのビジネス モデルやカスタマー ジャーニーに適応させることができます。
eコマースブランドがプロダクト主導の企業になるためには、「プロダクト」を構成するものについての視野を広げる必要があります。
多くのブランドは、これを自社の物理的な商品に直接反映させており、残りのショッピング エクスペリエンスは実装の詳細であると考えているといえます。
このような考え方では、商品主導の成長戦略から恩恵を受ける能力やメリットが大幅に制限されることになります。
商品主導のブランドは、あらゆる顧客タッチポイントを自社商品の一部とみなし、顧客を引き付け、活性化し、維持するための新しいタッチポイントを作成する方法を常に考えています。
特に、サブスクリプション ベースおよびメンバーシップ ベース(これを増やしていくとブランドの世界観が変わってきます。)のブランドには、1 回限りの購入を好む顧客が多いブランドに比べて本質的な顧客とブランドにとってのメリットがあります。
サブスクリプション プログラムやメンバーシップ プログラムがなく、またサービス提供するつもりもないブランドでも、商品主導の成長(PLG)から個々の要素を借用して実装することで成長や成功を収めることができます。
ブランドは商品主導の成長を
商品主導の成長を始めようとしているブランドにとっては、テスト・実験できる取り組みの数に落胆してしまいがちです。
それは、従来のマーケティング主導のアプローチを採用している場合は何でもありでしたからです。正しく考え方を採用するのは価値観のピボットが大変です。
どこから始めればよいかわからないことになります。そしてマーケティングやセールス主導に比べて派手さがありません。
ブランドの認知から注文の実行、そして購入後体験まで、ショッピングファネルとユーザーエクスペリエンスのさまざまな段階にわたっても顧客タッチポイントをマッピングすることがポイントになります。
さまざまな部門の関係者を巻き込んで、直接的および間接的にエンドユーザーとどのように対話するかを理解します。
最も忠実な顧客 (そして最も忠誠度の低い顧客も!) と話し、ブランドが彼ら顧客の日常にどのように適合しているか、現在の問題点、彼らが持っているアイデアについてフィードバックを収集します。
定量的分析を見て、使用状況とエンゲージメントのパターンを明らかにしていきます。
収集できるフィードバックとデータが多ければ多いほど、ブランドと顧客の関係をより包括的に理解できるようになりますがそれが目的ではありません。気付きがあればそれを実行してトライしてください。商品主導の成長と成功への移行のための機会は見つかります。
批判的に検討していく時です。
質問:どうすれば顧客の関心をさらに高めることができるでしょうか?
DTC ブランドは顧客と取引関係において、長期的な関係への投資に失敗していると言われています。
実際、ゼロパーティとファーストパーティのデータにより、ほとんどのブランドはより深いつながりを築くことができることがモデルのメリットでした。
どのような「なるほど」の瞬間を生み出すことができるでしょうか?
質問:価値を獲得する前に、どのようにして価値を提供できるでしょうか?
DTC ブランドの場合は、コンテンツ主導型の教育、または顧客がブランドの世界に入り込み、従来のアクティベーションの前にその価値を体験するのに役立つツールの提供というモデルになります。
たとえば、スニーカー マーケットプレイスのThe Editは、無料のパーソナルショッピング サービスを提供しています。
これは、普通で自然にできることです。リアル店舗なら当たりまえです。
質問:自動化に投資することで効率を高めることができますか?
単純な「はい」か「いいえ」で答えるよりも微妙な答えになります。
自動化/セルフサービス ワークフローへの投資は、チームの効率性または顧客エンゲージメント (あるいはその両方) に対して正当な利益をもたらすものでなければなりません。
顧客視点であれば、マイポータル機能(パーソナルページ機能)で購入後体験などがどれだけストレスフリーになるかは、Amazonでの体験を振り返るまでもないことは気づいているかと思います。
特に、サブスク購入は断然にストレスフリーです。
一方、パーソナライズなどの顧客とのコミュニケーションは、マーケティングオートメーションだけではなく、パーソナルページなどで、ジェネレーティブ AI をローコード/ノーコード プラットフォームと組み合わせると、人間らしいタッチを維持しながら、顧客サービスや商品クイズなどを自動化する素晴らしい機会が生まれることは話題になっています。質問:どうすればバイラル性を高めることができるでしょうか?
商品主導の企業は、商品をバイラルにする達人であるべきです。
ブランドには、多くの機会が目の前にあります。
パッケージング、取引通知(トランザクションメール→これは日本では有効に活用されていません)、さらには顧客サービスのやり取りさえも、肯定的な口コミを生み出す方法となります。
CRM/CXコンサルタントは不要なくらい一般的です。
イニシアチブのリストが無限に思いついたと思います、まずは小規模な実験から始めて、勢いをつけて商品の筋力を鍛え、顧客がどのように反応するかを確認してください。
強力な商品管理は、最大の活用ポイントを特定するのに役立ちます。
お気づきですよね。USP(Unique Selling Proposition)、日本語では「独自の売り」や「独自の価値提案」を思い出しませんか。
自社の商品やサービスが、他社商品やサービスと比べて、どのような点で優れているのかを明確にしたもので、マーケティングにおいて重要な要素のひとつでしたよね。
PLGの取り組み
インスピレーションとして、コマースおよび DTC ブランドに適用される最も一般的な商品主導の取り組みを考えてみましょう。
会員プログラム。
従来のロイヤルティ プログラムは主にキャッシュバックや同様のモデルを通じて支出に報酬を与えます。楽天も実際はリワードプログラムであり、消費か費消かどうかは別として顧客をランクつけして行動にインセンティブを与えています。
これはこれで有効な施策です。否定はしませんが、購入ポイントってそんなに貯まりますか。
適切に設計されたメンバーシップ プログラムは、顧客をブランドに共感するように導くことで、ブランドと顧客の関係をさらに一歩進めることが大切です。
これは、新製品への早期アクセス、対面または仮想での集まりやコミュニティへの参加、会社の創設者や、ブランドマネージャーへのアクセス、およびブランドの固有の顧客ベースに関連するその他の特典の形をとることができることでより関係が深まり広がることができます。紹介プログラム。
ブランドとの関係を通じて幸せな顧客は情報を広めるのが大好きで、紹介プログラムを利用すればまさにそれが可能になります。(なかなか日本ではアクションが難しいですが、決済サービスなどでよくみけかる施策にはなってきました)
ブランドが紹介者に割引やプロモーション コードで報酬を与えるのは一般的ですが、私はブランドが顧客ベースの共感を呼ぶオーダーメイドの施策を設計することを奨励しています。
高級ブランドの場合、2000 円割引を提供するよりも、他のブランドと提携してグッズや商品を提供する方が良い場合があります。
ようは価格にダイレクト反映させないことです。正価(アパレルならプロパー)で購入しないようになるからです。購入する前にお試しください。
顧客が購入を決意する前に物理的な商品を体験できるようにすることは、価値を獲得する前に価値を提供することの典型であり、まだ決めていない顧客を引き付ける優れた方法となり得ます。 (特に、このリストにある他の取り組みと組み合わせた場合)。
それは、返品・交換サービスかも知れませんし、一歩進んで、レンタルサブスクかもしれません。
そして、リコマース(自社ブランドの返品交換在庫品や、回収・下取り商品の再販売)かも知れません。教育的な内容のコンテンツ。
コンテンツは、DTC ブランドが追求する最も一般的なオーガニック マーケティングの取り組みの 1 つです。
視聴者にとって価値のある教育コンテンツを制作することは、真の問題を解決してブランド認知度を高める簡単な方法です。ウェブベース/モバイルアプリ。
ブランドは純粋にトランザクションを目的としたモバイル アプリを設計しているため、そのブランドで買い物をすることをまだ決めていない顧客にとっては役に立たないです。
これは、直接販売を目的としないコンテンツやインタラクションを通じて視聴者を育成する貴重な機会を逃してしっていまいます。
また、日本ブランド大好きのLINEの友だち登録も顧客メリットは”ほぼ0”ですので、クーポン配信でしか利用されていないことは、体験済かと思います。
これらは、ブランドに当てはまる良いスタート地点となりますが、自分を目立たせるユニークなアイデアを探求する勇気を持つ必要はあります。
商品主導の成長で成功させるには、顧客、ブランドをどのように体験するか、顧客の日常生活に欠かせない存在となるためにどのような機会を活用できるかを深く理解する必要があります。
これは、そもそもコマースは、顧客にとって価値がある商品(気づいているかいなかを導きだすこともポイント)を、メリットがある方法でお届けして、その価値を体験して貰い、何かを実現して、その実現したもので感動や満足を得て貰うことで、再購入が起きることの繰り返しです。
DTC ブランドの存在感を拡大できるように商品主導の成長がお客様に適しているかどうか、また、どのようにして商品主導の取り組みを開始できるかを判断して実行してみてください。
その基盤の上にマーケティングがあるはずです。